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2026年8月20日 (木)

【第953回】「夏は夜」I. I. (国語)

平安時代に成立した「枕草子(まくらのそうし)」の一節を紹介します。


夏は夜。
月のころはさらなり。
闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。

夏は夜がよい。
月の出ているころは言うまでもない。
月のない暗い夜も、蛍がたくさん飛び交っているのがよい。
また、一つ二つだけがほのかに光って行くのも趣がある。
雨などが降るのも趣がある。


月明かりにほのかに光る蛍
そして、突然の雨

どれも夏の夜にふさわしい、美しい情景です。

「をかし」は趣(おもむき)がある、風情(ふぜい)があるといった意味です。
作者の清少納言(せいしょうなごん)は、夏の暑さがやわらぐ夜に焦点を当て、
風景の中に風情を見つけ、それを巧みに表現しました。

「枕草子」は「をかし」の文学とも言われます。
特にこの「春はあけぼの…」から始まる四季の一節は、
原文で読んでもその美しさに共感できます。
日本人の美しいものに対する感性は、今に生きていますね。

平安時代もこの令和のように猛暑酷暑だったのでしょうか。
暑い夏の夜、エアコンのきいた家からちょっと外に出て、
月を眺めたり、蛍を探したりしてみると、
ストレスが和らいでリフレッシュできるかもしれませんね。