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2012年7月13日 (金)

【第238回】 「洋食屋Y」

 私はこの会社に勤めて16年の月日が流れた。そのあいだは「洋食屋Y」のカツカレーに支えてもらった。大柄な身体の私にとってこのカツカレーの量は少し物足りない。たまに大盛りにして午後の仕事の活力にする時があった。このカレーはだいたい週2回ペースで食べていた。だから、いつも同じものを食べているとたまには違ったものを食べたくなる。目玉焼き付きカレー、カレースパゲティ、メンチカツカレー、カツ丼(和風のカツ丼ではありません)、そして年に数回頼む1、000円を超えるランチなど何だかんだで、定休日の木曜日以外は「洋食屋Y」に電話をして出前で持ってきてもらう。結婚するまで寮で生活していた時は寮の部屋まで出前をしてもらったこともある。そう考えると私の胃袋を支えてくれる大切なお店である。いや、お店であった。実は2年前にこの店のご主人が体調を崩され閉店することとなったのである。

 カレーがおいしかったことは確かなこと。しかし、もう「洋食屋Y」に出前を頼むことができなくなった今、気付いたことはご主人の人柄である。看板娘ならぬ“看板おやじ”とでも表現すればいいのでしょうか?出前一つを何回も受けてお店と私の職場を行ったり来たりしても嫌な態度1つ見せない笑顔、真冬の雪が降る時期で靴下も履かず素足と草履(ぞうり)で出前をすること、雨の日は決まって紫色のレインコートを着ること、大量のお釣りが準備されているパンパンに膨れ上がった小銭入れ、愛車のスーパーカブ(バイク)で出前の途中で私に気付けば笑顔で手を振ってくれるなどすべてが“おやじの味(特徴)”である。大変失礼な言い方をしてしまうが、どこにでもいそうな昼食を頼む洋食屋の店主である。しかし、その立ち振る舞いに飾らない自然体の人間性と、簡単そうでわかっていても実践できない仕事をするプロとしての姿勢を感じました。自分のペースを崩さず自分らしく生きていくということ、大きな成果を常に期待しすぎず、わずかなことも大切にして地道に積み上げていく習慣は店主そのものです。

 どうしたら利益を上げるかということと、おいしいものをつくりお客さんに喜んでもらうことはお店を繁盛させるための方向性は変わらないと思います。しかし、心の持ちようで行動も変わるのではないかと思います。人に喜んでもらえる、人に感動を与える仕事が私の目指すところです。教師となって初年度で掲げた学校に影響力の人間になることという方向性を見失わず“看板先生”を目指していきます。

 最後に私を成長させてくれた「洋食屋Y」の方々へ

  おいしいカレーをありがとう

  お疲れさまでした

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