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2023年1月19日 (木)

【第766回】「行動が自分を変える」辻元 友視 (英語)

 自分が中学生のころは、勉強は好きではなかったし進路のことはあまり深く考えたことはなかった。高校に入学してからも、大学と言えば東京大学と金沢大学ぐらいしか知らなかった。1年生の最初のテストで壊滅的な数字をたたき出し、これではいけないと一念発起し勉強したテスト(県庁所在地を答える簡単なテスト)が100点だった。「なんだ、自分もやればできるじゃないか」とうれしかったことを今でも覚えている。そのあとの定期テストでは2週間前からかなり勉強した。それこそ食事と睡眠以外の時間はすべて定期テストの勉強にあてた。勉強時間と成績は比例し、中学生の時にはとったことがない点数をとることができた。そこで担任の先生に言われた「○○大学を目指してみないか」という言葉で自分のやる気に火がつき、本気で大学に向けての勉強を始めた。なぜならその大学は自分が考えたこともないような偏差値の大学だったから。
 人間のやる気の源はいろんなことが考えられるが、自分の場合は「自信」だった。自分でもやれるという「自信」。「自分なんてだめだ」という思いだけで挑戦していないことがなんと多いことか。ただ、「自信」を持つためには自分が行動しないといけない。「行動」しないと始まらない。行動していないうちに諦めていることはないか。もしあるのであれば、行動してからでも遅くはない。小さなことでもいい。今から始めよう。
 よし、3キロやせるぞ!

2021年7月15日 (木)

【第689回】 「僕たちは途中だ」辻元 友視 (英語)

 私が顧問を務める女子バレーボール部には、4人の3年生がいる。正直、バレーボール選手としては決して恵まれているとは言えない小さな体ではあるが、優しさと思いやりは抜群の4人である。
 高校バレーでは最も注目度の高い「全日本選手権」(春の高校バレー)の予選がもう来月に控えている。彼女たち3年生の4人は1年生のころからほとんど休むことなく、真摯に練習に取り組んできた。その彼女たちにとっての集大成となる大会である。地道にコツコツと、本当にひたむきに彼女たちはバレーボールに取り組んでいる。
 その中で、思い通りにプレーできないこと、自分の思いをチームメイトにうまく伝えられないこと、努力が報われないことなど、ここでは書ききれないたくさんの悔しい思いをしてきたと思う。それでもその先やチームの未来を信じて頑張っている姿を、彼女たちが1年生の時から見ているだけに、これまで満足のいく結果が出てないことに指導者として申し訳ない気持ちでいっぱいである。そんな彼女たちに、お笑い芸人ピース又吉さんの言葉を贈りたい。

「バッドエンドはない、僕たちは途中だ」

 これまで悔しい思いばかりをしている3年生だけど、今はまだ「途中」であり今頑張っている先に「続き」が必ずあるということを伝えたい。

2020年2月27日 (木)

【第617回】 「憧れの矢となれ」辻元 友視 (英語)

 大学時代に出会った印象的な言葉がある。「憧れの矢となれ」正確ではないかもしれないのだが、確かこのような言葉だったと記憶している。私は大学時代に教職のゼミに入っていたのだが(正確には勝手に行っていた)、そこのゼミの先生に教えていただいた言葉だったと思う。元ネタはドイツの哲学者ニーチェの言葉「君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても装いすぎるということはないのだ。なぜなら、君は友にとって、超人を目ざして飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから。」この言葉の、「憧れの熱意」という響きが気に入っている。大学時代のゼミの先生曰く、人間は何かに憧れた時にものすごいエネルギーを発揮する。生徒の皆さんには何か憧れるものや人があろうか。それが皆さんの友人であってほしい。家族であってほしい。身近にいる人であってほしい。そして願わくば皆さん自身が憧れられる存在であってほしい。皆さんは皆さんの家族や友人にとってどんな存在であろうか。家族や友人の成長を妨げるのではなく、お互いに成長できる関係が理想的だ。そこで皆さんに送りたい言葉「憧れの矢となれ」熱意をもって何かをやってみる。イメージはエネルギーに満ち溢れて跳ぶ一本の矢である。遊学生の皆さん、小さなことでもいい、この高校生活で何かを成し遂げよう。熱意を持って突き進め。

2018年10月11日 (木)

【第549回】 遊学生、前へ!辻元 友視 (英語)

 夏休みの終わりに白山登山に行ってきました。石川県に生まれて30年余り、恥ずかしくもこれまで白山に登ったことはありませんでしたが、同僚の先生に誘われて登りに行ってきました。登山自体あまり好きではなかったのですが、登ってみると意外と気持ち良いもので、話も弾んでスイスイと登ることができました。それも初めの40分間だけでしたが…。私が思っていた以上に道は険しく、普段の自分のトレーニング不足や準備不足を呪いました。他の先生から叱咤激励を頂きながら登り続け、頂上まであとわずかという休憩所にたどり着きました。そのころには足はもうパンパンで、目の前に頂上が見えているにもかかわらず、愚かにももう帰りましょうと言い出す始末でした。他の先生の説得(?)もあり、再び頂上を目指すことになったのですが、疲労の色は濃く、数歩歩いたら20秒休憩の繰り返しでした。
 しかし、ふと後ろを振り返って見て気づいたのは、どれだけゆっくりでも確実に頂上には近づいているということでした。それは当たり前のことなのですが、人間というものはやるかやらないかを感情で判断することが多いように思います。山頂へは無事たどり着くことができましたが、山頂に登ってみて、「今まで登ること(行動すること)すらしなかったことがたくさんあるな。」としみじみ感じました。
 そこで高校生の若い皆さんに伝えたい。勉強でも部活でも恋愛でも何でも、「踏み出さないと始まらない。」そして「前へ進めば必ずたどり着く」ということです。このようなことはわかっているつもりだったのですが、私自身登山をしてみて感じることができました。高い山(目標)であればあるほど踏み出さないこと(行動しないこと)ってたくさんあります。皆さんにはどれだけその山が高かろうが、勇気をもって一歩一歩前へ進んでほしいと思います。がんばれ遊学生!

