2019年11月14日 (木)

【第603回】 「闘争と逃走」K. C. (理科)

 大勢の前で発表をするとき、緊張して、たくさんの手汗をかいたり心臓がドキドキしたりします。これは動物がもつ本能で、闘争・逃走反応(Fight or Flight response)が起こるからです。
 この反応には自律神経の交感神経が関わっています。自律神経は自分の意思とは無関係に働く神経系で、消化管運動や心臓の拍動の調節などを行なってくれています。交感神経は激しい活動や興奮しているとき、副交感神経は眠たいときやリラックスしているときに働きます。
 動物は危機的状況において、闘うか逃げるかという方法で生き延びてきたと言われています。
 たとえば一頭のライオンが敵意を持った100頭のライオンに囲まれているとします。この状況で一頭のライオンは100頭のライオンと闘うか逃げるかの選択を本能的に行います。これは最初に書いた「大勢の前で発表する」という状況と同じ状況で、逃げられず、誰にも頼らずに一人で対処しなければならないです。このとき、殺されるような生命的危機ではないですが、同じように闘争・逃走反応が起きるのです。
 交感神経が働くと、血管が収縮し血圧が上がり身体の中の血の巡りをよくし、エネルギーを作るために多くの酸素が必要となるため気管支を広げて呼吸数をあげて酸素を取り込みます。そのため心臓がドキドキします。また、生きるか死ぬかを迫られている状況では消化活動にエネルギーを使っている場合ではないため、そのエネルギーは筋肉を使うことに回すします。顔がこわばったり手足が震えたりするのはそのせいです。手汗が出るのは何かを掴んだときに滑らないようにするためなど、緊張したときの反応はさまざまありますがそれら全てには理由があるといわれています。
 この反応は緊張したとき、非常事態のときになるといわれていますが、みなさんは何度も経験したことがあると思います。もし、ずっと緊張状態が続いて消化できない眠れないなど生活や健康に影響が出たときは、静かな音楽を聴いたりお風呂に浸かってみたりなど、リラックスする時間を作ってみてください。ずっと闘っていると疲れちゃいますからね。

2019年11月 7日 (木)

【第602回】「体で覚える数学」K. N. (数学)

 「体で覚える」という言葉がある。「体験して身につける」という感じの意味である。

 数学という学問は「体で覚える」のが難しいと思う。どちらかといえば、頭の中の学問で、実験したり、体を動かしたりして学ぶものではないからだ。でも、数学にも「体で覚える」部分がある。

 授業中、どうしてそんな話になったのかは忘れたが、
「紙を半分、半分と折っていくとき、7回折ることはできないよ」
と言ったことがある。言われた生徒は半信半疑で「7回なら簡単に折れるよ」と言っていたが、実際にやろうとはしなかった。

 実は、小学生のころ、友達と紙を7回折ろうと実際にやってみたことがある。
 長いほうが折りやすいだろうと、紙を切ってつなげ、1メートルくらいの長さにし、半分に折っていった。そして、5回か6回あたりで、もう折れなくなった。思ったよりすぐに、短く厚くなり、折り曲げるのに力も必要とした。
 この事実を、計算で確かめることもできる。
 7回折ると、もとの紙の厚さの100倍を超える厚さになる。仮にもとの紙が0.1ミリであったとしても、1cmを超える厚さになる。これを「折る」のはたぶん無理だ。

 これは、私の「体で覚えた」数理現象の一つだろう。実際にやってみた結果なので、かなり自信をもって主張できるし、数学の計算で確かめて「なるほど」とも思える。何より、二度と忘れない。

 そういえば、高校生のとき、数学の授業で、大量の数式をグラフ用紙に書け、というプリントが課題に出たことがある。
 一時間をつぶして書き上げたとき、グラフ用紙に「ドラえもん」が現れていた。
 私が抱いている「計算したら、何か『いいこと』がある」という素朴な思い込みは、たぶん、そのときに刷り込まれた。

 数学ができるようになるのは難しいことだが、数学を好きになるのは、こんなふうに数学を「体で覚えた」ときなんじゃないだろうか。
 授業でそれを実現できるといいのだが、時間やカリキュラム、手間の問題で、なかなかできないでいる。いつか、そんな「体で覚える」授業ができたらいいなと思う。

2019年10月31日 (木)

【第601回】受験の神様牛腸 尋史 (英語)

 秋も深まり、受験生にとってはセンター試験に向けた受験勉強に拍車を掛ける時期になりました。高校生にとって、大学受験は人生最大の試練だと言えるかもしれません。高校受験も大きな試練だったかもしれませんが、大学受験は高校受験よりも多くの科目を、どこまでやっても終わりのないような範囲で勉強しなければなりません。見えない目的地に向かって、果てしない荒野を進んでいるような気持の人もいるでしょう。きっと今は、不安な気持ちに押しつぶされそうになっているかもしれませんが、負けずに頑張りましょう。
 3月になって受験を終えてみると、私の予想を超えた結果を残す生徒が毎年います。そんな生徒は、決して運がよかっただけではありません。全員に共通していることは、「最後まで諦めずに勉強し続けた」ということです。これは間違いなく本当です。
 神様というのは、人や地域によって様々でしょう。そして、信じる人もいれば信じていない人もいるでしょう。でも、受験の神様はきっといます。最後まで諦めずに頑張った人を見守ってくれているのです。これから厳しい冬を迎えます。でも、その後には暖かな春がみんなを待ってくれています。受験生、頑張れ!!

