【第46回】朝ごはん小坂 英洋 (情報)
朝ごはんを食べよう。
今に始まったことではないが、朝食をとることは大切だといわれている。
今回、私がなぜこの話題を取り上げたかというと、今私の保育園に通う2人の子どもが「はやね、はやおき、あさごはんチャレンジ」というカードを持っており、1ヶ月間の生活をチェックしているのだ。マル(できた)が多いと、賞状がもらえるらしく、張り切っている。しかし、早起きは親ゆずりで苦手らしく、バツのこともあるが、朝食は毎日マルだ。
我が家では、朝食は毎日の日課として当たり前のことだが、思い返してみると、私自身は物心ついた頃から結婚するまで、朝食をとる習慣がなかった。そこで、我が遊学館生は、朝食をとっているのか、そして朝食をどうとらえているのか、調べてみたくなったのだ。
突然だが、アンケートを行うことにした。対象は、私が授業を担当するクラスとした。時間も限られていたので、各学年1クラスずつ行い、有効回答数は108で、集計結果は下の表となった。
質問 | 選択肢 | 1年 | 2年 | 3年 |
1.今日、朝食を食べたか | はい | 34 | 28 | 24 |
いいえ | 4 | 8 | 10 | |
2.普段は朝食を食べているか | いつも食べている | 32 | 25 | 18 |
いつも食べているが、 時々食べない |
5 | 7 | 8 | |
いつもは食べないが、 時々食べる |
0 | 4 | 2 | |
いつも食べていない | 1 | 0 | 6 | |
3.朝食を食べる場所 | 家、寮 | 36 | 24 | 27 |
学校 | 1 | 11 | 4 | |
その他 | 1 | 1 | 3 | |
4.朝食は大切だと思うか | はい | 37 | 36 | 31 |
いいえ | 1 | 0 | 3 |
この結果だけでは、遊学生の実態とはいえないが、高学年になるにつれ、朝食を抜いてしまう生徒が現れるようだ(質問1、質問2)。そして、時間に余裕がないのか、家で朝食を食べず、学校で食べている生徒もいる。家で作ったものを持ってきているのか、コンビニで買ったものを食べているのだろうか。しかし、大多数の生徒が「朝食は大切だ」と考えている。
脳が必要とするエネルギーは「ブドウ糖」のみで、1日120グラムを必要とする。ブドウ糖は、ご飯やパンなどのデンプン質から作られる。食事を食べてから30分ほどでブドウ糖が作られ、脳に送られる。使われなかったブドウ糖はグリコーゲンとなって肝臓に蓄えられ、必要に応じてブドウ糖となって使われる。この蓄積は「12時間」ぐらいが限度であるため、前回の食事から時間が経っている朝は、脳がエネルギー不足を起こしている状態となる。つまり、朝食を食べないということは、学校での学習を拒否していることと同じなのだ。また、クラブ活動で朝練習をする人も、脳に送られるはずのエネルギーを使ってしまうことになるので、朝食は必須といえる。
平成20年6月は「食育月間」。文部科学省では平成18年から「早寝早起き朝ごはん国民運動」、農林水産省では平成20年6月に「めざましごはんキャンペーン」、など朝食を含めた「食育」に対する運動が高まっている。
遊学生はあいさつが素晴らしい。
朝にさわやかなあいさつができるのも、一日の学習がはかどるのも、すべては朝食のおかげ。きちんと朝食を食べ、いい朝のスタートを切ろう。