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2008年7月30日 (水)

【第48回】夏の暑さなんかより、もっと熱い応援!S. J. (地歴・公民)

「7・8・9回で3点ずつ取れば逆転や。」
「もっと応援もりあがろう」

 女子生徒の声でハッと我に返りました。

 7月24日に県立野球場で行われた、高校野球の決勝戦でのことです。
 6回裏、金沢高校に一挙5点を取られ、2対8のスコアになったときには正直、あきらめのムードが周囲に漂いました。そのような時です、女子生徒の声が聞こえたのは。普段、私も部活などで「最後まであきらめるな」ということを言っているくせに、そんな気分になっている自分が恥ずかしくなりました。なによりグランドで戦っている選手は決してあきらめていないはずです。私は立ちあがって、残りの回は守備の時でも座らずに応援し続けることを決心しました。

 スタンドの応援も、野球部員の盛り上げで大きくなり、7回に2点、8回にも2点返したときには、「絶対に逆転できる」という確信がスタンドに広がりました。

 そして9回、あの3ランホームランです。鳥肌が立ちました。3塁側スタンド全体が揺れました。泣いている子もいます。「最後まで決してあきらめない」野球部がそれを体現してくれた瞬間でした。

 結果は逆転サヨナラ負けでした。しかし、ここまで心が震える経験は何年かに一度あるかないかだと思います。

 試合後、多くの保護者から「素晴らしい試合でした。」「遊学館を誇りに思います。」などのお言葉をいただきました。私の友人からも、「おまえ、遊学館の先生やっとるのうらやましいわ。」と言われました。

 野球部のキャプテンは全校登校日にお礼のあいさつとして「あの応援があったからこそ、最後までがんばれることができました。」と述べました。

 受験生の皆さんにも、心から応援してくれる人たちがいると思います。最後まであきらめず自分の目標に向かって頑張ってください。その目標が本校であれば嬉しいです。

 そして、来年の夏には一緒に熱い応援をしましょう!

2008年7月23日 (水)

【第47回】POWER TO MAKE DREAMS COME TRUE牛腸 尋史 (英語)

 今年の春にも3年生420人が卒業していきました。私自身もクラス担任を持っていましたので、とても思い出深い卒業式になりました。今回は、私が担任をした42人の子どもたちではなく、他のクラスのある生徒のことをお話ししたいと思います。

その生徒との出会いは1年生の学年末でした。卒業式も終わって2年生が研修旅行に出かけている間に、英語のピンチヒッターとして教室に行ったことがきっかけでした。授業の途中で初めて話しをした時、「中学校の時から英語が苦手で、全然わからない」と言ってきました。私は、「まだ1年生なんだから、今からでも十分挽回できるよ」と答えたように思います。するとその生徒は「本当に?」と、幾分疑いの眼差しで私に聞き返してきました。

 翌日、私はその生徒に中学の総復習をするための問題集をプレゼントしました。それからその生徒との問題集のやり取りが始まりました。それこそbe動詞の使い方から始まり、新しい文法を説明し、その後で問題を仕上げてくる。1週間に1回か2回はそれを繰り返していたと思います。

正直、「最後まで続くのかな」とも思うこともありましたが、その子は決してあきらめませんでした。「私はできる!」と、魔法の呪文のように、自分自身にそう言い聞かせながら頑張っていました。何があっても英語の勉強だけはやめませんでした。

 2年生の夏にはその問題集を完成し、中学の復習を終えました。その後は、英単語帳を使って語彙力の強化や大学入試用の問題集に挑戦するようになりました。

私以外にも、いろいろな先生に協力してもらいながら2年生では英語検定の3級に合格し、3年生になってからは準2級にも挑戦しました。6月の試験で筆記試験に見事合格!でも、面接試験は残念な結果に…。10月の面接試験に再チャレンジ!私もわが子の合格発表のようにドキドキしながら結果を待っていました。しかし、またしても残念な結果に・・。

それでも、その子はあきらめませんでした。

卒業式を間近に控えた2月のラストチャンスにかけて、3年生がみんな自宅待機している間でも、学校に来て面接練習に取り組んでいました。そして、卒業式を終えた3月のある日、学校に合格を知らせる通知が届きました。

担当の先生から見せていただいた通知は、カタカナで記されたその子の名前と「合格」という文字がタイプされた簡単なものでした。しかし、その子が積み重ねてきた多くの努力を感じるとこができ、どんな名文よりも私を感動させる力がありました。「もっと英語を勉強して、留学もしたい」と、新たな目標を持って、その子は遊学館高校を巣立っていきました。

 私が所属する進路指導部は、生徒それぞれが自分の希望進路に応じ、県内の大学や短大、専門学校などを訪問する「学校見学」や、上級学校の先生方から勉強内容につて話を伺う「進路ガイダンス」など、様々な行事を実施しています。「百聞は一見にしかず」つまり、「見て、知って、実感することが未来を切り開くエネルギーになる」と思います。

人は目標を持つことで、それまでの自分には思いもつかないようなパワーや才能を発揮することができると信じているからです。今春卒業したその生徒ように、自分の未来を切り開くきっかけになって欲しいと願いながら、進路行事を計画しています。

2008年7月16日 (水)

【第46回】朝ごはん小坂 英洋 (情報)

