【第119回】改めて思うこと尾谷 力 (地歴・公民)
「先生を喜ばせたい」この言葉は12月末に京都で行われた全国駅伝大会を前に、ある新聞社の取材に答えたキャプテンの言葉です。
創部以来今年で10年目。
顧問を任されている女子駅伝部で何度も挑戦するチャンスをいただきながら選手達の力を発揮させてあげることができない大会が続いている中で、今年の全国駅伝大会はスタートから違いました。キャプテンの言葉がメンバー全員に乗り移ったのか、今年のチームのテーマ通り『勇猛果敢』に全員が激走。新聞のコメント通り私を喜ばせてくれました。
順位27位、記録1時間13分21秒。
全国の強豪と比べるとまだまだですが、私にとって最高の成績となりました。
話は変わります。チームの一期生でキャプテンを務めた子から(子といっても現在は24歳、東京都立の高校で先生をされているのですが)「私たちがつくったチームも満10歳ですね。
これを機会に皆で集まるので先生も来てください」と連絡がありました。
常に結果が問われる勝負の世界。
選手達にはさまざまなプレッシャーが掛かります。それを撥ね退け実力を発揮するためには、厳しいことを要求する私と厳しさを乗り越えなければならない選手の間には何物にも揺るがない信頼が必要です。
改めて今回の大会を振り返ったとき、お互いに真の信頼関係を築くことができたのかなと思います。
ただ、先日の卒業生の電話以来少し考えています。この10年間、今までの卒業生も今年の選手と同じように私を信じてやってきたのではないかと。
この原稿を書いている現在の時刻は午前6時。
雪の降る中校舎の中ではもうすでに早朝練習に励む選手達の足音が響きます。
その足音を聞きながら、改めて「うちの子らを喜ばせてあげたい」と思います。
追記:今年の私の課題は、『……』。
毎年この時期に自分自身に言い聞かせていますが『今年こそ、勝負の年』。