« 2012年9月 | メイン | 2012年11月 »

2012年10月25日 (木)

【第252回】 「青い犬のことは考えないでください。」川北 将人 (主事)

 みなさん、唐突ですがタイトルにあるように「青い犬」のことを考えないでみてください。いいですか?「青い犬」のことだけは考えないでくださいね。そのままです、もうしばらく「青い犬」のことを考えないようにしていてください・・・。
 さぁ、みなさん、今何を考えていましたか?「青い犬」のことを考えてしまったのではないでしょうか?
 人は回避したい考えや行動を目標にした時、回避したいことがどんなことであるか自動的にイメージしてしまいます。それは、回避したい対象が何であるか理解しないと回避できないからです。

 ではみなさん、次に「梅干し」を食べたことをイメージしてみてください。梅しその汁にたっぷりと漬かった真っ赤な梅干しです。梅干しを口の中に入れるとやわらかな果肉が口いっぱいに広がる様子をイメージしてください。
 どうでしょうか?唾液があふれてきたのではありませんか?人の脳は過去に体験した梅干しの情報を思い出すことで、梅干しに関わる全体験を今実感しているかのように再現し、それに関わる心身の反応をも引き起こします。

 これで2つの事実を確認できましたね。
1.回避したい行動や価値観を目標にすると、そのことをイメージしてしまう。
2.イメージしたことは実体験したことと同じように心身に影響を及ぼす。

 これら2点から言えることは、
 目標設定は肯定文で行うと適切な行動を取りやすいということですね。
 例えば、「怒らないようにしよう」という目標設定について考えてみましょう。この場合脳が最初にイメージしてしまうのは「怒る」ということです。「誰に、なぜ怒るのか」をイメージした上で、それをしないようにするわけですが、「怒ること」をイメージした時点で実際に怒った時の心や体の状態が再現されるので、怒りからなかなか離れられなくなります。ですから、本当に怒りたくないのでしたら「リラックスしよう」などの肯定文での目標設定が効果的です。

 みなさんも色んな場面で目標設定をする機会があると思います。受験、試合、日々の勉強、良い習慣の習得、対人関係、日々の心持ちなどですね。それぞれの場面で適切な目標設定をすれば目標達成がしやすくなるはずです。
 みなさんが目標達成をされて、充実した日々を過ごされることを願っています。

2012年10月19日 (金)

【第251回】 『ミーハー』しようよ!K. K. (英語)

遊学館の先生は大勢いらっしゃいますが、木村拓哉と共演したことがあるのは私だけでしょう!
[ 疑っている人は『CHANGE』(フジテレビ)の第7話を御覧下さい。]
先月はSMAPの東京ドーム公演に行ったので、その時の話を聞いた人がいるかも……
ある時は、全国ネットのテレビ番組の中で、新湊の白エビバーガーが旨いと言っていたので、翌日道の駅に行き、3時間並んでやっと食べました。
日食があると聞けば日食グラスを買い、○○流星群があると聞けば、深夜に夜空を眺めます。
今年は東京スカイツリーが完成したので、オープン一週間後に、早速、最上階の天望回廊に上ってきました。

こういう人間を世間一般では『ミーハー』と言いますが、言い替えれば、好奇心旺盛で、色々な新しい事・珍しいことに興味を持っているということです。
もちろん、遊びや趣味に限ったことではなく、学校での勉強でも好奇心を刺激することがあります。
121018_2例えば、ピタゴラスの定理、いわゆる三平方の定理ですが、色々な証明の方法を見て、面白いと思いませんでしたか?
幕末、尊王攘夷運動が討幕運動へと展開していく過程に、ワクワクしないですか?
私が英語に興味を持つきっかけは、洋楽と洋画以外にもう1つあって、実は中学2年の時に発音記号を教えてもらったことです。発音記号を見ていると、習っていない単語でも発音が類推できようになります。すると単語が、暗号のような単なる文字の羅列ではなく、意味をもった1つのまとまりとして頭に入ってくるようになったのです。

