2018年5月17日 (木)

【第529回】 「恰好いい大人」窪 泉 (保健体育)

「俺たちは奇跡を起こすんだ」

 これは伊坂幸太郎さんの「チルドレン」という作品に出てくる,家庭調査官の陣内のセリフです。物語には,さまざまな事情を抱えた少年少女が登場します。そんな少年少女たちを更生させるのは奇跡だ。しかし,その奇跡を起こすと陣内は奮闘します。
 陣内はその少年少女のことをこう言います。
 「誰だって自分だけはオリジナルな人間だと思っているんだよ。誰かに似ているなんて言われるのはまっぴらなんだ。」
 「調査官は,担当する少年が『他の誰にも似ていない,世界で一人きりの奴』だと思って向かい合わないと駄目なんだよ。」
 家庭調査官と教員,職業は違いますが,私が目の前にしている生徒たちは,唯一無二の存在であり,家庭環境も考えていることも全く違います。同じ授業や同じ対応の仕方はないのだと,陣内の言葉にとても共感しました。

 物語の中で,他の家庭調査官は断言します。
 「地球の自転が止まることがあっても,スティーブン・セガールが悪役に負けることはあっても,非行少年が更生することはない。」と。でもそれに対して陣内はこう言います。
「大人が恰好良ければ、子供はぐれねえんだよ。」

 奇跡を起こすのはなかなか難しいかもしれませんが,恰好いい大人になることは,私にも少し可能性がありそうです。思えば,私が出会った人たちの中には,「恰好いい,こんな人になりたい」と思える人がたくさんいました。
 恰好いい大人になるために,日々勉強です。
 まずは,小さなことで怒らないように・・・


 もうすぐ県総体・総文ですね。
 出場される生徒の皆さん,先生方,ご健闘をお祈り申し上げます。

2018年5月10日 (木)

【第528回】 「やるべきことをしっかりやる」刑部 純至 (国語)

今年度私は、我がクラスで黒板の上に目標を貼っています。

「やるべきことをしっかりやる」

すごくざっくりした言葉ですが、自分にとってやるべきことってなんだろうと思うきっかけになればいいなと思っています。

今週は面談週間です。
「就職するのは嫌やし、、、専門で。」
「勉強する気ないし、、、就職します。」
「まぁ、なんとなく○○がいいかな~。」
「とりあえず」「親に言われて」「○○的な感じで」「資格『とか』とりたいし」

こんな言葉が面談でよく出てきます。
そんなときにふとタイトルの言葉が出てきます。

高校生たちはなにを「やるべき」なのでしょう?

自身の立場で、何をやるべきなのかをしっかりと考えるべきだと思います。
そんな難しいことではないはず。自分のことやし。

自分の将来を考えることのできない人間が、
毎日を輝かしくすることはできないだろうな~・・・。

とはいうものの、学校の勉強に、進路、受験、部活、また、家族、友人、先生との人間関係。
高校生は考えることが多いし、すごいなあと感心します。その中で成長も確実にしているのだけれど、上に書いたような言葉を聞くと、少し心配になります。

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将来のことを考えて、今日を輝かしく!頑張れ!!

2018年5月 3日 (木)

【第527回】 「裸足(はだし)」K. R. (地歴・公民)

最近、トレーニングのセッションの一部に「裸足」を取り入れています。
裸足でランニング、裸足でパス&コントロール、裸足でキック、1週間に1回だけですが、人工芝の上でトレーニングをしています。
もちろん選手たちは、「ギャッ!」「痛ぇー!」と叫び声がグランドに響いています。
足を見ると、利き足だけ真っ赤!(笑)

裸足トレーニングの目的は、大きく3つ。

① 「感覚反応」の進化

シューズと裸足の不随意反射の違い(脳が指示を出すより速く反応する速度)の実験結果によると裸足の方が反応が速かったそうです。
「まずは痛くないところでボールを触ろう!」
そうすることで神経を研ぎ澄まして、ボールタッチが進化をするのでは?

