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2020年7月30日 (木)

【第639回】 「鉛筆デッサンをうまく描くには?・・・鉛筆の種類を知ろう!」光谷 和子 (芸術)

 鉛筆デッサンをうまく描くには、いくつかのコツがあります。
まずは、光や影などの明暗を、白~灰~黒の“濃淡”を使って描き分けるというのは想像できると思います。
そして、線を網掛けのように重ねて描く“クロスハッチング”という技を使えば立体的な表現ができます。
また、モチーフ(描く対象)の接地面から発生する“影”を描けば、存在感や重量感を表現することができます。
後は、“質感”を表現できれば完成です。
質感はモチーフそれぞれが持つ物質感です。
ガラスや金属は硬い、タオルは綿は柔らかい質感であるということです。
この質感をどうやって表現するかというと、実は、鉛筆の種類を使い分けると良いのです。

 日本JISには鉛筆は全部で17種類あります。
芯が柔らかく黒が濃いほうから 6B・5B・4B・3B・2B・B・HB・F・H・2H・3H・4H・5H・6H・7H・8H・9H で、9Hがもっとも芯が固く黒が薄いです。
BはBLACK(ブラック・黒い)の略です。
HはHARD(ハード・硬い)、FはFARM(ファーム・引き締まった)という意味になります。
文字を書くにはHBか2Bが適しており、クロッキー(速写)を描くには2B~4Bあたりを使います。
 さて、これらを使ってデッサンの質感をどう表すかというと、例えばモチーフに「ガラス、新聞紙、桃」がある場合を考えてみます。硬い「ガラス」には2H~Fぐらいの鉛筆を使います。「桃」などの柔らかいモチーフには2B~3Bあたりの鉛筆を使います。その中間の固さのイメージの「新聞紙」にはHBやBを使うといった具合になります。鉛筆の種類を変えるだけで質感が出てくるのです。
 デッサン力を向上させたい人は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!