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2010年2月24日 (水)

【第122回】遊学生の主張小坂 英洋 (情報)

 平成22年2月20日(土)、毎年の恒例行事である、生徒による弁論大会「遊学生の主張コンクール」が開催された。弁論大会といっても肩苦しいテーマなどはなく、生徒が自由な意見を主張する場となっている。

この日、1・2年生の各クラスから選ばれた代表者19名が、熱弁をふるった。今年のテーマは、「働く女性のために」、「パスタ」、「私の10年間」、「松岡修造から学んだこと」、「北陸新幹線」、「笑顔」など、バラエティに富んだものになった。

 コンクールの運営は生徒会である。司会進行、タイム計測などすべてを取り仕切る。審査員は先生方で、3年生のクラス担任を中心に選出されている。

 このコンクールの歴史は古く、女子高時代からの「校内弁論大会」にさかのぼる。当時は先生方がメインとなって運営していた。そして今から10年ほど前、名称を「遊学生の主張コンクール」と改め、現在に至る。

今では生徒会と文化委員会が中心となり、生徒達の手で運営している。写真画像にある、発表題目の垂れ幕も生徒の手によるものだ。また、主張を聴く側も正装で臨み、場の雰囲気を創り出す。クラスの代表が登壇すると、大声でエールを送る生徒もおり、ムードを高めた。
そして今年も保護者の参観があり、全体として昨年以上に立派なコンクールになったと思う。

 今を高校生として生きる1人の人間として、率直な、そして熱い魂を言葉にのせ、体全体を使って表現するその様子は、見ている生徒だけでなく、教員である私も大きな感動を覚えた。
そして、涙が出た。同時に、私が高校生の頃はこんなことを思いながら、日々過ごしていただろうかと思うと、恥ずかしくもなった。

 時には頼もしく、時には頼りない生徒たちである。しかし、部活動や、校外活動、そして遊学生の主張コンクール。普段の授業とは違う一面を見せてくれる彼らに、私からも大きな拍手と精一杯のエールを送りたい。

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2009年4月29日 (水)

【第84回】 意義ある活動小坂 英洋 (情報)

 今年度から生徒会とインターアクトクラブ、応援部の顧問をしています。今回は、インターアクトクラブの活動について紹介したいと思います。

 インターアクトクラブは、高校3年間に在学中の生徒たちのために、地元のロータリークラブが発起後援している国際理解と社会奉仕を目標としたクラブです。我が遊学館高等学校インターアクトクラブは、昭和61年6月に金沢ロータリークラブによって提唱された、金沢市でも歴史のあるクラブです。

 先日、1年生の新入部員を迎え、新年度最初の活動として、犀川河川敷の清掃活動に出かけました。肌寒い風の吹く中、好天に恵まれ、楽しく活動できました。この活動で感じたことは、犀川までの街中にはほとんどゴミが落ちていないことでした。河川敷には川の流れに運ばれたゴミが多少あるものの、全体としてはきれいでした。

 生徒たちは熱心にゴミを拾い集め、ゴミ袋3つが1時間程度でいっぱいになりました。

 この活動は、天気の許す限り、毎週続けていこうと思っています。また、6月には金沢市の他のインターアクトクラブと共同で、クリーンキャンペーンを行い、金沢市中のゴミ拾いを行います。

 また、一昨年度には3月にオーストラリアへ国際交流研修に出かけ、現地のロータリークラブならびに高校生との交流を行いました。国際交流事業は、毎年行われている行事です。

 このように、遊学館高等学校インターアクトクラブは、地道ではありますが、活動を続けています。私もこの伝統あるインターアクトクラブの顧問として、生徒とともに活動を守り続けたいと思っています。

2008年7月16日 (水)

【第46回】朝ごはん小坂 英洋 (情報)

朝ごはんを食べよう。

 今に始まったことではないが、朝食をとることは大切だといわれている。
今回、私がなぜこの話題を取り上げたかというと、今私の保育園に通う2人の子どもが「はやね、はやおき、あさごはんチャレンジ」というカードを持っており、1ヶ月間の生活をチェックしているのだ。マル(できた)が多いと、賞状がもらえるらしく、張り切っている。しかし、早起きは親ゆずりで苦手らしく、バツのこともあるが、朝食は毎日マルだ。

 我が家では、朝食は毎日の日課として当たり前のことだが、思い返してみると、私自身は物心ついた頃から結婚するまで、朝食をとる習慣がなかった。そこで、我が遊学館生は、朝食をとっているのか、そして朝食をどうとらえているのか、調べてみたくなったのだ。

 突然だが、アンケートを行うことにした。対象は、私が授業を担当するクラスとした。時間も限られていたので、各学年1クラスずつ行い、有効回答数は108で、集計結果は下の表となった。

