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2025年8月28日 (木)

【第902回】「みんなの一歩が地域を変える?」S. R. (国語)

 特進コースで行っている探究活動の中で、生徒たちに驚かされることがあります。「こんなことにも興味あるんだ」「こんなに調べられるんだ」「こんなに根拠のある考え方ができるんだ」たくさんの驚きがありますが、特にこちらが思ってもみなかった一歩を踏み出してくれる瞬間があり、そのたびに「高校生ってこんなにできるんだ」と感心させられます。

 特に印象に残っているのは二人の生徒です。ひとりは、自分で作った炊き込みご飯のレシピをもっと多くの人に知ってもらいたいと考え、地元のスーパーに直接交渉に行きました。津幡町の人に特産品であるまこもをもっと知ってもらい、郷土愛の育成につなげたいという思いからの行動でした。もうひとりは、地域でしばらく開催されていなかったお祭りを復活させ、町を元気にしたいという思いから、町内会長に相談し、さらには町内会の場で自分の意見を発表しました。

 二人とも、決して最初からスムーズに進められたわけではありません。紆余曲折を経て、自分なりの「問い」を見つけ、その「答え」を考え、勇気を出して「実行」までつなげてくれました。調査の一環として学校の外の方に取材をすることは比較的よくある取り組みですが、それだけで終わらず、自分の考えを形にし、実際に行動に移した点が本当に素晴らしいと思います。机上の探究にとどまらず、現実の社会に働きかけてみたその姿に、私自身強く心を動かされました。

 こうした実践ができた背景には、それぞれがテーマに「自分ごと」として関わろうとした姿勢があります。ただ調べただけの知識ではなく、「自分はこれをやりたい」「地域の人に伝えたい」という気持ちがあったからこそ、勇気を持って一歩を踏み出せたのだと思います。実際、他の生徒の多くは調べ学習的なまとめで終わってしまうことが多いのが現状です。問いを持つことまではできても、それを行動に移すのは簡単ではありません。「実行に移す方法が分からない」「やってみたいけど恥ずかしい」「失敗したらどうしよう」──生徒たちは多かれ少なかれそうした不安を抱えています。だからこそ、勇気を出して地域の大人と関わり、社会の中に飛び込んでいった二人の姿は、同じクラスの生徒たちにとっても良い刺激になったのではないでしょうか。そして、何より教員である私自身にとっても、大きな学びと励ましを与えてくれました。

 探究活動は、決して大学進学や進路選択のためだけの取り組みではありません。自分の興味を追いかけ、問いを持ち、考え、そして社会に働きかけてみる。その一連の経験は、たとえ小さな一歩であっても、これからどんな道に進んだとしても必ず生きてくる力になると信じています。これからも、生徒たちの中に眠る好奇心と可能性を信じて、一緒に学びを積み重ねていきたいと思います。そして、いつの日かみんなが大人になったときに「高校時代に挑戦したあの経験が、自分の人生にとって大切なものだった」と振り返ってくれることを願っています。

2024年3月28日 (木)

【第828回】「In life, it’s not where you go, it’s who you travel with.」S. R. (国語)

In life, it’s not where you go, it’s who you travel with.
「人生においては、どこに行くかではなく誰と行くかが重要だよ」

 スヌーピーという朗らかなキャラクターを媒介にその見た目から想像できないような本質的風なことを伝えられると、ハッと何かに気づかされた気分になり、そのことを必要以上に真摯に受け止めてしまう気がします。私自身もこのスヌーピーのことばにふんわりと同意していたのですが、「いや、『どこ』も大事だな」と思わせられたことがあり、今日はそれについて書いていこうと思います。

 先日、vanvanV4で軽音楽部の卒業ライブを行いました。ご来場いただきましたみなさん、本当にありがとうございました。おかげさまで部員も私も楽しく過ごすことができました。私自身ホール・学校・教室ではなくライブハウスで演奏する・してもらうことにこだわりがあり、創部3年目にして部員の皆さんとその目標(わがまま)を達成できたこと、嬉しく思っています。「ライブハウスのライブは『音楽のライブ』の意味だけでなく『生きている』という意味を併せ持っている」ということを時折耳にします。隣の人の体温、目が痛くなるほどの照明、頭の中で響く爆音、ライブハウスという暗闇の中で五感で感じるすべてが自分の「生」を認識させてくれる。高校生という青春真っただ中のみんなにこの思い・経験を少しでも味わってもらいたくて、ライブハウスでの活動を目標にしてきました。ライブ終わりの部員のみんなの生き生きとした表情がとっても素敵で、V4という「場所」がみんなをこの顔にさせてくれたんだとふと思った時「どこ」の大切さに気づかされました。そして遊学館高校を卒業していく3年生が「軽音部という居場所があってよかった」ということを伝えてくれた時、これも「どこ」だなと直感的に思い、「いつでもここに遊びに来てください」ということばを返しました。