教師となった今は、職員室での先生同志の会話が気になることがよくあります。
退職された理科のF先生は、植物全般に詳しくて、どんな草木の事を尋ねても、即答でした。
まさにa walking dictionary !!
美術のY先生は年齢的には私よりはるかに下なのに、海外生活の経験が豊富です。
「意外とおいしいと思った料理は?」の答えは ・・・トルコ料理でした。

好奇心はアンチエイジングに効果的だと言われます。    [ え、結局はそこか。]
諸先生方、今度是非とっておきのお話を聞かせてください。

高校生のみなさん! アンチエイジングは無関係だと思っているかもしれませんが、若いからこそ様々なことに関心を持って挑戦できるし、失敗したとしても柔軟に対応できるはずです。
さあ、いろんなことに興味をもって、自分自身の壁を破ろう。『ミーハー』しようよ!

最後になりましたが、先日亡くなられた森川徹先生とは、本校在職中に何度か高校野球や広島のお話をする機会がありました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

2012年10月12日 (金)

【第250回】 「収穫」Ka. M. (英語)

私の実家は農業を営んでおり、春先には田植えを、秋には稲刈りを行います。
私も先日稲刈りの手伝いに行ってきました。
この時期になると、手伝いに家族が集まります。

ここで、田植えと稲刈りについて説明します。

まずは田植えです。
我が家には、田植え機が一台しかありません。まず、一人が田んぼに入って田植え機で苗を植えます。
残りの人は、苗の入っている苗箱を田んぼまで運び、
さらには田植え機に移しかえやすいように畦まで運びます。
空いた苗箱は洗って乾かします。
また、機械で届かない田んぼの四隅は補植といって、人の手で植えます。

次に稲刈りです。
我が家は刈った稲をハザ(写真参照)に一週間ほどかけてから脱穀します。
田植えと同じように機械で稲を刈り、それをトラックに積み、ハザにかける作業を一日かけて行います。

一見簡単そうに思いますが、意外に大変な作業です。
「米」という字は「八十八の手間がかかる」というたとえもあります。
多くの人々の協力があってこそ、毎日おいしいお米をいただけているのだと一年二回の行事で感じます。

学校でも、体育祭や学園祭など行事が多くあります。
その度にクラスが一丸となって、盛り上がっている姿を見るととてもうれしい気持ちになります。
みんなで何か一つの事を成し遂げるというのはいいものですね。

受験シーズンをひかえ、頑張っている皆さん。
皆さんも、たくさんの人たちに支えられ、はじめて合格を手にすることができるのだと思います。決して一人 では ありません。みんなでがんばりましょう!

121011

2012年10月 4日 (木)

【第249回】 『近況報告』尾谷 力 (地歴・公民)

 先日、私が顧問を務める女子駅伝部の生徒たちと群馬県は榛名湖で行われた榛名湖駅伝競走大会に参加してきました。

 学園祭に絡めて日程を調整したため、チームの主力となる3年生はいつもお世話になっている岐阜県のチャオ御嶽スノーリゾートでぎりぎりまで練習させていただき、その分オーダーは1,2年生中心で編成しました。
 実はこの大会、昨年も参加する予定だったのですが、台風の影響で中止となった大会です。走るつもりで5時間かけて大会会場に移動した後に中止の情報が入り、そのままとんぼ返り。結果として、その後選手達は体調を崩してしまうという苦い経験もあります。
 今年も雨天で、コンディションはよくありませんでしたが、幸い台風などの影響はなく、無事ゴールすることができました。

 さて、結果はというと、なんと優勝することができました。昨年の中止の影響もあったのか例年のような出場チームがなかったことも関係すると思います。しかし、群馬県を中心に北関東の多くのチームが参加するレースでまがりなりにも勝つことができました。

 早いものでもう10月に入りました。例年なら8月20日前後をメドに強化合宿を打ち上げるところですが、今年は9月1日まで強化練習を重ねてきました。厳しい残暑の影響も重なり、生徒たちの調子はまだまだ上ってきません。しかし、昨年のような焦りは私にも生徒たちにも全くありません。残された期間、自分達の夢を掴むためには何が必要なのかを冷静に考えて、今までと同じように地道に活動していこうと思っています。

