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2011年4月 6日 (水)

【第177回】新入生・在校生のみなさんへ松田 淳 (地歴・公民)

 新入生・在校生のみなさん。
この春休みはどのような生活を送っていますか。

 スタディーサポート試験対策の問題集を日々消化していますか。
何回も何回も取り組むことが大切です。基礎・基本を甘く見てはいけません。

 新入生のみなさん。
この“先生コラム”は生徒諸君の高校生活へのエール、生き方・在り方のアドバイス、
先生たちの体験談・考え方など真っ向勝負としての生の声です。
作られている先生方はあたかも目の前に全校生徒、
クラスの生徒、部活の生徒がいるかのように語りかけます。

 授業の合間に、また放課後の職員室などでカタカタとキ―を叩いています。
時には新聞を片手にその時代の事件やニュースを通じての感想や
そこから学ぶべきことを生徒の皆さんとともに考える材料として発信している例もあります。
今回は一緒に考えてほしい事件についてです。
 この先生コラムに鎮魂の願いも込めて、刻みつけ、後世に残したいと思います。

 2011年3月11日(金)午後2:46頃、東北三陸沖を震源に
国内観測史上最大のマグニチュード9.0の地震が発生(のちに「東日本大震災」と命名)。
その地震と発生した大津波による死者・不明は2万8,000人超、
避難18万人超となり未曽有の被災となった(発生19日後、3月29日現在)。

 全国各地から自衛隊・消防・自治体職員、
ボランティアのみなさんが駆けつけ東北を助けるために日々奮闘している。
昨年まで本校に通っていたカナダからの留学生、
アシュリーさんは応援メールを寄せてくれた。
現在通っている大学で友人を誘って熱心に募金活動に励んでいるとのこと。
彼女の日本への応援メールには“共同体としてとして助け合って…”という一文があった。
まさに生まれも育ちも違う人々が駆けつけ、
国籍が違う人々が海の向こうから東北に心を寄せてくれている。

 この大震災を通じて学ぶべきは、苦しみも哀しみも励ましも、さまざまな思いや境遇、立場をわが身に置き換え想像しながら、すべて心を共有することではないだろうか。
東北の人々に笑顔が戻るまで「共有し続ける」ことが共同体として助け合う次なる行動を生むのではないだろうか。
3年、5年、10年かかっても忘れることなく「共有し続ける」ことである。

 学校生活においても「共有」という考え方はとても大切である。
友人の苦しみも哀しみも励ましも、さまざまな思いや境遇、立場をわが身に置き換え想像しながら、すべて心を共有することができるか。
優しさ・思いやり・感謝する心は誰もが奥底に持っている。
それらは心を共有することによって、行動として表現されるものである。

 「共同体」「共感」「共有」…すべてに「共に」という行動が示されている。
再び新しく始まる遊学館での学校生活。
クラスでの授業・放課後の補習や部活動は、先生や友人たちと「共に」という行動が基本となる。
苦労も喜びも悩みも「共に」味わう。“学校”というものは一つの共同体である。

 前述した留学生のアシュリーさんは、共同体としての遊学館から大いに魅力を感じてくれ、
遊学館という共同体を大好きになってくれ愛してくれた一人である。
同じクラスで「共に」生活した友人たちの卒業式のためにわざわざ来日してくれた。
遊学館という共同体に戻ってきてくれた。

 新入生のみなさん。ぜひ遊学館という共同体を大好きになってほしい。
成功への道はそこからだ。何事も前向きに、プラス思考で。
そのような姿勢なら自然と運も向いてくるものだ。
そして初めて出会うクラスメイトと「共に」頑張ろうではないか。

 在校生のみなさん。
遊学館は共同体として、先生と君たちが一つになったとき、最大の力を発揮する。
自分たちの力を信じて「共に」頑張ろうではないか。

 この春からの遊学館が楽しみである。