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2024年4月11日 (木)

【第830回】「できないことがある悔しさが原動力になる」清水 汐音 (国語)

「アナザースカイ」
日本テレビ系列で、毎週土曜日に放送していて、ゲストの人生観や仕事観に触れることができる番組です。

私はたまにこの番組を見ます。
3月16日の「アナザースカイ」は、田中みな実さんでバルセロナでした。
私は大学生の頃から田中みな実さんのファンで、「これは絶対に見なければ!!」と思い、テレビの前に座りました。
その番組の中で田中みな実さんは、このようなことを言っていました。

   できないことがある悔しさが原動力になる

私は、この言葉が私の心にある、形が定まっていなかった感情に、はっきりとした形をもたらしてくれたように感じました。

私は他の先輩の先生方に比べれば、十分にできないことばかりです。そして今年初めてクラス担任をすることになり、きっとこの一年でたくさん悔しい気持ちを味わうような気がしています。それでも私は、今年度が終わる3月31日の自分に会うのが楽しみです。悔しい思いをした分、自分は努力するだろうし、そしてその努力した分、また一歩なりたい自分に近づくことができるから。
私はどんなときも、何歳になっても、心のときめきに従って、自分が成長できる道を選んでいきたいと思っています。その先で苦しい思いをすることがあるとしても、果敢に挑戦したいし、いつだって自分の人生にわくわくしていたいです。

4月になり、新しい学年での学校生活が始まりました。勉強でも、部活でも、去年とは違うことが求められ、できないことに出会うかもしれません。悔しい思いをするかもしれません。でも、それをマイナスには捉えないでほしい。そう思っています。
その悔しさは、きっとチャンスだから。投げ出さず、最後まで自分に向き合って、挑戦し続けてください。その分、成長できるし、強くなれるから。

どんな一年になるのか、とっても楽しみです。
一年間、よろしくお願いします。

2022年11月10日 (木)

【第755回】「少しの成長」清水 汐音 (国語)

 大切なものを大切にする
 当たり前のことが出来ている人はどのくらいいるだろう?

 ある尊敬する女性が、最近呟いていた。


 一人暮らしを始めて3年。変化したことは多いが、一番は家族との距離だろう。毎日顔をあわせ、わざわざ会いに行かなくてもそこにいる生活から、会いに行かなければ会えない生活になった。正直、実家で生活しているときは「家族の大切さ」なんてものは感じていなかったと思う。距離が近すぎたのだ。幼いころから喧嘩は絶えなかったし、高校生になれば自分で精一杯。大学生になっても、まだまだ自分の幼さは変わらず、感謝の言葉を口にすることは少なかったように思う。

 一人暮らしを始めて自分で全てやるようになり、祖母や母のありがたさを痛感した。実家に戻れば、これ持っていきなとおいしいものをもらったり、ご飯に連れて行ってくれたり、他にも様々な形で愛情を注がれていることに毎回気づかされる。「お母さんみたいなお母さんになりたい」なんて言葉には全く共感できなかったが、今なら分かる気がしている。
 帰るたびになぜか喜んでいる妹もいるし、弟はある日突然髪の毛がアフロになっていたり、ピンクになっていたりする。その「いつも」が私を安心させるし、また帰ってきたくなる。私にとって家族は「大切なもの」だ。

 そんな家族を大切に出来ているのかと問われると、まだ胸を張って言えるほどにはなれていない。実家に帰るとやはり甘えてしまうし、感謝を改めて伝えるのもなんだか照れてしまう。まだまだ立派なプレゼントを渡すこともできない。反対に最近、祖母に旅行に連れて行ってもらい、いつまで元気でいてくれるのかななんて考えたりもした。
 来年からは、一人暮らしをやめて実家に戻る予定だ。今の気持ちを見失わずに、自分なりの「大切にする」を表現していきたい。

2021年5月 6日 (木)

【第679回】 「春の日」清水 汐音 (国語)

 先日、お休みの日に能登まで桜を観に行きました。金沢の桜が葉桜に変わっていく中で、能登ではちょうど満開の時期だったのです。あるお友達に誘われて、「能登さくら駅」とも言われている能登鹿島駅まで行きました。少し風が冷たかったけれど、日光がやわらかく暖かい、そんな春らしいお天気でした。この駅からは海も見えます。満開の桜と海とを一緒に見ることができるなんて想像もしていなかったので、そんな景色をみて、私は一瞬で「来てよかった」と思いました。

 実は、この日、目的がもう一つありました。海に行ってシーグラスを拾うことです。二人とも、宝さがしでもするかのように真剣に集めました。そんな中友達が、ふとこんな内容の言葉を独り言のようにつぶやきました。

「私よりも真剣に探してくれるところが、あなたの素敵なところだよね」

 確かにシーグラスを拾いたいと言ったのは、友達のほうでした。ですが、私も海が好きで、同じように思っていたし、こんな風に伝えられることは驚きでした。この言葉に対して、私がどんな風に返したのかは、全く覚えていません。とにかく嬉しくて、こうまっすぐに伝えられる友達のいいところを再確認できたし、「この子に出会えてよかったな」と改めて実感しました。

 この友達は、遊学館で一緒に高校生活を過ごした友達です。三年間、一緒に日本一を目指した仲間です。遊学館で過ごした三年間の思い出は、卒業後、私に頑張る力をたくさんくれました。だからこそ私は今、こうして先生として遊学館にいることができています。

 高校生活がまだ始まったばかりの1年生、折り返し地点にいる2年生、最後の一年を過ごす3年生。みなさんが、本当に大切に思える友達に出会い、自分の力になってくれる時間を、遊学館で過ごせたらいいな…と思っています。

20210506