201910311

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2019年10月24日 (木)

【第600回】「何も始まらない」五嶋 祐佳 (地歴公民)

「私があなたたちにしてあげられることはなんだろう?」
と考えさせられる場面がよくあります。クラスでも授業でも生徒会でも・・・。
どれだけ考えても出てくる答えは、“あなたたちをサポートする”しかありません。

例えば、「テストで良い結果を残したい」と言われたとしましょう。
先生である私ができることはなんですか?そうです。教えることです。
教えるというサポートであって、実際のテストで問題を解いてあげることではありません。
では、考えてみてください。「テストで良い結果を残したい」と言うあなたはなにをしますか?
努力 ですね。自分の思い通りにするために、努力しなくてはいけません。

具体的に、授業でノートの取り方を工夫する、質問を積極的にする、勉強時間を確保するなど・・・。
行動 で示さないといけませんね。ただ、口で言っているだけでは何も始まりません。

私も行動で示さないと何も始まりません。
サポートという形で、あなたたちにアプローチしないと何も始まりません。
私の発言で、あなたたちの考えの中に少しでも入ることができれば、何か変わるかも。
なんていう期待を持ちながら、お話しているのですよ?
自分の周りで話をしてくれる人が何を伝えたいのかを考えて聞いてもいいかもしれないね。

さて、生徒会が掲げた「変化」というスローガンがありますね!
それも同じです。努力を行動で示さないと変わることなんてできませんから。
変わらなきゃ何も始まりません。
先生もみんなに負けないように、より成長していきますよ!

最後に私の好きな言葉を載せておきます。
"Nothing is impossible, the word itself says 'I'm possible'!"
                 - Audrey Hepburn

2019年10月17日 (木)

【第599回】ゲームはスポーツの時代 小坂 英洋 (情報・商業)

 「e(イー)スポーツ」という言葉は、馴染みではないが、どこかで聞いたことがある、という方は多いのではないだろうか。
 広辞苑(第7版)には、まだこの言葉の掲載はないようだが、ウィキペディアにはこうある。

 エレクトロニック・スポーツ(英: electronic sports)は、コンピュータゲーム(ビデオゲーム)をスポーツ・競技として捉える際の名称である。「eSports」、「e-Sports」、「eスポーツ」、「イースポーツ」、「電子競技(でんしきょうぎ)」、「電競(でんきょう)」等と省略した形で主に使われる。

ウィキペディアより

 しょせんゲーム、と思うことなかれ。ゲームは現在、立派な競技(スポーツ)として経済的にも大きな市場を占めているのである。
 2019年7月~8月にかけて、世界中で注目を集めるeスポーツの世界大会が開催された。ゲームタイトルは「フォートナイト」、世界で最もプレイ人口が多いゲームの一つだ。この大会では、高額の賞金も注目された。1位は300万ドル(約3億2600万円)、決勝リーグに出場するだけでも5万ドル(約540万円)だという。

20191017

 遊学館高等学校に、新しい生徒の活動が生まれた。「eスポーツ」である。ゲームを快適にプレイできるパソコン(ゲームPC)を5台導入し、ゲームをするだけではなく、技術を磨き、分析し、チームワークを育てるとともに「大会に出場し、勝利する」ことを目標にする活動である。顧問は私、小坂が務める。かくいう私も、高校時代にはゲームセンターに通い、とあるゲームで得点ランキング全国1位を獲得したことがある。昔と今とでは、ランキングの集計方法も異なるが、全国1位を獲ることができた時の満足感はとても大きかった記憶がある。
 活動は週4回、放課後2時間程度、メンバー内やインターネット上で対戦などを行い、感想や次回の目標設定などを行っている。たかがゲームとあなどるなかれ、インターネットの向こう側にはとてつもない強豪が数多くいる。
 11月には、高校生のeスポーツ大会「全国高校eスポーツ選手権(リーグ・オブ・レジェンド部門)」に2チームが参加する。この参加を通して、ゲームに本気で挑み、喜びや悔しさを味わう中で生徒が成長していくことを望んでいる。
 たかがゲーム、されどゲーム。ゲームばっかりしてちっとも勉強しない。と嘆きのご父兄がいらっしゃるのなら、この活動のように、ゲームを通してチャレンジすることの大切さ、努力の大事さを身につけるのはいかがだろうか。