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2012年3月29日 (木)

【第225回】 0 ~ZERO~ への道のり福田 圭一 (保健体育)

 少し前になりますが、今年も多くの生徒が卒業を迎え本校を巣立っていきました。(383名)勿論、私が顧問を務める女子バレーボール部員13名もこの中にいます。今年も卒業式後に3年生を送る会をしました。ささやかながら、恒例になっている素敵な会です。思い出のDVDが流れ、歌や、後輩からの感謝の手紙、記念品の贈呈といった内容ですが、本人たちよりも保護者の方。特にFさんのお母さんは号泣でした(笑)優勝はできませんでしたが、人数も多く、チームのレベルアップに大きく貢献してくれた学年でした。改めてありがとう。

そもそも入学した時や学校生活の中で各大会に向け頑張っている時は考えないことですが、ゴール(最後の大会や卒業)が近付くにつれ、残りの道のりがカウントダウンになります。駅伝やマラソンもそうですよね。『さあ、初優勝まで残り、1kmをきりました~』なんて実況が聞こえてきます。

今日、学校に行く前にテレビを見ていたら、あっちゃんこと前田敦子さんがAKB48を卒業するというコメントを昨日のコンサートで発表したとのこと。また結成当初から東京ドームでのコンサートを目標にしてきた彼女達にとってその実現も決まったようです。また『卒業は相談こそしたが、自分の意思で決めたこと、今後ここにいる後輩たちのためにも・・・』という言葉が続きました。

驚きました。やっと掴んだ人気の絶倒期に、自分の事だけでなく、AKBの今後や後輩の事までしっかり考えていることに。アイドルでありながら、組織の中で生きる重要な事が判っている。二十歳の女の子がですよ。
また、ちょっと興味があったので少し調べました。あくまでも興味はちょっとです(笑)

秋葉原のAKB48劇場から水道橋の東京ドームまでを結ぶ距離『1830M』は実際に歩けば大した距離でなく数分の道のり。この1830Mを『他のメンバーの卒業、非難、苦悩、挫折等を乗り越え』今やっと東京ドームまでの距離が0になったとのこと。1830Mを歩くのに費やした時間は7年半。ぐすん。いい話ですなー。(笑)

私も生徒たちの卒業までの道のりが残り0になった時、新しいステージにしっかりとチャレンジできるように、その場だけでなく、2年後、3年後のことを考え指導、そしてともに成長したいものです。

『女子バレーボール部のみんな。先輩方と歩いた道のりは悲願達成に必ず近づいている。今年こそ残りの距離をしっかり踏みしめ、0 ~ZERO~ にしよう。そして新しい目標へ・・・』

新入生へ、この遊学館でともに、青春を謳歌しましょう。楽しみにしています。

2012年3月22日 (木)

【第224回】 今年度最後の授業M. N. (国語)

昨年度の卒業生の旅立ちを見送ってから、早いものでもう一年がたちました。
今年の三年生の卒業も無事に見届けることができ、ほっとしたようでもあり、また寂しさも感じるこの春です。

今年出逢った一年生たちの入学当時の写真がポスターになっていますが、一年経つだけでこんなにも大人っぽくなるのだなぁと、教室に行くたびごとにしみじみと感じます。
そんな一年生の最後の授業で、百人一首を行いました。
普段聞きなれない古典の世界に四苦八苦するかとおもいきや、
しっている札が出て来ると、
「古典で習った!」
などと言いながら、嬉しそうにとる姿がとても新鮮でした。
まだ、「逢坂の関」を「大阪の関」だと思っていた生徒が、この漢字の違いに気付き、
言葉では言い表せないけれど、何らかの情緒を読み取っているような顔をしたときに、
見えないところで身に付いたものがあり、確実に成長しているのだなぁと思わされました。

来年度出逢う生徒たちはいったいどんな成長を見せてくれるのか。
また、今の一年生がどんな成長をしていくのか、
春の訪れとともに、わくわくしているところです。

2012年3月15日 (木)

【第223回】 The Best of Friends Must PartH. J. (英語)

「中学生っていろんな人がいるんだな」
小学校から中学校に進んだとき、こう思いました。

「高校ってこんな人もいるんだぁ」
中学校から高校へ進学した時も、こう思っていました。

でもそれ以上に、大学に進んだときは衝撃を受けた覚えがあります。

真冬の暴風雪の中でもTシャツ短パンでくるヤツ、
「おれ旅に出るわ」とひとこと残して本当に金沢を離れ、
いつの間にかそのまま沖縄で就職してしまったツワモノ(笑)

あの時は「なんなんだこいつは」みたいな目で見てたけど、
10年以上の年月が流れると本当に懐かしくなって、
また会いたいなって思います。
どこで何をしてるか、知る手がかりすらありませんが。

会いたいな、って思っても
どうしても会いようがない。
考えれば考えるほど、切なくなってきます。

3月1日、383名が遊学館高校を卒業していきました。
頻繁に再会を繰り返す仲間もいれば、
接点がなくなってしまって、もう会うことのない仲間もいることでしょう。

でもいつか、過去を振り返って、
「あいつ今ごろどうしてんのかな」とか
「もう一度あのころに戻れたらな」とか
いろいろ考えるときが来ると思います。

でも、時間は戻ってきません。
この文章を書いている自分自身も、楽しそうな生徒たちを見ていると
「高校生に戻りたいな」ってつくづく思います。
でも、ぜったいにその願いが実現されることはありません。

