« 【第608回】 「思い立ったが吉日」 | メイン | 【第610回】 「ひとりひとりが主人公」 »

2020年1月 2日 (木)

【第609回】 「私立という選択」S. Y. (理科)

 令和になって、年が変わり、本校も令和2年度の入学試験を控えている今日。
 今年も多くの中学3年生が本校を受験することを期待しているところである。
 そこで受験生になる中学生には、是非、建学の精神というものを意識してもらいたいと、私立で教える立場としては考える。
 建学の精神とは、創設者の教育理念であり、想いであり、願いである。
 それぞれの私立学校には、それぞれの建学の精神があり、本校にもそれはある。
 『良妻賢母の育成』から『遊学精神の涵養』と時代の移ろいとともに、その理念は変化しているものの、本質的には変わっていないと私は思う。どちらも難しい言葉ではあるが、私は、その時代に合った人間を育成する=間に合う人を1人でも多く輩出するということではないかと解釈している(一個人の見解です)。ただ、この建学の精神をもとに現場で教育を実践するのは、今は亡き創設者ではなく、我々教職員であり、またその時に集う生徒自身なのである。ここにいる人たちがこの理念のもとに実践していくのが、私学の教育であり、私学の良さである。結果や実績には直接的には結び付かないものかもしれない。しかし、それこそが遊学館から巣立っていったときに、卒業生の心の中に残っているものであり、本校でしか得られなかったものということになる。血の通った建学の精神にできるかどうかは、今年卒業する本校3年生をはじめとする在校生、教職員、そして次に入学してくるであろう本校受験生の中学3年生、このすべての人たちが建学の精神を意識し、共有できているかどうかによると思う。
 本校を受験する中学3年生には私立という選択について、もう一度意識して建学の精神と向き合ってもらいたい。そして、遊学館でしか得ることができないものをともに探究できることを願っている。がんばれ!受験生!