« 2021年7月 | メイン | 2021年9月 »

2021年8月26日 (木)

【第695回】 「最善を尽くす」中川 光雄 (保健体育)

 夏の大会が終わり、新チーム始動とともに監督へ就任することになった。
 2年生23名。1年生22名。女子マネージャー6名。指導者5名。合計56名で新チームがスタートした。山本先生の監督勇退で取材に来られた記者の方々から、私に「新チームはこれまで公式戦の経験が無い選手達ばかりで大変そうですね」「夏の石川県大会に参加した学校の中で登録メンバーが一番少ないですね」「選手の能力はかなり落ちるのですか」など、質問があった。新チームへの率直な感想にショックを受けた。
 たしかに新チームから、夏の大会のメンバーは1名しか選ばれなかった。3年生32名居り、力もあり、団結力もあった。その中に下級生が割って入るのは厳しかったのである。でもそれはこちらの事情で、結果、「新チームは公式戦の経験が無い選手達のチーム」「能力が落ちる」と見られてしまったのは、仕方がないのかもしれない。
 しかし、ショックを受けてそのままでは、言われてしまった通りのチームになってしまう。そこで、夏休みには、経験が無ければ経験をさせようと、甲子園出場常連校に練習試合を申し込んだ。すると、相手校も快く承諾してくれ、多くの練習試合を組むことができた。この1か月で絶対に選手たちは成長してくれると信じて夏休みをスタートした。
 それが、コロナ感染拡大により、他校との練習試合は自粛。
 8月2日石川県にも蔓延防止措置が発令された。当初の計画はすべて白紙。選手達は甲子園出場常連校との練習試合を楽しみにしていたので、残念な気持ちが表情にも表れていた。
 8月3日、練習開始前のミーティングで夏休みのテーマを「最善を尽くす」に決めた。最善を尽くすとは、考えられる方法の中で一番だと思われるものを全力で行うという意味である。選手達に、このテーマを伝えると目の色が変わり、やる気に満ち溢れた表情でグラウンドを駆け回るようになった。
 あれから3週間、全国的にコロナ感染の状況はまだまだ改善されていない。しかし、我が硬式野球部の新チームの状況は3週間前と比べると、長所を伸ばしながらお互いを高め合うことが出来るようになった。あきらかに成長しているのがわかる。
 9月中旬から秋季県大会が始まる。この感染状況では大会が開催されるかどうかわからない。しかし、我が硬式野球部は最善を尽くし、さらなる成長を遂げる。

2021年8月19日 (木)

【第694回】 「スタートと目標」永井 秀篤 (地歴・公民)

「マラソン 2時間8分台」
 これが昨年までの目標である。しかし、今は・・・
「石川県高校駅伝優勝・全国高校駅伝出場」が今の目標だ。
 私は今年度から遊学館高校で働くことになった。高校時代からよく知っている遊学館に来ることになったのは不思議な縁を感じている。
 昨年までは私自身がディー・エヌ・エーランニングクラブというところで走っていたが今年からは指導者として長距離走・駅伝に関わることができている。現役のランナーを退いてもなお、強くなる方法を模索していけるということは競技をやってきた私にとってはとても喜ばしいことだ。
 私が取り組んでいたのは長距離の中でもマラソンだ。1つのレースに向けて目標を掲げる。レースが終わればまた次のレースに向けての目標を設定し練習がスタートしていく。その過程をいかに楽しめるかは重要だ。
 冒頭にも掲げたように昨年度までの目標に区切りをつけ、新たな目標に向かって突き進んでいる。遊学館の生徒のみんなも夏休みが終わり、新たに2学期が始まっていると思う。新たなスタートある。コロナ渦ということで様々な制限もあるかもしれないが自分で掲げ、その目標に向かって全力で取り組んでいってほしい。
 私自身も人生の新たなスタートだ。マラソン同様自分が納得のいくよう走り抜いていく。

