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2021年5月27日 (木)

【第682回】 「総体」S. Y. (理科)

 昨年、コロナによる休校で石川県高校総体は開催されなかった。卒業していった先輩達は、その悔しさとどの世代も経験したことのないような想いを胸に巣立っていった。その様子を間近で見ていた後輩たちが最上級生となり、1週間後の大会に向けて日々粛々と練習に励んでいる。
 スポーツは文化的な側面も持っており、文化や芸術はその文明がいかに豊かだったかを測る物差しとしても時折、活用される。一度衰退し、失ったものは簡単には取り戻せないからである。
 そして今、人類はコロナ禍において、オリンピックや各種エンターテイメントが衰退の一途を辿る中、我慢の時とばかり、我々は足掻き、抵抗している。
 命の重さの前には、文化や芸術は意味を成さない、無駄なものだという人もいる。しかし、一見無駄に見えるものこそ、育まれるためには長い年月を要すること、簡単には元に戻せないということを痛切に感じながら、私は日々を過ごしている。
 私たちの社会には楽しいことがたくさん溢れている。そのたくさんのことが失われても命を落とすことはないだろう。でも、そんな世の中では幸せに暮らしていくことはできないだろう。
 今、この時代に生きていることに感謝して、競技をしているその瞬間を精一杯楽しんでくれることを願っている。

2021年5月20日 (木)

【第681回】 「道筋を大切に」S. M. (数学)

 折り鶴を開いて折り目を見たことがありますか?

 以前、団結をイメージして、人数分の連鶴を折ることに挑戦しました。どこが羽でどこが嘴なのか、羽と羽を連結させるにはどのように折ればいいのか、折り鶴を開いて折り目を見ながら考えました。あまり考えたことがなかった折り目は興味深く、何度か折り直しながら作っていく過程も楽しかった。途中千切れそうになりながら作り上げたことは良い思い出です。

 数学の課題点検をしていると、答えだけ書かれていることがあります。分からない問題ならば、答えよりも途中の計算を書いて考えることが大切です。途中の計算が書かれていれば、どこまで分かっているのかを一緒に確認することが出来るのにと、いつも残念に思っています。自分で解けるようになるためには、遠回りも近道もありません。自分の分かるところを増やし、解ける問題を増やすために、途中の計算をしっかり書きましょう。

 今週は、中間テスト期間です。テストや課題が返却されたとき、間違えた問題の途中の計算を見直しましょう。どこで間違えたのか教えてほしいという声を待っています。

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    連鶴を折りました。
    4つの鶴が繋がっています。
  
    大変な時こそ、
     人との繋がりを大切にできますように。



2021年5月13日 (木)

【第680回】 「目指せ 勉強1日10時間‼」S. J. (地歴・公民)

 ゴールデンウィーク中の2日間、1年生の特別進学クラスの生徒を対象に特別勉強会という行事が行われました。内容としては、1日中ただひたすら勉強する‼(笑)というものです。本来ならば、2泊3日の合宿形式で実施する予定だったのですが、コロナ禍の影響で、学校にて日帰りの形となりました。朝8時30分に集合してから夕方6時30分まで、休憩や昼食時間を除いて自習し、わからないところは先生に質問するという形です。学校では合計8時間の勉強時間となり、帰宅してから2時間自宅学習をして10時間を目指そうというものです。
 昨年まで中学3年生で受験生だったとはいえ、さすがに1日10時間の勉強をしたことがある生徒はそういないと思います。1年生の最初に学習習慣を身に付けるとともに、何かを成し遂げたという達成感を味わってもらいたいという目的で実施しました。最初は眠そうな生徒もいましたが、そのうち調子をつかんで、勉強がはかどっている姿が見られました。休憩時間に差し入れたシュークリームなどもみんなおいしそうに食べていました。2日目の午後ともなると少し疲れも見えましたが、無事参加した生徒はやり切ってくれました。
 今まで経験したことのない何かを達成するという成功体験は脳を活性化させるそうです。
中学3年生のみなさんも、ぜひ1日10時間勉強に挑戦してみてください‼やりとげると家族もびっくりするでしょうけど、自分自身が一番びっくりすると思いますよ。途中であきらめそうになったら、環境を変えることです。自分の部屋ではなく、リビングで勉強するとか、図書館へ行くとか。そういえば、以前、TVの番組で東京大学に入学した女子学生に1番実践した勉強法は何か?というアンケートをしたら、「リビングで勉強する」が1位でした。自分の部屋だとマンガやゲーム、スマホなど誘惑が多いからだそうです。
 中学3年生のみなさんも、誘惑に負けず、体に気をつけて、勉強がんばってください‼

2021年5月 6日 (木)

【第679回】 「春の日」清水 汐音 (国語)

 先日、お休みの日に能登まで桜を観に行きました。金沢の桜が葉桜に変わっていく中で、能登ではちょうど満開の時期だったのです。あるお友達に誘われて、「能登さくら駅」とも言われている能登鹿島駅まで行きました。少し風が冷たかったけれど、日光がやわらかく暖かい、そんな春らしいお天気でした。この駅からは海も見えます。満開の桜と海とを一緒に見ることができるなんて想像もしていなかったので、そんな景色をみて、私は一瞬で「来てよかった」と思いました。

 実は、この日、目的がもう一つありました。海に行ってシーグラスを拾うことです。二人とも、宝さがしでもするかのように真剣に集めました。そんな中友達が、ふとこんな内容の言葉を独り言のようにつぶやきました。

「私よりも真剣に探してくれるところが、あなたの素敵なところだよね」

 確かにシーグラスを拾いたいと言ったのは、友達のほうでした。ですが、私も海が好きで、同じように思っていたし、こんな風に伝えられることは驚きでした。この言葉に対して、私がどんな風に返したのかは、全く覚えていません。とにかく嬉しくて、こうまっすぐに伝えられる友達のいいところを再確認できたし、「この子に出会えてよかったな」と改めて実感しました。

 この友達は、遊学館で一緒に高校生活を過ごした友達です。三年間、一緒に日本一を目指した仲間です。遊学館で過ごした三年間の思い出は、卒業後、私に頑張る力をたくさんくれました。だからこそ私は今、こうして先生として遊学館にいることができています。

 高校生活がまだ始まったばかりの1年生、折り返し地点にいる2年生、最後の一年を過ごす3年生。みなさんが、本当に大切に思える友達に出会い、自分の力になってくれる時間を、遊学館で過ごせたらいいな…と思っています。

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