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2013年12月 5日 (木)

【第309回】 「良い子はわが子」「わが子は良い子」I. K. (理科)

 慣れました。最近の子供たちに。
「うちのばあちゃんに似ている」
「声が祖母ちゃんそっくり」
「そーか。祖母ちゃん今どこにいるの?」
「わからんけど、年寄りがいっぱいいるところ」
「先生だって、若い時があったんだよ」
「ウソー!!信じられない」「昔って、携帯やコンビニがなかったんでしょ。どんなふうに暮らしていたの?」

 子供のころの自分です。もちろん白黒(カラーではない)です。
小さい時、富山県の山田温泉に行った時と、小学校入学の時の写真です。向かって左は弟です。

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  ・・
少し、若すぎたかな??
 この頃(5~6才)、家には「きい祖母ちゃん」{曾祖母  加藤すゑ、享年78歳{加藤外松、フランス大使 S17年没の養母) }が座敷で、病気(たぶん、脳卒中?)で臥せっていました。
 時々、私を布団の中に入れ、「久美子や、お金は天下のまわりもの」「お金の奴隷になるなよ、武士は食わねど高楊枝」など、よくわからないまま、聞いていました。しかし、きい祖母ちゃんの心の屈折は、幼い私には通じませんでした。でも、その言葉が、今の自分の価値観に影響を与えているような気がします。
 中学1年の時、義祖母(母の義理の母 加藤幸子 享年49歳)が、突然、亡くなりました。彼女の死は私にとって大きなショックとその後の自分の生き方に多大な影響を与えました。

 そして、いろいろありながら、その私も、生徒たちから「ばあちゃん」と言われる年齢になりました。

 先日、夜眠れないままラジオを聴いていたら、面白いことを言っていました。

「良い子はわが子」と「わが子は良い子」…これってすごい違いですね。
 

「良い子はわが子」…父親心理。

父性原理は「切断する」機能にその特性があり、強いものを作り上げていく建設的な面があり、そして現在、父性社会が発展し、発展社会は、競争を生み、強いものを造りだしていきました。しかし、成長、発展はやがて、頂点を迎え、頂点を過ぎると破壊に向かいます。 勝つために手段を選ばない「資本主義」が、今、行き詰まっているのが現実です。
 

「わが子は良い子」…母親心理。

母性原理は「抱合する」機能によって、すべてのものを良きにつけ、悪しきにつけ包み込んでしまい、そこではすべてのものが絶対的な平等性を持ち、わが子である限りすべて平等でかわいいのであり、子供の個性や能力は関係ないのです。でも、平等、すべてが同じというのは、DNAではありえず、個人差や、頑張ろうとする個性を無視し、競争心は失い、成長、発展はありません。しかし、心の余裕は、礼節、文化、芸術を生み出していきました。

 人間の心には、多くの相対する原理がはたらいています。
その中で、父性と母性の原理の違いの対立は、そのバランスによって、社会が形成され、文化の特性がつくりだされ、そして、現在、21世紀になり、資本主義成熟社会となり、いろいろな弊害が出ています。

老齢化、過疎化、そして個人主義化。

 この環境下では、わりと我慢しない、お金至上主義のなかで育った子供が増えています。 この子たちが成長し、やがて結婚というものに、影響を与え、少子化にも繋がっていくのではないでしょうか。

 昔は、女子高だった、遊学館。女子教育は、やはり大切だと思います。
我々はすべて母親から生まれ、最初に母親から多大な影響を受け、大人になっていくんですもの。
 さあ、今日も授業です。