でも実現されないからこそ、前に進めるのかなって思ったりもします。

過去の失敗の取り消しはできないけど、
勝ち取った成功が失われることもありません。

小学校のころから教員になりたくて、
やっと遊学館の教員になれたことは
今でも誇りに思っています。

そのおかげでみんなに出会えました。
3年生のみんな、特に担任をしていた3年4組のみんなには
楽しい思い出(それと同じくらい、いやそれ以上に辛い思い出もあるけど・・・?)を
分けてもらいました。

みんなのまぶしい青春時代の思い出に入り込める仕事。
教員になってよかったって、改めて思いました。
卒業式を終えてから言うのも、白々しいかな・・・

でも不思議なもので、
どんなに手の掛かるクラスでも
みんなの卒業式を迎えると
本当にかわいらしく、素晴らしいクラスだったと振り返ることができます。

そのたびに、少し後悔します。
もっともっと、できることがあったんじゃないかなって。

出会ったときに、もっと別れの瞬間を意識すべきだったかな、と・・・

The best of friends must part.
(一番の親友であっても、必ず別れは訪れる)

会うは別れの始め。

誰かと出会ったときから、すでに別れは始まっているんだって。
切ないことわざだけど、でもその通りです。

4月に出会った時には、ずっとこのクラスが続くんだ、みたいに思っていたけど、
瞬く間に別れがやってきました。

でも、出会いが別れの始まりであるのと同時に、
別れこそが、出会いの始まりでもあります。

次に会う仲間とは、
「いつか別れがやってくる」ということを意識して、
大切に時間を費やしてほしいと思います。
別れの瞬間に後悔しないためにも。

同じ言葉を、
自分自身にも言い聞かせて、
これからも大切な時間を生徒たちと過ごしていきたいと思います。

来年度はどんなクラス、どんな生徒たちと出会うんだろう・・・

楽しみです。

ちなみに卒業生のみんな、
新しい出会いも大切だけど、
今までの仲間との「再会」も大切です。

またいつか、遊学館に遊びにおいでよ。

Hirata1
Hirata2
Hirata3



2012年3月 8日 (木)

【第222回】 計算機と数学林  悠帆 (数学)

 最初のコンピュータが発明されてから、かれこれ70年が経とうとしている。今やコンピュータはどこにでもあり、誰もが使うことのできるものとなった。しかし、コンピュータを日本語に訳せと言われたら、意外と困る人が多いのではないのだろうか。コンピュータは一般的に電子式計算機と訳され、その名の通り人間には不可能な高速演算を可能とするものである。コンピュータの発達により、その補助を得ることで多くの数学的な疑問は解明されてきた。しかし、相変わらず数学上の問題は多く、コンピュータを利用するが故の問題というものもまた、登場してくることとなる。

 そんな問題の一つとして、巡回セールスマン問題という有名な問題がある。セールスマンがある場所から出発し、いくつかのポイントを経て帰ってくる。そのときの最短経路を求めよという問題である。この問題を厳密に考えるとすると、すべてのルートに対して移動距離を計算し、最短経路を探すこととなる。経由するポイントが少なければコンピュータはすぐに最短経路を導き出すであろうが、経由するポイントが数百などとなってくると計算にかかる時間は膨大なものとなってしまう。他にも、大きな数の素因数分解も解くのに膨大な時間がかかってしまうことが知られている。この性質は暗号にも使われている。

 このような、求めるのに膨大な時間がかかる問題に「本当に短時間で求める方法はないのか?」という疑問に対し、100万ドルの賞金がかけられている。数学に限らず、「○○ができる」ということの証明は簡単だが、「○○はできない」ということの証明は難しい。まさにその代表例のような問題である。興味があれば「P≠NP予想」について調べてみよう。

2012年3月 1日 (木)

【第221回】 卒業Y. H. (数学)

 本日、第16回卒業証書授与式が行われます。
 教員として卒業式に参加するのは3回目になりますが、今年の卒業式は特別なものを感じます。それは、今年卒業する3年生は、私が教員になって初めて教えた生徒だからです。
 あれからもう3年が経ったと考えると、いろいろな想いが込み上げてきます。

 最初は不安ばかりで、自分が教えたいことを言葉や板書にすることができなくて悩んだり、質問に答えても「わからない」と返ってきたり、教員いう仕事の厳しさを日々感じていました。しかし、ここまで続けられたのは、周りの先生方のお力もありますが、一番は生徒が何気なく言う、「わかったよ、先生ありがとう」という言葉のおかげです。この言葉に、私は幾度となく助けられました。助けられてきたおかげで、今年度、担任をもつという新たな道に進むこともできました。数学だけ教えていたときでは考えられないような日々が続いています。生徒とぶつかることもありますが、とても幸せな毎日を過ごしています。

 

 卒業生のみなさん
 みなさんは今日、遊学館高校を卒業し、4月から新しい世界に足を踏み入れます。楽しみな気持ちもあると思いますが、不安な気持ちもたくさんあるのではないでしょうか。私も3年前の今頃は、不安な気持ちと戦っていました。けれど、ここまで進めたのは、私が1人ではなかったからです。みなさんも1人ではないのです。周りには家族、友達がいます。すぐには会えなくても、ずっと一緒なのです。そして、みなさんのことを応援しています。私も、一生懸命応援していきます。
 年を追うことに、新たに出会う生徒もいましたが、授業をもつことが減っていきましたね。けれど、あいさつしてくれたり、廊下で話をしたり、数学の質問をしてくれたり、とてもうれしかったです。教員1年目の生徒があなたたちで本当に良かったと思います。ありがとう!!
 これから先、みなさんが自分の夢に向かって進んでいけることを、祈っています。
 卒業おめでとう!!