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2010年3月10日 (水)

【第124回】研修旅行in東京S. Y. (理科)

 2年次に行われる研修旅行。
本校では、東京、九州、ヨーロッパ、アメリカの4つのコースから選ぶことができます。
私は今回、東京隊の引率ということで生徒150名と3泊4日の東京研修旅行に行ってきました。
これはそんな旅行から石川に戻ってきた生徒の代表として2年6組の鳥居 亮佑君が解散式で添乗員さんにした挨拶です。

 『この四日間は本当にいい時間でした。
初日の朝、起きた時のこの旅行への期待と少しの不安は今、達成感と満足感に変わってとても充実した気分です。これは添乗員さんのおかげだと思います。個人的なことになってしまうのですが、僕は添乗員さんの朝食会場での『遊学館高校の皆さん、おはようございます』という挨拶がとても印象的でした。正直なところ、僕達は3日目になると疲れてしんどそうな顔をしていたのですが、添乗員さんのいつもと変わらない挨拶に“今日も頑張らなあかんな”と思うことができました。』

 ―さらに鳥居君は我々教員や生徒にも挨拶を考えていました。ここでは時間がなくて話せなかった残りの一部分も加え、本人に代わり代読させていただきます―

 『また、東京隊の先生方、朝練から就寝までの時間、朝早くから夜遅くまで僕達を温かく見守って下さってありがとうございました。時にはルールを破ってしまったり、集合時間に遅れて迷惑をかけてしまうことがあったのですが、いつも僕達のわがままを聞いてくださってありがとうございました。この四日間で先生方との信頼関係がまた一段と深まったかなと思います。明日からの学校生活でも今までと変わらないご指導をよろしくお願いします。

 最後に、最高の時間を過ごしたみんな、旅行委員を代表して言わせて下さい。
四日間旅行委員についてきてくれてありがとう。全てのスケジュールがスムーズに行ったのはみんなの協力があったからだと思います。本当にありがとうございました。旅行委員からの最後のお願いとして、明日は学校へ全員出席で事後研修をしっかりやって研修旅行を締めくくりましょう。添乗員の方々、先生方、本当にありがとうございました。』以上

 今回の旅行を通して、生徒たちはまた1つ自立に向けて成長できたと実感しています。中でもクラスや班のまとめ役を立派に果たしたリーダー達(旅行委員)の責任感と行動力には目を見張るものがあり、旅行会社の添乗員の方にも過分な評価いただきました。とても遊学館の生徒らしい充実した研修旅行となりました。

 最後になりましたが本校の研修旅行に携わって頂いた関係者の方々、本当にありがとうございました。

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2日目 夜の東京ディズニーランド

2009年6月 3日 (水)

【第88回】親になって思うことS. Y. (理科)

 先月、待望の第1子が誕生した。
 その日は里帰り出産に立ち会うため、前日の夜に石川県を出発し、7時間以上かけて車で向かった。朝7時に着き、産声をあげたのが8時40分。「おめでとうございます、元気な男の子です」と助産師の方が声をかけてくる。

 そんな風に想像していたのだが、
現実にはなかなか産声をあげず、分娩室の前でただただ不安だけが募る。数十分して分娩室から出てきた我が子を一目見せられると、すぐに保育器の中へ入ってしまった。病院の先生からは「少し呼吸しづらいようなので保育器に入れて様子を見ます」と言われ、妻に会うため分娩室の中に入ると泣きながら「保育器の中に入ってしまった、ごめん」

 大きな不安に押しつぶされそうになりながら、
一番不安な思いをしている妻には平静を装って「ちょっと呼吸しにくいだけだろ、大丈夫」と強がったものの、どうなるのだろうというのが本音だった。

 このとき遊学館の生徒の顔が浮かんだ。彼らは16年、17年、18年と周囲の人たちに見守られ、自分たちで危険を回避しながらその命を今日まで繋げてきた。そして、勉強や部活動に自分の人生の時間を費やしている。

 中には秀でた才能で素晴らしい成績を残す生徒も遊学館にはたくさんいることだろう。
また、結果を残せずに悔しい思いをする生徒もたくさんいることだろう。しかし、普段多くの時間を共にしているそんな身近な生徒たちが、急に私には羨ましく思えた。自分の息子もうち(遊学館)の生徒のようになってほしいと純粋にそう思ったのである。

 親の願いや期待は子供たちが成長すればするほど、大きく重く本人たちにのしかかる。
しかし、何かあったら最後には「生きててくれてよかった」と親は思う。

  遊学館の生徒たちへ
    せっかく生きているなら人生を一生懸命歩んでほしい。
    せっかく遊学館で高校生活を送っているなら、
    勉強にも部活動にも全力を出してほしい。
    もうすぐ総体・総文が始まる…
    せっかく出場するのなら、勝ってこい!遊学館!

