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2014年11月27日 (木)

【第354回】 “和”な一日道上 ちひろ (英語)

 先日、本校茶道部は21世紀美術館にある、松涛庵というお茶室での催し「茶菓と箏曲を味わう」に参加した。

 そこでは、本校の土曜講座(遊学講座)のお箏の先生である、北村愛里先生が和服姿でお箏を奏で、茶道部員は、大島宗広先生のご指導のもと、お抹茶と秋を表現したお菓子で観光客の方などをもてなしました。

 秋晴れの金沢で、目で和を感じ、耳で和を楽しみ、口で和を味わう。秋を感じさせる、紅葉やとんぼの茶器やお菓子、お抹茶の味、そしてお茶室に響くお箏の音色。金沢で生まれ育った私ではあるが、初めての経験でした。まさに日本の美を五感で感じられる一日でした。

 このようなことを言うと、私が、いかにも日本が大好きで、日本の和に詳しい金沢女性だと想像するかもしれない。しかし実はそうではない。むしろ“和”からはほど遠く、西洋のものやモダンなもののほうが、だんぜんお好みの私である…。

 そんな私が、日本文化の素晴らしさや、金沢という町の良さを純粋に感じることのできる貴重な経験となった。

 お茶会が終わったとき、生徒が「あー、楽しかったぁ」と、一言。それを聞き、この和を愛する女子高生は、将来きっと、“すてきな金沢小町”になるのだなぁ、と、ほんわかした気持ちになれる一日でした。

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2014年11月20日 (木)

【第353回】 「一生涯学習」光谷 和子 (芸術)

 私は2歳から90歳まで、幅広い世代と場所で創作活動のお手伝いを行っています。場所は幼稚園や児童館、公民館、学校、福祉施設、病院などです。
 手を動かして何かを形作るという行為は、脳にダイレクトに刺激が伝わります。脳が活性化することによって、さまざまな機能が回復することがあります。そのことを利用して医療現場にも創作活動が取り入れられているところもあり、私はそういう試みをしている病院の患者さんや、心身の回復を目的とした施設で、アート活動の講師をしていました。その時の思い出などのお話をしたいと思います。

 私が接した生徒さんの中には高齢の方が多くいらっしゃいました。例えば、脳梗塞の後遺症によって左半身まひの方もいらっしゃったのですが、その方には機能回復のリハビリで水彩画を教えました。腕を動かすこともできず、初めは筆がもてませんし、手が震えて鉛筆の線が引けません。しかしながら何度も何度も回数を重ねるごとに狙ったところに線をつなげて引けるようになり、腕が動くようになりました。同時に、麻痺していた足なども動かせるようになってきました。もちろん機能の回復は、全てが創作活動によるものではないでしょう。しかし、他の生徒さんたちとワイワイ明るい雰囲気の中でみんなで創作活動を行うという行為には心身をポジティブにする効果は確実にあったようです。
 認知症を診断された方も生徒さんにいました。その方は自己紹介で「私は脳がちょっとしびれているから、色々とごめんなさいね」と話されていました。なかなか上品で美しい言い回しだなと感心し、職員一同で「私達もボケたらそう言おう!」と和気あいあいで言い合ったものです。

 私は講師として技術を指導しに行っていましたが、生徒の皆さんは人生の大先輩方です。会話の中で人生の勉強になることが沢山ありました。その中でも印象深い言葉がいくつかありますので紹介してみますね。
「若い時はスポーツでも活躍して、仕事もバリバリこなしてさ、なんでもできると思っていたけど、それは若さゆえのおごりだった。歳をとると体が動かない、結局最後にできるのは歌か書か絵だね」「60の手習いという言葉があるように、芸術の門をたたくのに年齢制限はない。70歳の今から描き始めたけど80歳になったらプロデビューするよ」「長年、料理教室で栄養バランスを指導してきて、どんなに食に気を付けていても結局最後は病気になった。最後に残された時間は絵と祈りに」「定年退職してからやることがなくなった。趣味を見つけるために絵をはじめた。絵を描くのは高校以来だよ、先生に上手いって褒められたんだ」「長唄の先生を80歳までやってきたけれど、もうできなくなりました。足も悪いしこれからは水彩画を楽します。描いた絵を飾るために家にギャラリーも作ったの」「人の意見に聞く耳をもたんといかん。でないと自分の葬式に人が来ないよ」「絵を描いている人に悪い人はいない、みんな天国に行くよ。先生もね」などなど。面白いものもあれば、考えさせられるものもあります。

 みなさんは、高校を最後に美術と触れ合う機会がなくなる人も多いと思いますが、このように歳をとっていくと、最後のほうでまた美術と再会する場があるかもしれませんね。日々、一生涯楽しめるそれぞれの何かを模索して、人生を豊かに楽しんでください!

