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2017年6月15日 (木)

【第482回】 『山から学んだこと』鳥畠 正明 (理科)

 何十年と山歩きを続けて来て、学んだことを書いて見たい。
 なにより学んだことは、歩いている限り、絶対にたどり着けるということ。とてつもなく遠くに見えるピークや、1000mを優に超える高度差を上がって行く道。それらを目の前にすると、絶望的な思いにとらわれる。
 しかし、心を決めてゆっくりと足元を見つめながら、一歩一歩歩んでいくと、いつの間にかピークは近づき、高度は上がっている。そんな経験を何度したことか・・・。
 あきらめずに歩き続ける限り、いつか目標にたどり着く。あきらめたら終わり。どんなに小さな歩幅でもよいから、前に進んでいく。これは人生にも当てはまる。

 次に思うのは、『道』のありがたさ。試みに山で、道以外の所を歩いて見るとよい。全くと言ってよいほど、前に進めない。逆にどんな小さな小道でも、そこに道がある限り、ズンズン進んで行くことが出来る。道は、前に歩いた人たちからの贈り物と言っていいであろう。
 勉強も同じ。学んでいることは、先人たちからの貴重な贈り物。おかげで私たちは、随分と多くのことを効率的に、自分のものとすることが出来る。ありがたいことである。

 そして、山の醍醐味は山頂からの眺めの素晴らしさに尽きる。神々しい山々の姿。これは見た人にしか、分からないと思う。それと同じで知的な意味でも学ぶことによって高みに上がり、初めて見えてくる素晴らしい景色がある。それは力を尽くしたあなただけに与えられるご褒美。
 どうか皆んなにも、少しでも高い所からの景色を見て欲しい。誰も変わってあげられない。しっかりと自分の足で登ること!

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