【第483回】 『過信を自信へ』中川 光雄 (保健体育)
第136回北信越地区高等学校野球石川県大会において、2回戦寺井高校に7対0の7回コールド負けを喫した。これは17年目を迎える野球部の歴史上、初の県大会コールド負けである。
昨夏にスタートしたこのチーム。はっきり言って技術力は例年より劣っていた。しかし、絶対に負けたくないという精神力は、過去のチームに比べても引けを取ることはなかった。ただ、成長していくうえで一番大切になってくるであろう『継続する力』が足りない。足りなすぎる。
日によってはとても良い練習をするチームであるが、少し結果が出るとすぐに練習がおろそかになる。これまでの結果がそれを物語っている。
世間から前評判で弱い弱いと言われることが悔しくて、夏休みの初めは必死に練習した。そして、ローカル大会ではあるが、今春県大会を制した金沢高校を倒し、優勝した。自分達でも勝てるじゃないかと思った途端に、練習がおろそかになった。厳密にいうと練習をただこなしてしまう。そして、シード決めの大会が始まり、公立高校に敗退した。ノーシードで秋の県大会を迎える結果になった。この負けの恥ずかしさからまた必死に練習した。秋の県大会では、優勝した航空石川高校に1点差で敗れたが、ベスト4で春のシード権を獲得した。遊学館の名に恥じない戦いができた。
しかし、この結果が彼らにとっていちばん良くなかったのではないか。過信につながったのではないか。例年、冬場のトレーニングで一段と成長する個人の能力が今ひとつあがらない。チームとして戦う集団づくりにおいては、3年生が中心となって築き上げていくものをすべて他人任せにし、冬場の練習をただこなしてしまった。春の県大会の結果は対戦相手がどうであれ、同じような結果が出ていたはずだ。
2度あることは3度あるのか、3度目の正直になるのか。すべては自分たち次第だ。
これからの練習にこの夏の結果があらわれる。