2014年11月13日 (木)

【第352回】 応援は雨の中でもMi. Y. (英語)

 先日、ある野球部の生徒から質問を受けました。授業が一区切り終わり、ちょっと休憩、とした時のことです。それは「先生は野球とサッカーのどちらが好きなんですか。」と言う問いでした。私は少々返答に困りました。最近学校を訪れてきた元サッカー部員の卒業生によると、「宮永先生は、サッカーよりも野球のほうが好きだ。」ということになっていたようです。実際、サッカーの試合より野球の試合の応援に行くことのほうが多かったのです。ただその理由はきわめて単純で、野球は金沢市内で行われることが多く、気軽に応援にいけるからでした。
 実は、私とサッカーとの関係は、生徒たちが考えているよりもずっと長いのです。
 私は中学3年生の頃、2,3人の友人とサッカーの真似事をしていました。私が進学を目指していた高校が、当時石川県の高校サッカー界では最強だ、と知ったからでした。その高校に入学できたら、ぜひサッカーをやろうと思っていたのです。ところが、高校には入学できたのですが、1年生の夏で挫折してしまいました。体力が続きませんでした。
 日本のサッカーはメキシコオリンピックを頂点にそれ以降はアジアの壁に阻まれ長い低迷期が続きました。私は1972年フランスに渡ったのですが、フランスのサッカーもまたヨーロッパの中で苦しんでいました。フランスが世界の強豪になるにはプラチニのそしてジダンの登場を待たねばなりませんでした。日本サッカーはJリーグの発足とともに徐々に地力を付け、あの「ドーハの悲劇」を経て、ついにワールドカップ出場を果たしました。あれから日本はワールドカップに連続して出場しています。べスト8に近づいたように思われたこともありましたが、今年のように1次リーグで敗退という惨めな結果になることもあります。日本のサッカーが本当に強くなるのはまだ先のようです。
 このあたりで冒頭の野球部員の質問に戻りましょう。「野球とサッカーのどちらが好きか?」と問われたら、つぎのように答えるしかありません。
 「遊学館の野球は好きだが、他校の試合は全く興味が無い。プロ野球も殆んど関心がない。一方サッカーの試合は全てのレベルの代表チームの試合に関心がある。結論から言えば、私は野球よりもサッカーのほうが好きなのだ。」
 しかしここで強調しておきたいのは、本校が関係する対外試合については、野球もサッカーも分け隔てなく応援に駆けつけます。つまりどちらも同じくらいに好きなのです。

 さて去る11月9日、高校日本選手権の県代表を決める決勝戦が行われました。残念ながら今年も星稜に敗れてしまいました。その決勝も、1週間前の準決勝も雨の中で戦われました。雨の中でも、サッカーの試合はおこなわれます。そして雨の中でも、応援団は応援するのです。選手たちと共に、勝利を喜び、敗北に涙するのです。霜月の冷たい雨に打たれながら…

2014年11月 6日 (木)

【第351回】 <学園祭について一言>M. K. (数学、情報)

 遊学館高校は、9月5日(金),6日(土)の2日間行われましたが、

大学・短大等の学園祭は10月後半から11月3日(月)の文化の日にかけて

ピークとなるでしょう。学生にとっては一番騒がしい時期なのでは?

 今のこの時期は、木枯らしが吹き、やがて冬が訪れようとしているはずが、

温暖化の影響なのか、季節がずれてきているかんじがしないではないか

という今日この頃です。

 生徒や学生には、楽しむときは楽しみ、取り組まねばならない仕事(作業)

は、精一杯取り組めるようにメリハリある生活を送ってもらいたいです。

学生の皆さんは今精一杯学園祭を楽しんでほしいです。

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