【第3回】 「遊学」とは−新しい人との出会い、つながり?中村 裕行 (地歴・公民)
この文章を読んでいる本校の生徒は、私が1学期の終業式で
「本校のホームページが8月10日にリニューアルされます。
全国の高校で最も多くアクセスされるように、いろいろな仕掛けがしてありますので、お楽しみに…」
と話したことを覚えていますね。
私は8月10日、クラブの遠征で学校を離れていたため、ホームページがリニューアルオープンされた前後の反応を直接確かめることはできませんでした。
しかしながら、この作業に携わった一員として、内外の反応はたいへん気になるところです。情報が不特定多数の人々に発信されることの魅力と怖さを、今さらながらに感じています。
ホームページの魅力という点から話をすれば、特に県外出身生徒のご家庭にとっては、遠く離れた場所から子どもが通っている学校の情報をほぼリアルタイムに把握できることは、有り難いことではないでしょうか。
昔、テレビカメラを向けられ
「故郷のお父さん、お母さん見てるー?私は元気に頑張っているから安心してー!」
などとピースしている姿などをよく見かけたものですが、このホームページがそんな役割を果たしてくれれば、こちらも有り難いと思っています。
現在、本校には100名近くの県外出身生徒が在籍し、主に運動部で活躍しています。校名にある遊学とは、異郷の地で学ぶという意味ですから、まさにその通りの状況が生まれているわけです。
入学して間もない頃は、クラスに2、3名いる県外出身生徒との言葉の違い、文化の違いなどが新鮮な驚きとなりますが、時がたてば県外出身生徒も自然にクラスへとけ込んでいく、これは本校の魅力の1つだと感じています。
先生方にも県外出身者は多く、いろいろな縁で本校に赴任し、「チーム遊学館」を構成しているという感じです。
私も県外出身者の1人で、東京都多摩市という所で育ったのですが、系列の金城大学職員に同じ出身地の方がいらっしゃるということを先日知りました。
さらに驚くべきことは、私が大学生の時にボランティアで通っていた学童クラブに彼が児童として通っていたらしいということです。まさに遠く離れた石川の地で、20数年ぶりの再会を果たしたことになります。
教え子とか師弟関係というには及びませんが、本当に何という縁だろうかと感動してしまいました。
「私学は人」だと、よく言われます。
建学の精神の下に集い、学び、巣立っていく-受験の現実を考えれば理想に過ぎるのかもしれませんが、このような生徒が1人でも多く集まってくれればと思います。
全国には、1万名を超える卒業生の方々もいらっしゃいます。
このホームページを通じて、「チーム遊学館」の輪が外野にまで大きく広がることを願っています。
最後に一言。
「東京の親父、おふくろ、元気ですか?私は、遊学館で頑張っています。
学校のホームページも見てください!」