301011山頂手前の休憩所

2017年5月18日 (木)

【第478回】 掃除部リターンズ辻元 友視 (英語)

以前の私のブログに書きました「遊学館高校掃除部」、知っている方のほうが少ないとは思いますが、ちゃんと活動を続けています。2年前、3年生2人と教職員数人で始めた掃除部ですが、当時の3年生が卒業してからは、部員が0になってしまいました。それでも、彼女たちが作ってくれた良い流れを絶やすまいと思い、時間があるときに教職員数人で学校を掃除していました。
 そんなある日、「先生掃除しとるけど、何か悪いことしたん?」「うちら暇やから手伝うよー」と2人の女子生徒が一緒に掃除をしてくれました。それからその2人は、何かあるたびに一緒に掃除をしてくれるようになりました。そして「掃除って案外いいもんやねー。先生掃除部作ってやー」と奇跡とも言える発言から、新生掃除部が約1年前からスタートしました。顔も知らない2人の先輩の、「掃除は自分から」という思いを、思いがけない形で引き継ぎ、今も掃除部は続いています。恥ずかしながら、教職員数人は忙しさにかまけて掃除部の活動に参加できない日が続いていますが、2人の部員は毎週職員室に来て、「先生掃除するよ!」と声をかけてくれます。普段生徒を指導する立場の私たちですが、このように生徒たちに教えられたり、元気づけられることも多いです。掃除部とは関係ありませんが、去年の生徒会の子たちは、学園祭を自らプロデュースし、大人を巻き込んで学園祭を見事大成功に導いてくれました。そんな大人をも巻き込んで動かす「大きなエネルギー」を、遊学館の生徒たちはみんな持っているのだなと感じます。
 伝統というには浅すぎる掃除部の活動ですが、生徒たちの思いは続けていれば誰かがちゃんと引き継いでくれるものだと信じています。遊学館高校のみなさん、校内で掃除部を見かけたら、ぜひ一緒に掃除しましょう!

290518

2016年1月21日 (木)

【第409回】 クリーンアップ辻元 友視 (英語)

 遊学館高校には様々な部活動があるが、その中に「掃除部」があることを皆さんは知らないだろう。それもそのはず、非公式で勝手に作った部活動であるからだ。昨年、自治清掃を行ったことは遊学生の皆さんなら記憶に新しいことだろう。その自治清掃のあとに、ある2人の女子生徒がこんなことを言い出した。「先生、掃除って楽しいですね。自治清掃が終わってもやろうかな。そうだ。うん、掃除部作りましょう。先生、顧問になってください。」それに対しての私の答えは「え?あ、うん。いいよ」と、その子たちの熱意と勢いに押され快諾(?)した。
 そんなことで始まった掃除部の活動の内容はというと、「掃除」である。掃除をすることに抵抗はない私だが、こんなに熱い気持ちを持って掃除に臨むことは、高校生のときのテスト勉強を始める前のとりあえず部屋の掃除以外にはなかった。朝学校に来てまず、掃除をすることで、すがすがしい気持ちで1日のスタートを切れるようになった。朝のなんだかすぐれない気持ちも、ゴミと一緒に捨てられる気がした。
 生徒の言い出したことにちょっと付き合ってあげるかぐらいの気持ちで始めたこの活動だが、今ではいい意味で自分を巻き込んでくれた2人に感謝している。何より、その実行力に敬意を払いたい。自分がしようと決めたことを実行し、まわりの人を巻き込み、そしてそのまわりの人たちにプラスの影響を与えている。自分はそんな大人になれているのかと考えさせられた。今も掃除部の活動は続いている。「掃除は罰でやるものじゃない」「掃除のイメージをポジティブなものにしたい」そんな気持ちを抱いて、掃除部、がんばってます。

2014年7月25日 (金)

【第337回】 変化万歳辻元 友視 (英語)

 私は、遊学館に来る前は中学校で勤務していました。なので、遊学館に来て中学校での教え子と再会するということがあります。久しぶりに会う教え子は、中学校のころから比べるとやはり大人になったなあと思う部分が多く見られ、嬉しい限りでした。その中でも、ある男子生徒T君について書きます。

 私は、Tくんが中学2年生のときに英語を教えたことがあり、そのあと彼が遊学館に入学してきて再会ということになりました。彼は部活動で秀でたものがあり、中学校でもリーダーシップを発揮してがんばっていました。高校生活も部活動中心になるのかなと思っていました。入学当初は、中学生のときと変わらない彼でしたが、ある時期を境に別人のように勉強し始めました。そんな彼のがんばりに比例して成績もどんどん上がっていき、今も目標に向かってがんばっています。失礼ながら、中学生のときを知っている私から見ると考えられない姿でした。

何が彼を変えたのか。

 彼の話を聞いていると、彼を変えたのは「俺もやればできる」という自信でした。苦手だと思っていたものが、がんばってみると結果につながったことが彼の自信になったのだと思います。私が彼に何か働きかけたわけではないですが、彼のがんばりや成長は自分のことのようにうれしいです。

 普段の学校生活の中には自分を変える「ちいさなきっかけ」がたくさんあると思います。そのきっかけをつかむにはそのきっかけに目を向けること。何事にも無関心では、自分を変えられません。小さなことからがんばってみましょう。変化万歳。いい意味で、今までの自分を裏切ろう。Tくんを含め変わろうとがんばっているみなさん、応援しています。

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