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2015年12月10日 (木)

【第404回】 言志四録の思い出T. H. (数学)

 人は少壮の時に方(あた)りては、惜陰を知らず。知ると雖(いえど)も、太(はなは)だしくは惜しむに至らず。四十を過ぎて已後(いご)、始めて惜陰を知る。既に知るの時、精力漸(ようや)く耗せり。故に人の学を為(おさ)むるには、須(すべか)らく時に及びて志を立て勉励するを要すべし。不(しから)ざれば即ち百悔すとも亦(また)竟(つい)に益無からむ。
 佐藤一斎の「言志四緑」にある文である。この文と出会ったのは私が高校3年生の時だ。学校の図書館で、漢文の参考書を眺めている中で出会った。当時、結構時間を無駄にしていたので耳の痛い言葉でもあり、何故か心に残った。教師になってから受験生を担当したときなど、何度もこの言葉を用いている。長い教師生活の中で、ずっと付き合うことになった言葉である。
 受験勉強の中で、様々な出会いや発見がある。私は理系であったため、漢文の勉強などはあまりする方ではなかった。ただ、そのときは、目前の課題として仕方なく取り組んでいた。当時面白いと感じて取り組んでいたものでも、現在は殆ど覚えていないものも多い。何が数十年後の自分の心に残るか誰もわからない。
 受験生諸君、受験勉強は苦しい。しかし、その中で自分の一生の宝物になるようなものに出会えるかもしれない。今はそれを信じて好き嫌いを言わずに取り組むしかない。センター試験も近い。合格を目指して頑張れ。