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2014年3月13日 (木)

【第322回】 銀婚式中村 裕行 (地歴・公民)

 プライベートな話で恐縮だが、先日3月11日は結婚記念日だった。年を重ねていくうち3月10日とよく間違えて妻に叱られたが、3年前に東日本大震災が起こってからというもの、3・11は社会的に「鎮魂の日」となり、皮肉なことに私も結婚記念日を間違えることはなくなった。

 今年の結婚記念日は25周年という節目の年でもあった。思い返せば、結婚した1989年も昭和天皇崩御、「大喪の礼」と、社会全体が喪に服していたことを覚えている。これも皮肉なことだが、平成改元で平成元年結婚ということになったため、結婚何年目という計算だけは間違えることなく楽だった(昔、堺屋太一の「平成三十年」という近未来小説を読んだが、その平成三十年ももう間近と考えれば、また感慨深いものである)。

 平成4年、私が現在も携わっている自主講座が生まれた年に、長男が生まれた(当時は生徒会顧問も務めており、学園祭の日に生まれたことから、その年の学園祭テーマが長男命名の由来ともなった)。この年から続いている自主講座は、新年度から「遊学講座」と改称される。多少のモデルチェンジを図りながら、さらに発展させたいと考えている。

 

 年度末、「政治・経済」の授業では、国際経済を扱う。当然、日本の経済状況も紹介されるわけだが、平成になってからはバブル崩壊、「失われた20年」と、文字通り景気のいい話は聞かれなくなった。自分の実体験を交え、昭和の高度経済成長期やバブル景気の映像を生徒達に見せたりすると、それこそ驚いたような表情を示す。不幸にも、平成世代は「ぜいたくを知らない世代」とか、「夢を見られない世代」とか称されるようだ。

 ホームページ管理者という特権を使い、記念日に合わせて思い出話を重ねたが、先日の卒業式に「何か書いてください」と卒業アルバムを持ってきた生徒達へは、「日々に新たなり」と書かせてもらった。混迷の続く時代ではあるが、公私共々、そして遊学館も(となれば、日本も世界も)、夢や希望へ向かって新たな日々を刻めればと切に願う。