« 【第51回】7年振りの再会 | メイン | 【第54回】学園祭での私の楽しみ »

2008年8月27日 (水)

【第52回】善因善果・悪因悪果・自因自果竹田 剛 (理科)

Diary0005900000001
犀川の朝

さすがに朝夕は涼風が吹くようになりました。私は、この時期になると、ある一人の生徒のことを思い出します。

 それは今から七年前、一年生の特進クラスを受け持っていたときのことです。クラスの中には、勉強だけではなく部活動にも一生懸命がんばっている生徒が何人もいました。

 その中でも、奥能登から本校の野球部の一期生として入学してきたTさんという生徒がいました。彼は、勉強・部活動は勿論、ともすれば手を抜きがちな清掃活動においても、誰が見ていようがいまいがいつも率先して取り組んでいました。

 私は、HRの時間にクラスの生徒に対し、彼の例を出して、「良い行いをしていれば必ず良いことが身に振り返ってくるものだ。受験の場合であれば、択一問題で偶然正解になることもありうるし、スポーツの場合であれば、ピンチになったときでも相手からミスをしてくれることもありうる。」といったようなことを話したことがあります。

 実際に、そのようなことが起こったかどうかはわかりませんが、彼は野球を最後までがんばりながら、勉学面でも手を抜くことがなく、見事、早稲田大学法学部に現役合格を果たしました。

 不思議なもので、人生とは利己的な行動を取ったり、楽をしたりすればその分、後で苦労を強いられ、一方、常に周囲を思いやり、地道に努力をすればその分、思いがけず後で報われることがよくあるものです。

 3年生は受験勉強で忙しい日々を送っていると思います。しかし、時間だけは誰に対しても平等であり、空しいくらいに確実に過ぎていきます。毎日の努力を怠らないことは当然のことですが、人として正しい行いを心掛け、運を味方につけることも進路目標を達成するために大切なことだと思います。がんばってください。