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2013年3月28日 (木)

【第273回】 「諸行無常」竹田 剛 (理科)

以下は、2月9日(土)に行われた仮終業式で3年生に話した内容です。

  

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という言葉があります。Image

これは、ご存じのように平家物語の冒頭の一節ですが、「世の中には、未来永劫、続くものなど何もない」ということを言っています。

朝起きてご飯を食べ、学校へ行き、友達と会話する、授業を受ける。家族と遊んだり、一緒に笑ったり、時には喧嘩もしたり…

こういう日常は、当たり前のこと過ぎて、あまり意識などしてはいないと思います。

しかし、空気と同じで、その普段の何気ない生活の中にこそ、掛け替えのない幸せがあるのだと思います。そして、その幸せも例外なく、平家物語にあるように、いつかははかなく消え去ってしまうものなのです

ですから、このことを踏まえ、今、当たり前のように思っていることや、周りの人にしてもらっていることに対し、しっかりと意識や感謝の出来る人間になって欲しいと思います。

それが、これからの人生を、心豊かに生きるために大切なことだと考えています。

少しややこしい話となりましたが、これが、私からみなさんへの最後のアドバイスです。

   

確かに17、18の生徒に“無常”という感覚はなかなか実感できないと思います。ですが、年齢がもうひと回りし、人生の喜怒哀楽を多く体験したときにもう一度思い出してもらえたらありがたいと思います。

   

注:祇園精舎(正式名:祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎっこどくおんしょうじゃ))
  インドにあるお寺で天竺五精舎(釈迦在世に存在した五つの寺院)の一つで、
  お寺の名前(サンスクリット語)を日本語に音訳したもの。