朝ごはんを食べよう。

 今に始まったことではないが、朝食をとることは大切だといわれている。
今回、私がなぜこの話題を取り上げたかというと、今私の保育園に通う2人の子どもが「はやね、はやおき、あさごはんチャレンジ」というカードを持っており、1ヶ月間の生活をチェックしているのだ。マル(できた)が多いと、賞状がもらえるらしく、張り切っている。しかし、早起きは親ゆずりで苦手らしく、バツのこともあるが、朝食は毎日マルだ。

 我が家では、朝食は毎日の日課として当たり前のことだが、思い返してみると、私自身は物心ついた頃から結婚するまで、朝食をとる習慣がなかった。そこで、我が遊学館生は、朝食をとっているのか、そして朝食をどうとらえているのか、調べてみたくなったのだ。

 突然だが、アンケートを行うことにした。対象は、私が授業を担当するクラスとした。時間も限られていたので、各学年1クラスずつ行い、有効回答数は108で、集計結果は下の表となった。

質問 選択肢 1年 2年 3年
1.今日、朝食を食べたか はい 34 28 24
いいえ 4 8 10
2.普段は朝食を食べているか いつも食べている 32 25 18
いつも食べているが、
時々食べない
5 7 8
いつもは食べないが、
時々食べる
0 4 2
いつも食べていない 1 0 6
3.朝食を食べる場所 家、寮 36 24 27
学校 1 11 4
その他 1 1 3
4.朝食は大切だと思うか はい 37 36 31
いいえ 1 0 3

 この結果だけでは、遊学生の実態とはいえないが、高学年になるにつれ、朝食を抜いてしまう生徒が現れるようだ(質問1、質問2)。そして、時間に余裕がないのか、家で朝食を食べず、学校で食べている生徒もいる。家で作ったものを持ってきているのか、コンビニで買ったものを食べているのだろうか。しかし、大多数の生徒が「朝食は大切だ」と考えている。

 脳が必要とするエネルギーは「ブドウ糖」のみで、1日120グラムを必要とする。ブドウ糖は、ご飯やパンなどのデンプン質から作られる。食事を食べてから30分ほどでブドウ糖が作られ、脳に送られる。使われなかったブドウ糖はグリコーゲンとなって肝臓に蓄えられ、必要に応じてブドウ糖となって使われる。この蓄積は「12時間」ぐらいが限度であるため、前回の食事から時間が経っている朝は、脳がエネルギー不足を起こしている状態となる。つまり、朝食を食べないということは、学校での学習を拒否していることと同じなのだ。また、クラブ活動で朝練習をする人も、脳に送られるはずのエネルギーを使ってしまうことになるので、朝食は必須といえる。

 平成20年6月は「食育月間」。文部科学省では平成18年から「早寝早起き朝ごはん国民運動」、農林水産省では平成20年6月に「めざましごはんキャンペーン」、など朝食を含めた「食育」に対する運動が高まっている。

 遊学生はあいさつが素晴らしい。
朝にさわやかなあいさつができるのも、一日の学習がはかどるのも、すべては朝食のおかげ。きちんと朝食を食べ、いい朝のスタートを切ろう。

2008年7月 2日 (水)

【第45回】みんな大好きK. R. (地歴・公民)

「キーン♪コーン♪カーン♪コーン♪」
「バタバタバタ!」職員室前の廊下を足早に駆け抜ける音が聞こえる。
「いらっしゃーい」と同時に「すいませーん、このパンとおにぎり!!」
「私はヨーグルトと…」
少し時間が経つと、ザワザワっと職員室横の購買が溢れんばかりの人ごみになった。

…ある日の休み時間の光景である。
今年度から第二学館が建てかえられるということもあって、購買が職員室横に設置された。
授業の間の休み時間、昼休みと一見、穏やかな購買だと思いがちだが、生徒からしてみれば、これは「戦い」である。高校のとき、私もこの「戦い」に参戦していた。「絶対に今日こそは鳥釜めしを手にしてやる!!」と意気込んで、チャイムと同時に階段をばぁ~っと駆け下りていったものである。今も、小腹が空いたときに購買を利用している。もちろん、生徒がいないときだから「平和」である。(笑)

購買にはおにぎり・パン・やきそば・サンドウィッチ・文房具等と数に限りがあるが沢山のものが置いてある。おすすめはやっぱり「鳥釜めし」である。高校を卒業してからあの味が忘れられず、今も昼の弁当として食べている。

さて、ここで問題、購買で5円で買えるものは何でしょうか?答えは、購買で直接聞いてみよう。

ともあれ、遊学館の生徒から先生方まで、遊学館にはなくてはならないものの一つである。

最近、感動する出来事が昼休みの購買でありました。相変わらず混雑している購買の中で何を買おうか迷っていると、前に1年生の女子生徒と上級生の女子生徒がいました。たまたま同じチョコのパンを選んでしまった2人。すると、上級生の生徒が「あっごめん、これ食べていーよ!」と一言。1年生は「あっありがとうございます」と小声で一言。こんなさりげない光景が、とても見ていて嬉しかった。「ゆずる」という行動の中に、相手の立場になって物事を考えるというのが見え隠れしたシーンでした。このような優しさや思いやりの行動が遊学館らしさの一つだと思う。伝統というのは伝えるものではない。伝わっていくものが伝統なのかなと思いました。

ってことで今日も、購買で昼の弁当を買いに行ってきます。
手作りお弁当が恋しいね(笑)