② 「怪我」の予防

ほとんど選手が、自分自身のパワーポジションを知らないのが現状。
身体の使い方が分かっていないから無理な動きができない。それでも無理な動きをするから怪我をする、といった悪循環。
スパイクが色鮮やかに高性能化し、グランドでスパイクに踊らされている。
裸足トレーニングで身体の使い方を身につけ、スパイクを“使いこなす”技術を身につけてほしいですね。

③ 脳の活性化

足の裏は、人体で神経が最も密集している部分。ここを刺激することで脳が活性化する。
ボールのインパクト、ボールタッチ、体重移動、スパイクで誤魔化している部分を、本来の感覚に取り戻してほしい。

次回のブログまでには野生的な感覚を取り戻して、進化した選手の報告ができるよう今日もグランドへ。

2018年4月26日 (木)

【第526回】 「青春ていいな」K. Y. (国語)

 映画で『ちはやふる 結び』を見てきました。高校で「競技かるた部」を作り、仲間を募って全国の舞台に挑んでいく「ちはや」という女子生徒が主人公のお話です。三部作構成の映画で前作の「上の句」「下の句」も鑑賞しました。
 一言で言うと、いと面白かったです。
 あたりまえですが、人生の中でいちばん多感な時期は十代の後半かと思います。なんでもない日常が色づいていて、それこそ泣いたり笑ったり怒ったり寂しがったり。
 部活動を中心の高校生活の一生懸命さに感動したり、友情や恋愛との葛藤も表現されており、「きずな」ということがテーマの作品なようであります。
 千年の昔の百人一首の世界と現代とがつながっているようにも感じられました。
 古典を学習していて文法中心で面白くないし、作品内容も興味をそそられないと常日頃雑感していますが、共感とつながりが感じられたら、私も古典を好きになることがあるかなと、この映画を見てふと思った次第です。
 あと、部活動ってほんとにいいものですね。なにをやっても正解のないのが高校生の頃であり、悩んだり迷ったり悔やんだり。ただ、それも同じ目標をもった仲間とともに過ごせることで、振り返れば良い思い出であり、人生の肥やしになるような気もします。
 まだ、部活動選びに迷っている1年生がいたら、どのクラブでもいいと思います。
 「きずな」を求めて飛び込んで見て下さい。

2018年4月19日 (木)

【第525回】 「空は本当に青いか?」川北 将人 (主事)

 みなさんは「空は本当に青いか?」と考えたことはありますか?
 「空が青いのは当たり前、何をおかしなことを言っているんだ。」と思いますか?
 私は色に興味を持っていた時に疑問に思い、考え、調べたことがあります。

 まず私は空と色について次のようなことを考えました。
 「空を見て青いと感じているのは自分。では単に自分が、または人間が、青いと知覚しているだけなのではないだろうか?他の動物も空は青く見えているのだろうか?」
 「そもそもなぜ生物は色を見分けられる必要があるのだろう?白黒(明暗)だけではなぜダメなのだろう?」

 これらのことについて答えが知りたかった私は色について調べてみました。すると次のことが分かりました。

  1. 人間の目は光を色として感じることのできる機能を持っている。光には波の性質があり、波には長さ(波長)の種類がある。波長が長ければ、人間の目には赤く見え、短ければ青く見える。
  2. 光は物にぶつかると散乱する。波長が長いと散乱しにくく、短いと散乱しやすい。
  3. 昼間の空が青く見えるのは、太陽からの光が大気中の酸素などの分子にぶつかり、散乱しやすい波長の短い光が多く散乱して、人間の目がその光を知覚しているため。
  4. 多くの哺乳類の目は2色(赤、青)、人間の目は3色(赤、青、緑)、そして多くの魚類や鳥類等の目は4色(赤、青、緑、紫外線)を知覚できる。よって人間とその他の生物では同じ物を見ていても違う色に見えている。
  5. 光が不規則に変化する環境である、浅瀬の水中やこもれびが差し込む森などは、白黒(明暗)だけでは見づらく、危険をすぐに見つけることができないため、色を見る目の機能が発達した。

 以上のことから、最初の疑問である「空は本当に青いか?」に対する答えが見つかりました。
 「空は青くない。人間の目と脳が、空を青く感じているだけ。空そのものに色はない。」

 学ぶということは本当に楽しいことです。答えに近づくことでワクワクし、答えを見つけた時には満たされた良い気分になります。

 学校での勉強も同じですよ。
 人は疑問を持つことで課題が見え、進むべき道(やること)が見え、やる気がわいてきます。逆に、何も疑問や興味を持たなければ、先生が話している言葉は面白くないものになります。

 勉強を面白くする最初のコツは「本当に~だろうか?」「なぜ~なのだろうか?」と疑問を持つことです。疑問が見つかれば、疑問を解決する手段である先生の話は面白いものになると思います。

 どうせ勉強するなら楽しまないと損ですよ。学ぶことを楽しみましょう!