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2024年1月25日 (木)

【第819回】「比較」北川 巧 (数学)

 人はついつい他人と自分を比較してしまうものです。この先生ブログを見ている皆様もそういった経験があると思います。「自分はダメだ」と思ったり、人を妬んでしまい「嫌な目にあわせてやる」といった攻撃的な感情を抱いたりしたこともあるのではないでしょうか。人が他人と自分を比較してしまうのは一種の本能と言われており、比較してしまう自分について落ち込む必要はありません。
 しかし、他人と自分を比較してばかりいると、不幸になってしまうことがほとんどです。「勉強」、「スポーツ」、「容姿」など様々な要素について人と比較してしまった経験があると思います。世の中は広いですから、自分より優秀な人というのはいくらでも存在します。
自分より上の人と比べてしまう比較を「上方比較」と言いますが、この「上方比較」は憧れからくるモチベーションになることもありますが、それは稀であり、多くの場合に自分の欠点を探し出して落ち込むという結果を生み出します。
 さて、他人と比較をすると不幸になってしまうと言いましたが、どうしたらよいのでしょうか。
 周りの人と比べるのではなく、過去の自分と現在の自分を比較してみましょう。昨日の自分、1か月前の自分、1年前の自分。1年前の自分と比較すれば進歩している分野も多いのではないのでしょうか。仮に1年前の自分と比較して何も進歩や上達していないと思ったそこの貴方も落ち込む必要は何もありません。今から頑張れば明日、1か月後、1年後に進歩を実感できます。皆さんもテストの点数が低くても順位が悪くても気にすることはありません。赤点でも構いません。以前の自分に勝てるように頑張りましょう。過去のマイナスの状態に打ち勝てば少しずつポジティブな成長が感じられるはずです。この小さな成長を発見する癖をつけていくと、毎日が楽しくなり、やる気があふれていくはずです。
 ここで、皆さんが気になってきている事があるはずです。「自分より上の人と比較」はダメ、「過去の自分と比較して成長を探す」と良い。では「自分より下の人と比較」はどうでしょうか。これは先に登場した「上方比較」に対して「下方比較」と言います。下方比較を行うと、能力の低い他者よりはマシという安心感は生まれますが、モチベーションも成長も生まれません。これでは思考も行動も停止してしまいます。そのまま上方比較のように幸せから遠ざかってしまいます。あくまで自分を比較する癖をつけましょう。そうはいっても優秀な人に注目は集まってしまうのですが。。。そんなときの解決法を一つ紹介します。「比較」ではなく「観察」を行いましょう。優秀な人が何を行っているのかを徹底的に観察して真似をしましょう。観察の癖をつけることで優秀な人の視点や、考え方を少しでも取り入れて成長した自分になれるように頑張りましょう。