 ※2学期には駅伝の県予選も行われます。
  11/7の石川県高校駅伝・12/26の全国高校駅伝に向けて練習しています。
  男女共に全国高校駅伝の舞台・京都で走れるよう皆さん応援よろしくお願いします。

2021年8月12日 (木)

【第693回】 「剣道の面白さ」D. D. (数学)

 2021年の7月に東京オリンピックが開催され、テレビ等で様々な競技が放送されています。どの競技も勝敗がわかりやすく、見ているほうも楽しめるようになっています。

 ところで皆さんは剣道の試合を見たことがありますか。おそらく、多くの生徒は見たことがないと思います。実際、テレビで放送される大会は、年に1回の全日本剣道選手権、または、3年に1回の世界選手権大会のみです。しかし、今ではYouTube等で調べればすぐに見ることができます。剣道の試合を見たことがないそこのあなた、今すぐYouTubeで見てください。おそらく見た人の大半は、「1本の基準が分からない」、「当たっているのになぜ1本にならないのか」などといった感想を持つと思います。実は、剣道はただ当てれば1本というわけではありません。1本になるためには、気剣体一致といわれている、気合、体捌き、竹刀の動きの3つが常に一緒になって当てないと1本にはなりません。これは剣道経験者でないと分からないと思います。
 このようなことから、剣道は見る競技としてはすごく面白くないものだと思います。ただ、剣道をしている側としては他の競技にない面白さがあります。それは、誰にでも勝つチャンスがあるということです。ここからは私の偏見でありますが、試合時間が長い、または、1セットの得点数が多い競技ほど、実力差が反映されると考えています。しかし、剣道は4分間という短い時間で、1本、もしくは2本とれば試合に勝てます。また、野球のように攻めと守りがはっきりと分かれているわけではないので、守りながら攻めることや、その逆もすることができます。実際、私が大学生のとき、この競技性のおかげで勝てた試合が多くありました。

 現在、剣道人口は年々減ってきています。原因としては、他の競技と比べて、防具などの準備にお金がかかる、手軽に始められない、匂いが臭いなどの理由が挙げられます。しかし、剣道は生涯取り組むことができる競技であるので、どの年代でも楽しむことができます。この記事をきっかけに、多くの人が少しでも剣道に興味を持っていただければ幸いです。

*剣道部はいつでも部員を募集しています。興味を持った生徒は堂口まで声をかけて下さい。

2021年8月 5日 (木)

【第692回】 「医療と福祉で地域を支える人材へ ~きみに見せたい未来がある~」寺山 いずみ (養護)

 「新型コロナウイルスを克服して開催することに真の価値がある」と菅首相が語った東京五輪の最中、石川県の新型コロナの新規感染者は100人を超え、感染力の強いデルタ株の検査数は4割を占め、感染経路不明者数は過去最多となり、市中感染の広がりが心配な状況です。
 一方で高齢者世代のワクチン接種の効果もみられ、県は金沢市の産業展示館でのワクチン接種の態勢を拡充しました。
 ワクチン接種と言えば、金城学園では職域接種が6月21日から金城大学松任キャンパスで実施されました。私も7月半ばには、2回のワクチン接種を完了しました。
 接種スタッフの確保が課題とされる職域接種ですが、隣接する公立松任石川中央病院から医師を派遣してもらい、金城大学 前島 伸一郎 学長自ら、問診確認をされ、看護学科の先生方、看護師さんなど、素晴らしく、順調な手順で実施されました。流石、医療系の大学だと思いました。「金城大学の学生が病院や施設に実習に行くとき、できるだけ安心な状態で」との、前島学長のお話に、なるほど!と、感心しながら、ここまでの準備をして下さった大学の職員の方々に、感謝します。
 ワクチン接種だけでコロナウイルスは防げませんが、「医療と福祉で地域を支える」を実践して頂きました。遊学館高校の併設校である金城大学・短期大学を身近に感じられ、本校の生徒も、金城大学で学び医療・福祉のスペシャリストになれたら素敵だなと思いました。