【第296回】 灯火親しむころM. M. (国語)
暑かった夏が終わり、暦の上では灯火親しんで読書にふける季節が来ているのに、現実はそうでもない。どしゃ降りの雨が山を崩したり、道路を川にしています。
人間は水から離れては生きられないのに、ある日、突如としてその水が牙をむき、人間に襲いかかるのです。これは恐ろしいことですが、考えてみれば、人間はそんな現実の中で生きているのですね。
では灯火に親しんで本を読むことにします。
本を読むのは楽しい。至福のとき、と言ってもいいですね。なぜそんなに楽しいか。それを書いた人と、直接向かい合って、お話を聞けるからです。本を書く人は、自分の思いを、一番いい言葉、一番ピッタリした表現を選びぬいて文章にしています。
これを味わい取れる。これが至福でなくて何でしょうか。
さあ灯火に親しみましょう。