質問 選択肢 1年 2年 3年
1.今日、朝食を食べたか はい 34 28 24
いいえ 4 8 10
2.普段は朝食を食べているか いつも食べている 32 25 18
いつも食べているが、
時々食べない
5 7 8
いつもは食べないが、
時々食べる
0 4 2
いつも食べていない 1 0 6
3.朝食を食べる場所 家、寮 36 24 27
学校 1 11 4
その他 1 1 3
4.朝食は大切だと思うか はい 37 36 31
いいえ 1 0 3

 この結果だけでは、遊学生の実態とはいえないが、高学年になるにつれ、朝食を抜いてしまう生徒が現れるようだ(質問1、質問2)。そして、時間に余裕がないのか、家で朝食を食べず、学校で食べている生徒もいる。家で作ったものを持ってきているのか、コンビニで買ったものを食べているのだろうか。しかし、大多数の生徒が「朝食は大切だ」と考えている。

 脳が必要とするエネルギーは「ブドウ糖」のみで、1日120グラムを必要とする。ブドウ糖は、ご飯やパンなどのデンプン質から作られる。食事を食べてから30分ほどでブドウ糖が作られ、脳に送られる。使われなかったブドウ糖はグリコーゲンとなって肝臓に蓄えられ、必要に応じてブドウ糖となって使われる。この蓄積は「12時間」ぐらいが限度であるため、前回の食事から時間が経っている朝は、脳がエネルギー不足を起こしている状態となる。つまり、朝食を食べないということは、学校での学習を拒否していることと同じなのだ。また、クラブ活動で朝練習をする人も、脳に送られるはずのエネルギーを使ってしまうことになるので、朝食は必須といえる。

 平成20年6月は「食育月間」。文部科学省では平成18年から「早寝早起き朝ごはん国民運動」、農林水産省では平成20年6月に「めざましごはんキャンペーン」、など朝食を含めた「食育」に対する運動が高まっている。

 遊学生はあいさつが素晴らしい。
朝にさわやかなあいさつができるのも、一日の学習がはかどるのも、すべては朝食のおかげ。きちんと朝食を食べ、いい朝のスタートを切ろう。

2007年10月 3日 (水)

【第8回】「○○の秋」小坂 英洋 (情報)

 九月の終わり頃から、朝晩が急に冷え込むようになり、やっと「秋」を感じるようになりました。
このさわやかな季節が、私は好きです。

 「○○の秋」とよく言われますが、皆さんにとってはどんな秋になるのでしょうか。
毎年巡り来るこの季節を、私は「読書の秋」にしたいと思っています。

 アメリカの市場調査会社GfK NOPの調査(2004年と2005年に実施)によると、1週間あたりのテレビ視聴時間が17.9時間(31国中10位)に対し、読書時間は4.1時間(同30位)と、日本人の活字離れが進んでいるようです。

 また、高校生では読解力が低下していること(8位→14位)が国際調査(PISA2003年…http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/04120101.htm)で明らかになっています。

ある研究者はこの結果に対して

「自分の興味のある本を片端から読めばいい。雑誌でもいい。先生がこの本がいいといって無理に本を薦めると逆に読む気をなくしてしまう可能性もある。あくまでも自分から読みたいと思うことと、とにかく文字に接することが大切。また、読んで新しく得た知識を友人との会話の中で話題にして的確に説明する力をつけよう。たくさん読書をしている人に知識ではかなわない。が、本を読んでいて、分からない単語があればすぐに調べて、じっくりと時間をかけて根気よく知識を増やしていけば良い。」 と述べているそうです。

 本校には「朝読書の時間」があります。

毎朝、クラス朝礼前の10分間を、静かに心落ち着けて読書することで、読書によって読解力や文章力がついていくのではないか、またクラス朝礼ギリギリに登校するのではなく、この時間があることで、一日に余裕を持ったスタートができるのではないか、などの効果があると考えています。

 毎日10分間という時間を、月曜日から金曜日まで積み重ねても、日本の読書時間には遠く及びません。

この時間は私も一緒に読書をしていますが、読書時間終了を知らせるチャイムが鳴り、クラス朝礼の時間になっても、数名は集中力を切らさずに読書を続けており、強制的に読書を終了させることがかわいそうに感じることもあります。この10分間がきっかけとなって、もっと読書の時間が増えれば、プラスの面が多く現れるのではないでしょうか。

 こういう私も、読書が苦手です。子どもの頃からコンピュータやゲームばかりに熱中していたもので、読書の習慣は全くありません。だからこそ、文頭にあげた「読書の秋」を計画したのです。

また、時代の流れか、インターネットで6千以上の作品を読むことができる、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)や最近発売されたゲームソフトにも、文学作品を読むことのできるものが登場しています。

このような紙とは全く違ったメディアでの読書などは、今の高校生にはなじみやすいのではないでしょうか。

 この秋に何冊の本を読むことができるか。生徒と共に挑戦したいと思っています。