 いつでも帰ってくることができる「場所」があることは私立の高校という「場所」を選んで入学し卒業したみなさんの特権です。
 「誰」はもちろん大切です。ただし、みなさんは自分の意志で自分が自分らしく輝ける「どこ」も選択していってほしいです。


今年卒業していった軽音楽部の3年生へ
202403283年間(2年間)、楽しかったね。
ライブハウスが君たちにとって心動く場所であり続けますように。
次の場所での活躍を祈りつつ、私もここで輝き続けます。

2022年10月27日 (木)

【第753回】「愛する人」S. R. (国語)

 前回の先生ブログ(2021年4月15日 (木)「軽音同好会、はじめました」)から1年以上たち、「軽音楽同好会」から「軽音楽部」に昇格(?)することができました。様々な面で協力してくださっている先生方・地域の方・楽器屋さん、いつもありがとうござます。

 びっくりすることに今年入部した部員で私の先生ブログから遊学館高校軽音楽部の存在を知ったという子がいたので、軽音楽部に興味がある中学生や在校生に私たち軽音楽部のことをもっと知ってもらえるように、今回も軽音楽部をテーマに書いていきます。

 遊学館高校軽音楽部は、はじめは女子4人で始めた同好会でしたが、今や男女26人の部員を抱える部活になりました。個性豊かでかわいくて大切なみんなと日々楽しく音楽をしています。しかし、部員が増えたことで目標や意識の共有をしきれていないと感じることもあり、「なんのために軽音楽部をやっているのだろう?」と思う日もありました。
 そんな日々に、大学時代を過ごした群馬・高崎のあるライブハウスが休業するというニュースが飛び込んできました。震える手で立ったあの場所が、観客が手を上げて自分たちの演奏を聴いてくれたあの景色が、憧れのバンドマンをみたあのステージが、なくなってしまう。ライブハウスを守りたい、そのために自分ができることは…。そう考えたとき、軽音楽部で音楽を愛する人を育てることがライブハウスの利用者の増加につながるのではないかという考えが浮かびました。
 正直私は遊学館の周りの金沢のライブハウスにはあまり思い出がありません。ですが、私と同じ音楽を愛するバンドマンたちが愛した地元金沢のライブハウスに貢献することが、「ライブハウス」という文化を守ることにつながるのではないか、そう思えました。小さな箱・地元の箱には、いろいろな景色が詰まっています。地域のバンドマンの血が流れています。誰かの思い出の場所を守れますように、これからも誰かの思い出の場所になりますように、そんな思いで部員全員を大切に、これからも遊学館で自分にしかできないことを探していきます。

(FOMARE「愛する人」を聴きながら)   202210271_3
   
2018,09,24(trust55)→  

2021年4月15日 (木)

【第676回】 「軽音同好会、はじめました。」S. R. (国語)

<軽音同好会の活動目標>
①軽音同好会での活動を通して、遊学館にきてよかったと思えるような特別な思い出をつくること
②軽音同好会での活動を通して、生涯楽しめる趣味や仲間を見つけること
 

030415↑オマンジュウカフェで行った新入生歓迎ライブの様子
 

一人では出会うことができないような素敵な音楽との出会い、素敵な大人との出会いが皆さんの人生を豊かにすると信じて活動していきます。



興味がある人は第一職員室の佐野のところまできてください!

2019年11月28日 (木)

【第605回】 「ホーム」S. R. (国語)

 初めてのブログということで何を書こうかと考えた時に、自分の専攻である中古文学について、授業で笑った出来事、ラッパーが教えてくれる漢詩の話、大好きな女子バレーボール部の話と、いろいろお伝えしたいことがあったのですが、今回は「ホーム」について書きます。

 私の「ホーム」は、ここです。

20191128
 といっても、どこ?という感じだと思うのですが、ここは「カハク」(国立科学博物館)です。その辺に転がっているものと見分けがつかないような石がたくさん展示してある部屋、大小さまざまなアンモナイトが展示してある部屋など、派手ではないですが何時間でも見ていられるような展示がある博物館です。大学時代はいわゆる「年パス」を買って、何時間もぼーっとしていたこともあるくらい、大好きな場所です。将来のことや人間関係に悩んだ時にここにきて、展示や展示を楽しむ人たちを眺めるのが私のルーティンでした。

 遊学館にきて、卒業生がよく遊びにきていることに驚きました。私自身、卒業してから母校に行こうと思ったことが一度もなく、自分が高校生の時にも卒業生が学校に来ているのも見たことがなかったからです。遊学館に遊びにきてくれる卒業生にとって遊学館は「ホーム」の一つなのだと思います。嬉しいことがあった時や悩んだ時、誰かに話したい時に、あの頃と変わらない場所に、変わらない笑顔で、自分の話を聞いてくれる人がいるというのは、みなさんにとって大きな財産だと思います。

 私も、みなさんにとって、人生の節目節目に、報告したい、会いたいと思ってもらえるような先生になれるよう、日々がんばります。