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2017年1月26日 (木)

【第462回】 とりかへばやK. M. (国語)

 「君の名は。」という映画が昨年公開され、人気となった。この学校でも多くの生徒が鑑賞し、二学期はよく生徒の口からこの映画の話を耳にした。小説を夢中になって読んでいる生徒もいた。「おもしろい?」と聞けば必ずどの生徒も「おもしろかった!良かった!」と返ってきたものである。
 よく知らないけれども、どうやら作ったスタッフもすごい人たちのようで(すみません)、しかも、映画の舞台となったとされる場所を訪れる“聖地巡礼”という言葉も、流行語大賞にランクインした。世界でも順次公開され、好評を得ているようだ。
 ただ、こんなに有名な映画なのに、実は見ていない。「おもしろい」と言われ連日話題になっているのを知りつつ、興味は湧くのだがなぜか食指が動かなかったのだ。
 アニメにしては確かにきれいな映像だ。だが、主人公は高校生。そんな若い登場人物に、おばさんが感情移入出来るのだろうか。私は高校で教えているのだから、今の高校生が興味ある物を見てみるのが良いとは思う。だけれど、男女が入れ替わるというテーマはン十年前にすでに映画化されていて、その映画の存在を知っている人間が見たら、それは色あせて見えてしまうのではないだろうか。かといって「見ない」という判断をしてしまうのももったいない気がするし・・・と、うだうだ考えて今に至っている次第である。
 そんなある日、その人気の理由に迫る番組を目にする機会があった。そこには、マーケティング戦略が今の時代にピタリとはまったり、作品自体がよく作り込んであったりと、なるほどと思える内容があった。そしてさらに番組では、ある説を立てていた。映画のモチーフが日本の古典文学によるもので、例えば夢の中で男女が出会う設定は、小野小町の「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを(=思いながら寝たからだろうか、あの人に会えたのは。夢と知っていたならば目覚めなかったのに。)」の和歌にあり、男女が入れ替わるというのは、平安時代の「とりかへばや物語」にすでにある、と。
 ここまで見てやっと、私がもやもやと心に抱えていたものがなんなのかがはっきりした。それは、設定が日本人に長く存在し続ける内的なテーマの一つであるということ。だから、多くの日本人を惹きつけるのだろう。私が「見ない」という判断を捨てきれなかったのもこれだったのだ。のちに、監督は海外の映画祭で欧米の記者から設定の質問をされ、逆に男女の入れ替わりものの話の存在を聞いているが、欧米には「ない」とのことで、どうやら日本独特のものらしい。
 しかし国語を教えているくせに、「君の名は。」が男女入れ替わりの物語と聞いて、「とりかへばや物語」を思い出せなかったのは失策である。悔しい。これを書いているうちに「君の名は。」が無性に見たくなってきた。そこで金沢の映画館情報を調べてみた。すごい!まだやっている。次の週末こそ見に行くとしよう。

2017年1月19日 (木)

【第461回】 基礎は応用の応用K. N. (数学)

この文章は、センター試験の直後に出ることが予定されている。でも、これを書いているのは、センター試験の前なので、結果がどのように出るのか、まったくわからない。
難しい問題であれば、点数が取れず、大変だし、易しい問題であれば、平均点が上がり、それはそれで大変である。
今はただ、受験生の健闘を祈ろうと思う。

ところで、センター試験は、(少なくとも数学に関していえば)基礎的な問題がほとんどである。
基礎がちゃんとできていれば、その問題は解ける。
時間の制約があるので、100点が取れるかと言えば、それは無理かもしれないが、教科書と問題集による練習を積み上げれば、必ず解ける。

だから、いうのだ:「基礎は大事」

でも、それがなかなかできない。
「基礎」はつまらないからだ。
なぜつまらないのかといえば、それは目的がわからないからだ。
だから、目的がわかれば、つまらなくても、やるかもしれない。

以前、ある本を読んでいたら
「基礎は応用の応用」
という言葉に出会った。言い得て妙である。

応用問題が解けないなら、それは基礎ができていないからだ。
できていないなら、基礎練習をしなければならない。
だから、「基礎は応用の応用」なのだ。

とはいえ、理由がわかっても、基礎練習はつらい。
やらないといけないとわかっても、なかなか一人ではできない。
きっと、学校で先生に強制的にやらされないと、やれないものなんだろう。

そんなわけで、僕は今日も「基礎練習プリント」を作るのである。

センター試験の結果はどうだっただろう。うまくいっていることを祈っています。

2017年1月12日 (木)

【第460回】 ガンバレ、受験生!牛腸 尋史 (英語)

 お正月も明けて、新しい年が始まりました。みなさんはお正月をどのように過ごしましたか。お節料理やお餅を食べながら自宅でゆっくり過ごした人、両親の実家で新年を迎えた人など、それぞれが楽しい時間を過ごしたのだろうと思います。しかし、大学受験を控えた3年生にとっては、クリスマスもお正月もゆっくり楽しむ余裕はないでしょうね。
 私にとってお正月は、「図書室」というイメージがここ数年は、強くなっています。なぜかというと、遊学館高校では、図書室で年末年始の勉強会が行われているからです。年末年始は慌ただしい雰囲気で、自宅でも勉強に集中できないだろうということや、冬休みの追い込みで生活リズムを崩さないようにということで、12月29日から1月4日は午前9時から午後5時まで希望者に開放しています。その勉強会も今年で5回目になります。今年は、15名ほどの生徒が図書室で年末年始を過ごしました。
 今週末は、いよいよセンター試験です。いよいよ大学受験が本格的に始まります。この日のために、たくさんの生徒が遅くまで学校や自宅で勉強に励んできました。努力の成果を試験でしっかり発揮して、輝かしい未来を勝ち取る第1歩にしてくれることを願っています。ガンバレ、受験生!

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2017年1月 5日 (木)

【第459回】 『いつもありがとう』五嶋 祐佳 (地歴公民)

明けましておめでとうございます。
お正月は実家である名古屋で過ごしているのですが、とても天気が良く暖かいです。

私は去年の3月から一人暮らしを始めました。
日々の生活の中で、改めて親のありがたみを感じています。
お腹が空けばご飯が出てくる。
洗濯機に服を入れたら畳まれて返ってくる。
なぜかゴミ箱からゴミが消えている。
このような現象は、一人で暮らしていたら起きません(笑)

よく寮の生徒が「お母さんのご飯が食べたい」と言っています。
また4月に2年生のクラスで自分のプロフィールを作成してもらった時には、
“好きな食べ物:お母さんが作るカレー”と書いてありました。
共感とともに感動もしました。

私は大学4年生から料理教室に通い始めたおかげで、料理もなんとか・・・。
料理なんて慣れだ。と勝手に思い込んでいましたがしっかり習ってみると違いますね。
いつも作ってもらっているので恩返しのつもりで、夜ご飯やクリスマスケーキを作ってみました。

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「おいしい」「作ってくれてありがとう」と食べてくれたのでうれしかったです。
「あれ?自分、そんなこと言ったことあるかな・・・」とふと思いました。
「おいしい」「ありがとう」なんて、近くにいるほど照れくさくて言えないですよね。
しかし、言葉にしないと伝わりませんね。何を伝えるにしても“言葉”必要です。
メールやLINEで送るのが簡単かもしれませんが、たまには面と向かって伝えてみるのもいいかもしれない!
帰る前にはしっかり感謝の気持ちを伝えよう!!

2017年も周りの人への感謝は忘れないように、言葉にして伝えていきたいと思います。
「いつもありがとう。」