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2008年8月13日 (水)

【第50回】夏休みS. Y. (理科)

ある夏休み中の私の一日…。

朝、8時過ぎに学校に着く。すると、中庭からはバトントワリング部、体育館からはバレー部の部員たちの声が聞こえる。職員室に向かい、9時から始まる3年生の夏期補習の準備をする。9時から10時20分まで大学受験を眼前にした3年生に化学の補習授業をする。(私の担当は理科です)

それが終わると今度は12時過ぎに自分のクラスの生徒が数人、
「教室で勉強していってもいいですか?」と聞きに来る。(私自身、1年9組の担任です)
私が「分かったよ」と答えてから、しばらくして
「先生、教室、吹奏楽部が使ってるんですけど…」とまた同じ生徒。
私は「じゃあ、特別教室で勉強しなさい」と伝える。

13時から男子バスケットボール部の練習が始まる。(さらに、私は男子バスケットボール部の顧問です)夏のバスケットボールコートは蒸し暑く、部員たちもこの暑さに負けじと一生懸命、汗と声を出す。地球温暖化といわれる昨今、こまめに水分補給はしているが熱中症にはならないかといつも心配しながら見守っている。

16時くらいに部活動が終わり、自分のクラスの生徒が勉強している教室へ向かう。そこで質問を受け、分からなかったら一緒に考える。(生徒たちの質問はほとんどが理科以外です…)

そして、17時。完全下校時刻を30分オーバーして、生徒たちと慌てるように学校を後にする。これが夏休み期間中の私の日課である。

遊学館には、夏休みであろうとそれぞれの目標を持った生徒たちが毎日出入りしている。
私一人が接しているだけでもこんなにたくさんの生徒が頑張っているのである。県外へ遠征に行っている運動部員、家で一人、夏休みの課題に黙々と取り組んでいる生徒もいるだろう。

遊学館のみんな、頑張れ!

2007年10月31日 (水)

【第12回】道端S. Y. (理科)

 最近の出来事で、あなたが一番感動したことはなんですか?
と聞かれたら、皆さんは何と答えるでしょうか。

 一生に一度しか見ることのできない彗星を見たことと答える人、先週見た映画で泣いたと答える人、見知らぬ人に大変親切にしてもらってうれしかったと答える人、テレビで見た動物の出産シーンや昨日の夕焼け空と答える人、さまざまな答えが出てくると思います。

 実は、これはある大手企業の採用試験の面接時に問いかけられた質問だそうです。この質問には完璧な答えなどありませんが、質問の意図は日常生活の中でどれだけ平凡なことに感動を見い出せるかというものです。つまりその人の感受性の豊かさを測ろうとした質問だったわけです。

 『毎日通る道の脇に、いつもはなかったはずの小さくてきれいな花が今日は咲いていた。なんでもない日々の生活の中でありふれた風景にふと心を動かされる。』

 そのような物の見方や考え方が他人の長所を誰よりも多く見つけさせ、みんなが気付かないようなところに注目し、大ヒット商品を考案することに繋がっていくのだそうです。後者の大ヒット商品の考案は飛躍しすぎかもしれませんが、前者の他人の長所を誰よりも多く見つけるということは、社会において人間関係を円滑にする最良の方法です。

 『何となくムカつく』・『ウザい』という言葉をよく耳にします。人を嫌うことは簡単ですが、誰に対しても好意的に思うということは難しいことです。特に人口密度が高まり、対人トラブルが多くなった昨今ではなおのことです。そんな時こそ、安易に人を嫌うのではなく、自分だけが知っているその人の良い所を見つけることによって、気持ち良い日々が送れるのだと思います。

 遊学館にもいろんな分野で頑張って自分の長所を伸ばしている生徒や、目立たないことかもしれませんが良い心掛けを持ち、実践している生徒がたくさんいます。それが時には誰にも気付かれずに卒業を迎えることもあります。しかし、先生達は必ず見ています。だから、君たち生徒と向き合っていけるのです。遊学館の良さは、生徒一人一人の美点を見つけようとする先生方がたくさんいるということ、そして多くの生徒が自分自身の良さを見つけようと頑張っているところだと思います。

 皆さんもまずは明日、通い慣れた道(周囲の人)を見渡してみてください。あなたにも小さな花(自分にしか見えない、他人の良い所)が見えてくるかもしれません。