【第745回】「遅れている?!日本の〇〇教育」窪 泉 (保健体育)
ICT教育、英語教育、マネーリテラシーなど、海外では当たり前のように行われている教育が、日本では遅れているものがいくつもあります。その中のひとつが、「性教育」です。
日本では小学校3,4年生の保健の授業で初めて月経や射精について学びますが、海外では小学校1年生から、なんとオランダでは0歳から始められているとも言われています。ということは、性教育はまず家庭で行われるということが分かります。
一方で、昨年度私が担当した2年生の4クラスを対象にアンケートを行いました。その中で「将来自分の子どもに性教育を教えたいと思うか」という質問に対して、下記の図のような回答の結果になりました。(2年生4クラス分、回答数:121)
この結果から、自分の子どもに性教育を教えたいと思う生徒は3割にも満たないことが分かります。おそらく、生徒自身も自分の親や家族から性教育を教わってないのではないかと考えられます。
私たち大人の立場からしても、「性教育」と聞くと何となく恥ずかしいような、蓋をしたいような、できれば避けたいような、そんなイメージかもしれません。大人が秘密にするもんだから、「聞いちゃいけない」「恥ずかしいこと」と子どもも思ってしまうのではないでしょうか。
これからの時代を生きていくうえで、最も怖いことは無知なことです。ますます情報化社会が進む中で、正しい知識を身につけておくことは非常に重要だと考えられます。これは性教育においても言えることであり、性教育先進国のオランダは、15歳までの性行為体験率は40か国中36位と低いのです。私は保健体育科の教員として、生徒たちがいずれ子どもを産み育てるようになったときに、性教育を教えたいと思える授業を目指していきたいと思っています。
←おススメの本です。 フクチマミ・村瀬幸浩:「おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方」,株式会社KADOKAWA,2020 |