121004

同じレースに参加した川内選手とゴール地点にて

2012年10月 1日 (月)

Vol.18 アシュリーへ、返信が遅れてごめんね。松田 淳 (地歴・公民)

 ※次の文章に登場してくる“アシュリー”とは、3年前にカナダから遊学館高校に
  短期留学をしていた女子学生です。遊学館高校の友人、先生、そして遊学館高校
  を大好きになってくれた留学生です。東日本大震災では、カナダの地元の大学で
  独自に募金活動をしてくれるなど、今でも遊学館高校にメールを送ってくれる心
  優しき女性です。カナダから日本に「遊学」した、まさに『遊学人』なのです。
  次の文章は、最近、アシュリーから送られてきた涙があふれそうな優しく・熱い
  メールに対しての私の返信です。アシュリー! 読んでくれていますか?

アシュリーへ

久しぶりですね。
なつかしいです。
ずっと、ずっと昔のような気がします。
アシュリーにとって、遊学館はいろいろなことを与えて上げられたでしょうか…。
毎年、留学生が来て、そして、お別れを迎えるとき、いつもそう思います。

でも、アシュリーは特別だった。
みんな、アシュリーが大好き。
何よりもアシュリー自身が、みんなの心の中に飛び込んできてくれた。
だから、みんなアシュリーに応えたい、何かをしてあげたいと思った。
アシュリーはみんなに溶け込もうと、人として一番大切な笑顔と、
積極的なコミュニケーションを毎日のように私たちに与えてくれた。
だから、アシュリーが静かだと、ふさぎこんでると、笑顔が無いと
とても心配だった。
私には今、小学校2年生の娘がいます。7歳です。
アシュリーのような女性になってほしいと思います。
何事にも一生懸命、小さなことに頑張る、全力で人生を生きる。

アシュリーの幸せを心から、心から祈ります。
最近、知った言葉があります。
職員室の私の机上のノートPCに、シールにして貼り付けてあります。
『自分に起こることすべては、必然で、必要で、ベストなことだ』
いい言葉だと思いませんか?
つらいことがあっても、苦しいことがあっても、それは必然で起こったこと。
それは自分が乗り越えるべき必要なこと。
そして、自分にとって障害ではなく、課題であり、チャレンジすべきことなのです。
最近、この言葉をつぶやきながら、授業に行きます。
アシュリー。毎日を前向きに! ポジティブに!

話は変わって、この前、授業中、“映画”をテーマに生徒たちと話していました。
“今まででいいなと思った映画は?”と質問されました。
私の好きな映画のひとつに『Life Is Beautiful』(1997、イタリア)があります。
第71回米国アカデミー賞で主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を受賞した作品です。
この映画に登場してくるグイドのような父親になりたいと思っています。
実は、先ほど紹介した最近出会った言葉、
『自分に起こることすべては、必然で、必要で、ベストなことだ』と同様に、
自分自身を励ます言葉がこの映画のタイトル『Life Is Beautiful』なのです。
仕事で疲れたとき、人生に悩んだとき、自分を見失いそうなとき、
これまでこの言葉が支えてくれました。
苦しいときこそ、つらいときこそ、笑顔で『Life Is Beautiful』…とつぶやくと、目
の前の障害が、自分が大きくなるための課題のように思えてきます。
次の新たな自分に出会えそうで、新しい明日が来るようで、ワクワクしてきます。

アシュリーに話しかけていると、目の前にいるようで、止まらなくなります。
アシュリーの勉強と宿題の邪魔になってしまいます。(笑)
もう終わりますね。
アシュリーの毎日が、
アシュリーの人生が、
アシュリーが生きているそのことが、ずっと『Beautiful』でありますように…
祈っています。

今日の金沢は沖縄から九州へと台風が通過しているため、夜遅くから雨のようです。
日本はようやく、暑い夏から、涼しくさわやかな秋へと季節は移っています。
私の家の庭では、秋の虫たちがすばらしいシンフォニーを奏でてくれています。