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2009年1月21日 (水)

【第72回】「利き脳」から学んだこと山本 雅弘 (保健体育)

脳学者の坂野登氏の説によると、人間は「利き脳」によって、情報の入力と出力の方法が大きく二つのタイプに分けられるそうです。右脳は空間やイメージをつかさどる部分で直感型タイプ。左脳は言葉や理論をつかさどる部分で理論型タイプ。

どちらのタイプかを知る方法として、「情報の入力」は両手の指を組んだ時に左の親指が上になるのが右脳で、右の親指が上になるのが左脳です。「情報の出力」は両腕を組んだ時に左の腕が上になるのが右脳で、右の腕が上になるのが左脳です。

私の「利き脳」は情報の入力が左脳で出力が右脳です。理論的に情報を入力して直感的に出力する人間になります。自分を振り返り冷静に考えてみると、まさしくその通りだとうなずけます。私は教師として子供達に教えるとき、直感的に指導していることになります。直感的に入力する生徒には伝わりやすいが、理論的に入力する生徒には伝わりにくいことになります。これは指導者として不平等な指導をしていることになります。

右脳で出力する有名人として挙げられるのは元巨人軍の長嶋茂雄監督で、左脳で出力する有名人が楽天の野村克也監督と言われています。長嶋監督がカーブを打つ時の打撃指導の言葉として「スーと呼び込んでスパット打て」と指導されたそうです。この指導に対して左脳で入力する私には理解しにくい指導となります。

しかし、右脳で入力する選手には素直に理解できる指導であるはずです。野村監督の場合は指導マニュアル(「野村ノート」140ページの内容)で理論づけをし、心理学や哲学まで追求した指導をされています。この指導に対して、私は難しい内容ですが素直に理解させられます。しかし、右脳で入力する選手には理解にくい指導となります。

したがって、私の場合、直感型タイプと理論型タイプを平等に指導するためには原理・原則の理論武装をして指導の引き出しを(言葉)たくさん持つことが必要となります。

指導者は自分の苦手な部分を開拓し、より多くの生徒に情報を伝える創意工夫の努力を常に行なって、生徒にフィードバックしていくことが大切であることを教えられた。

2008年4月16日 (水)

【第35回】先生として山本 雅弘 (保健体育)

高校野球に携わって7年になります。

2001年の春に創部し、22名の一期生からスタートしました。私は部員に「監督」でなく「先生」と呼ばせています。それは、人間形成と野球を教えることを大切にする意味が含まれています。また、常に次のステップに繋げることも大切にしています。その私の意を汲んでか、一期生の12名が野球を続けてくれました。その一期生も、この春大学を卒業し社会人として巣立つ年代です。

上級生がいなく、三年間縦社会の経験もなく高校を巣立って進学した12名。その中で7名の挫折者がでてしまいました。入学許可をもらい、入学前の練習に参加している時点での挫折が1名。入学後、選手として有望視されながらの挫折が5名。

今から思えば、この6名は私の指導の未熟さが原因と反省しています。試合の結果を重視して人間形成がおろそかになっていたように感じます。あと1人は授業の関係で続けられなかった。(早稲田大学の法学部)

先輩もいない中、縦の社会の勉強も出来ずに伝統ある世界に入り頑張り通した5名。社会人野球に進んだ1人はプロ野球に。東京六大学に進んだ1人は、縦の人間関係に悩みながらも4番を任され、社会人野球に。
主将として全日本大学選手権まで導いた1人も社会人野球に。あとの2人も地域のプロ野球と社会人野球に。指導者の道に進んでくれなかったことが少し残念にも思いますが・・・。

5名が高校球児の「夢の世界」で野球を続けてくれていることに喜びを感じています。私が指導者として尊敬する大先輩の言葉、「夢を見て、夢を育て、夢を食う」。「夢」を持ち、それに向かって「努力」することが大切だと思っています。努力することによって日々成長し、夢を勝ち取る姿が人生そのものと思います。

この春、八期生を迎え「先生」として襟を正して指導に当たりたい。