【第253回】 一葉散りてK. Y. (国語)
秋が深まるかと思うと、一気に気温が下がり、冬の到来も間近です。読書の秋と申しますが、この時期になると感傷に耽ったり、しみじみと物事を考えたりと、文化人になったつもりで、自分の人生を振り返ったりします。
人の一生を季節に例えたりすることもありますが、振り返れば私の年齢を考えますと、盛夏はとうに過ぎて、中秋の候、月を見ながら安穏に過ごしているといったところでしょうか。
私事ながら、長年一緒に遊び歩いた悪友が、この度、華燭の典をあげるはこびとなりました。年齢も違わず、彼にとっては晩秋を迎える前に、人生の新たな扉が開かれたことになり、誠に喜ばしい限りです。
私はというと、まだまだ、いろんな扉を開け閉てしては、袋小路に行っては後戻り、まっすぐ進んでいるようで、出発地点に戻ったりと、なかなか思うように進めません。
思うに、一人ではいつまでも迷子になったままで、家族をつくってはじめて、人は迷わずに人生を歩んでいけるような気もします。
遊学生の皆様も、これから一人で迷いながら人生を歩んでいくことになると思いますが、ふと、立ち止まって、まっすぐに進みたいと思ったときに、素敵な人との出会いがあれば良いですね。
青春まっただ中を過ごしている遊学生の皆様が、まぶしく感じられる今日この頃です。