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2010年12月22日 (水)

【第164回】韓国語S. N. (英語)

Viewimg_4  2002年 サッカー ワールドカップ 日韓共同開催が、私が韓国語に興味を持ち始めた切っ掛けだった。

 それまで、日本から一番近い隣国なのに、全くと言っていいほど無関心だった。これを契機として、韓国ドラマがお茶の間に登場するようになった。日本全土を、特に中高年(?、自分も含まれるかもしれないが)中心に爆発的にヒットした「冬のソナタ」はまだ、皆さんの記憶に残っていることでしょう。

私も、ドラマには一喜一憂しましたが、韓国語を勉強し始めたのは、ハングル文字に関心を抱いたからです。あの記号のようなハングル文字は、組み合わせると、日本語の50音表に、ほぼぴったり合わせることができることに気付いたからです。つまり、韓国人は、日本語のひらがな言葉をつないで話していることになります。だから、韓国語の文章を読むのは、少々疲れます。日本語は、漢字があるので、視覚で意味を悟ることができますが、韓国語はいちいち読まなくてはなりません。

 でも、私の韓国語に対する興味は深まって、何か、生徒たちに役立たせることはできないものか、と考えるようになりました。
そこで、思いついたのが、この学校の特色でもある、毎週土曜日に開催の自主講座だったのです。なんとか、自主講座の一つに、韓国語講座を加えられないだろうかと思い、自主講座担当の教頭 中村裕行先生にお願いしたところ、受け入れて頂き、今日に至っているわけです。

 当初は、日本にワークホリディで来ていた、プサン出身の女子大生に講師になってもらいました。彼女たちも、最初は、戸惑いを感じていたようですが、生徒たちとの年齢も近いことから、1年も経過した頃には、和やかな雰囲気になっていました。彼女たちが、日本を去る日が来たとき、自習講座の生徒皆で、韓国語で手紙を書いて送ったことを思い出します。
あれから、私も、何度か、彼女たちから、近況を伝える便りをもらっています。

 その後の後任として、二人の金先生にお世話いただきました。
お一人の金先生は、お子さんの出産を機に、辞められ、もう一人の、金先生にバトンタッチされました。現在、講師としてお世話いただいているのが、このもう一人の金先生なのです。韓国語講座が軌道に乗るまで、私も、一緒に講座に関わりお世話させていただきましたが、今は、金先生お一人で、担当されています。

 今でも、金先生とは、定期的にお会いし、自主講座での困ったことや、悩みごとなどをお聞きし、より良い講座になるよう話し合っています。
金先生とお話をしていると、金先生のほうが、日本人より日本人らしいのではないかと思えることがあります。古き良き時代の日本人の礼儀正しさや、目上の人や、両親、恩師に対する敬いの気持ち、など、忘れかけた日本人の心の美しさを呼び戻させてもらっているような、そんな気付きがあります。

 今、思うに、あの時、本当に思い切って、韓国語の自主講座を作って良かったということです。いままで、あまり、アジア近隣諸国の中での日本の立ち位置を考えてこなかった私たち日本人にとって、この講座がきっかけとして、アジアの国々に当たり前に、目を向けてくれる若い人たちが育ってくれることを願ってやみません。

 どうか、この講座が、ずっと続いてくれることを願っています。