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2026年10月22日 (木)

【第962回】「真夏の同窓会」K. Y. (国語)

 8月に甲子園の応援に行ってきました。
 試合前夜に大阪に到着し、某卒業生と会食。昔話や試合展望にも華が咲きます。
 定期的に近況を報告しあったり会食したりもしますが、彼自身が野球部卒ということもあり、甲子園出場の機会での語らいもまた格別です。

さて、試合当日。別の卒業生からも連絡があり、応援スタンドで合流し記念写真の撮影。
 こちらは数年ぶりの逢瀬(男女の仲ではございません)ですが、結婚されて子供さんもできて、一家の大黒柱として貫禄がついた感じ。
 高校生が成長して大人になっていく。当たり前のことですが、いいもんだなと実感します。

 試合が始まり、予想外の劣勢での応援。ピッチャーもよく投げていたし勝機もあったと思うのですが…。
 怒濤の追い上げ、打線の奮起もあと一歩及ばずで、最後になった打者の快音が未だ耳に残っています。

 スタンド同窓会の心残りは校歌が聞けなかったことです。
 何万人もの大観衆のなかで母校の校歌が流れ、叫ぶようにして謳う。
 卒業生であることを誇りに感じる瞬間ですよね。
 来年の夏は5回ほど校歌を聞けることを願っています。

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2026年10月15日 (木)

【第961回】「次世代をはぐくむ」神原 結衣 (家庭)

 現在、家庭基礎では「次世代をはぐくむ」単元の授業をしています。命のはじまり、つながり、乳幼児期の体と心の発達、どのようにして生まれ、育ててもらったのか、子どもの頃の記憶を思い出しながら授業を進めています。

 幼児期の心の発達について、家庭科の教科書には「1歳頃に自己意識が芽生え、2歳頃になると親に対して『いや』、『自分でする』等が多くなる、第一次反抗期が訪れる。この時に周囲の大人は温かく見守ることが必要である。」と記載されています。

 2人の母である私は日頃、教科書の一文のように「怒らずに優しく話を聞こう」、「公園で帰りたいというまで存分に遊んであげよう」、「少しばかり『いやいや』と言われても受け入れてあげよう」、「時間がない時に『一緒に料理をしたい!』と言われたらキュウリだけでも切らせてあげよう」、「手が離せない時に『ママ!』と呼ばれたら、手を止めて応えてあげよう」と、仕事を終えて保育所へ向かう車の中でこんなことを考えています。
 しかし、現実の私は余裕がなくイライラしてしまい子どもを抱きしめるどころか追い立ててしまう日ばかりです。

 教科書の一文と私の子育てを照らし合わせて、『こんな私に、生徒へ何を伝えられるだろう』と悩み葛藤しながら授業を進めていました。そんなある日の授業の振り返りシートに多くの生徒が、産んでくれた感謝、育ててくれた大変さの実感と嬉しさ、自分が親になった時に返したい等の、まっすぐな思いが書いてありました。

 この言葉を目にしたときに、理想通りにいかなくてイライラしてしまう日も、余裕がなくて受け止めてあげられない日も含めて、完璧な親になんてなれなくても、悩みながら葛藤しながら育ててきた時間そのものが、「愛されていた」という温かい確信となって届いているのかもしれないと思いました。生徒のまっすぐな言葉に、母としての私自身が救われた瞬間でした。
 教科書に書かれたたった一文の言葉の裏側にある、親の膨大な愛と苦労、「次世代をはぐくむ」という授業を通して、命を育むことの本当の愛おしさと深さを学んでいるのは、生徒たちだけでなく、教壇に立つ私自身なのかもしれません。

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2026年10月 8日 (木)

【第960回】「親のありがたみ」神谷 崚仁 (情報)

 皆さんは、親に対して、感謝の気持ちを伝えていますか?
 私は埼玉県出身です。遊学館に入学し、親元を離れて寮生活を始めました。中学生までは当たり前のようにしてもらっていた洗濯、掃除、食器洗い。それを、どんなに疲れていても、体調が悪くても、誰も代わってはくれません。
あの「当たり前」は、親が毎日、黙って支えてくれていたものでした。
 そして昨年の12月25日、私に息子が生まれました。
 親に守られていた私が、今度は親になりました
息子は、毎日すごいスピードで成長していきます。その姿を見ていると、本当に幸せな気持ちになります。しかし、同時に、毎日が必死です。夜泣きでほとんど眠れない夜もあります。目の前のものは何でも口に入れようとするので、一瞬たりとも目が離せません。仕事や部活動でどんなに疲れて帰ってきても、それは変わりません。
 その時、ふと思いました。
 「私の親も、こうして私を育ててくれたんだ」と。
 皆さんには、赤ちゃんの頃の記憶はないと思います。けれど、記憶に残っていないその時間こそ、親が眠れない夜を重ね、自分のことは後回しにして、ありったけの愛情を注いでくれた時間です。
 では、今の皆さんに、親へどんな恩返しができるでしょうか。
 それは、学校のルールを守り、真剣に勉強し、様々なことに挑戦して、人として成長すること。しっかりとした姿で遊学館を卒業していくこと。何よりもそれが、親にとって一番の恩返しになると思います。
 そして、立派な社会人になって初めてのお給料をもらったら、是非親を食事に招待して下さい。きっとその日は、親にとって一生忘れられない1日になると思います。

最後にお知らせです。
10月3日から、第105回全国高校サッカー選手権 石川県大会が始まります。
みんなで一緒に全国大会に行きましょう!

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2026年10月 1日 (木)

【第959回】「知る楽しさ」K. Y. (英語)

 今年の東京大学の英語入試問題で、ハッとさせられる言葉に出会いました。精神分析で有名なフロイトについての文章です。その中に、こんな一節がありました。

It is our desire for knowledge that animates us; and it is our passion for ignorance about ourselves that is so time-consuming, so life-consuming.

「私たちが生気を得るのは『知識への欲求』によってであり、そして、非常に時間がかかり、生命を消費させるのは『自分自身について知ろうとしないことへの熱情』なのである」

 少し難しく聞こえますが、要するにフロイトは「知りたいという好奇心こそが、人間の心をワクワクさせ、人生を生き生きとさせる」と言っているのです。
 この言葉を読んだとき、以前、長野の上高地に行ったときのことを思い出しました。
 上高地で山登りをした際、「なぜ白樺が多いのか」「なぜ水がこんなに澄んでいるのか」と疑問を持ち、調べてみたことがあります。知識がない状態なら「きれいだな〜」と眺めて終わりにしてしまう景色でした。しかし、その理由を知ったとき、ただの綺麗な風景が自然を生き抜く力強いストーリーとして迫ってきました。「知る」ことで世界の解像度が上がり、心が活気づいた瞬間でした。
 何かを知ることで世界の解像度が上がり、心が活気づく。これこそが、人間が本来持っている「知る楽しさ」なのだと思います。
 でも、フロイトは人間の少し厄介な本性についても触れています。
 私たちは、自分の弱さなど不都合な現実には「知りたくない」とブレーキをかけ、言い訳に莫大なエネルギーを使いがちということです。でも、そのエネルギーを少しだけ自分の内面への好奇心に向けられたら、世界はもっと広がります。
 学びとは、テストで点を取るためだけのものではありません。知ることで世界が広がり、日常が豊かになる。そう考えると、やっぱり死ぬまで勉強だなと思いました。

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