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2015年5月28日 (木)

【第380回】 今年こそ夢の舞台全日本へ大嶋 直樹 (芸術)

遊学館の吹奏楽を指導して四年が過ぎ、年々バンドは技術面でも精神面でも伸び、二年連続で北陸大会では金賞受賞。しかし全日本への代表二枠にはまだ手が届いていない。
これまでと同じ思考力、判断力そして練習内容ではこの壁を打ち破る事は絶対ない。何をどう変化させ、進化していくのかを部員と共に考えていた時に、先日金城学園110周年を記念して行われた本校野球部と奈良智辯学園との親善招待試合を応援できる機会をいただいた。90名の本校吹奏楽部を遊学館側と智辯学園側の二つのチームに分けて応援した。いつもの公式戦などの応援席は選手が控えるベンチからは少し離れており、選手の表情をはっきり見ることはできないが、今回の試合では本当に近い距離で応援することができた。私は智辯学園側の応援を担当し、応援席からは選手の立ち振る舞いや息づかいを間近で感じることができた。とても印象的だったのは監督からの一つ一つ言葉を全身で吸収して理解しようとしている姿勢。そして選手同士でムードを創り上げ、気持ちを奮い立たせる気迫ある姿は同じ高校生とは思えないほど存在感があり輝いていた。これが一流の高校生の姿だと憧れを感じた部員も多かったと思う。

楽器を持って音楽に向き合っている時間だけではなく、一高校生として一流の学校生活を送ろうとする姿勢が、夢の舞台名古屋国際会議場のステージに立つ資格を得るということではないか。

2015年5月21日 (木)

【第379回】 考えることO. M. (国語)

 その昔、フランスの思想家で哲学者のパスカルは自分の著作『パンセ』の中で、「人間は考える葦(あし)である。」と言いました。葦とは川辺に生えている雑草のことで、強い風が吹くとすぐに根こそぎ倒れてしまいます。パスカルはこの言葉で、「人間なんて所詮、川辺に生えている弱い雑草のようなものだ。」「でも、人間は考えることが出来る。川辺の雑草と違うところはそこだ。」と言いたかったのでしょうか。それならば、考えない人間は川辺の雑草と同じだということですよね・・・。
 私たち庶民(一般ピーポー)は、往々にして「考える」という作業を放棄してしまうことがよくあります。「面倒くさい」・「考えても答えが出ない」・「わからんし!!」こんな理由をつけて、考えないという行為を正当化して、真剣に考えて、悩んでいる人に向かって、「あんまり考えすぎると体に毒だよ・・」などと言い、あたかも考えないことを健康的で、楽天的に生きることが素晴らしいみたいに語ろうとする風潮はないでしょうか。そして、そんな気の利いた逃げ言葉に私たちは踊らされてはいないでしょうか。
 遊学館高校の生徒は、とても素直で純粋で、勉強したいという気持ちを持った高校生が大勢います。しかしその反面、(これはもちろん全ての高校生に通じることですが)「考える」ことをあきらめて、「わかったふり」・「知っているふり」・「考えるふり」をして、それを誰にも悟られないように隠しながら、授業時間が過ぎていくのをじっと待っている人たちも中にはいます。おそらくそんな人たちは、授業時間が退屈で、ひまで、だから眠たくてしょうがないのではないでしょうか。
 先日1年生の古典の授業で、あえてグループになって、漢文の訓読の練習を初めてやってもらいました。わからないところは仲の良い友達と相談できるし、みんなで考えて悩んで答えをひねり出すことができます。おかげでこちらが答えを言う前に、自分達で解答を見つけ出すことのできた、とてもいい授業になったと思いました。270521_7
 高校生活の3年間なんて、あっという間です。社会に出れば、想像もできないくらいの大変なことが山のように押し寄せてきます。そんな時、お金も無い、社会的な力も無い若い人に出来ることは、有り余る体力と、有り余る時間を精一杯使って「考え・悩む」ことだと思います。「グズグズ考える」「クヨクヨ悩む」そうして自分なりの答えを見つけ出していく・・・。
 そんな時間の重なりが、複雑怪奇、ぐっちゃぐちゃに入り組んだこれからの世の中を渡っていくための最終兵器になるんじゃないかな~と、今日もクドクドと考えています。

2015年5月14日 (木)

【第378回】 最近思うことU. K. (理科)

遊学館高校は金沢市の本多町にあり、近くには文化的な施設が多くみられる。本校に勤務して3年目になり、最近は金沢の歴史や文化的なものが気になりだしたのは、本校の立地も関係あるようである。

 本校から歩いて数分で、本多の森の中に静かにたたずむ鈴木大拙記念館に着く。そこから小道を歩けば、中村記念美術館本館、旧中村邸、茶室の建つ地域にでる。ここでは茶道具と美術品を見ることができる。そこから、辰巳用水が流れ落ちる滝の脇石段を登って小立野台に上ると、県立美術館や新しくオープンした県立歴史博物館の前に出る。そこから兼六園を抜ければ石川門、金沢城公園に入ることができる。菱櫓や五十間長屋に加えて、今年から玉泉院丸庭園が再現されている。旧県庁跡のしいのき緑地を通り21世紀美術館を抜けると数分で本校に戻ることができる。

 こうしてみると、本校がいかに歴史的かつ文化的な環境の中にあるかが解って面白いではないか。紹介したルートは1時間弱で巡ることができる。一度、生徒の皆さんも自分の足で歩いてもらいたい。

2015年5月 7日 (木)

【第377回】 20年目に植木 大 (保健体育)

 金沢に来て、20年目を迎えた!
これは、監督としても20年目を迎えたことになる。
果たして、20年間で何が出来ただろう・・・県大会、北信越大会では連勝記録を更新し続けてはいるが、目標である「日本一」が達成できていない。「日本一」が全てではないが、一度は成し遂げないといけない目標である。今年は有望な新入生を迎え、たくさんの方々から期待されている。期待に応え、是非とも「日本一」になって勝利の美酒に酔いたいものだ。

 目標は「日本一」だが、目的は「良夫賢父」である。これは、遊学館高校が金城高校(女子校)のころの建学の精神であった「良妻賢母」を男子チームなので、字を変えたものだ。良き夫、賢き父を育てることを目的にしながら、「日本一」を成し遂げたい。そして、多くの「良夫賢父」となった卒業生と飲みたいと思う。

 私事だが、卓球雑誌「NITTAKU NEWS」で今月から連載が始まります。20年間の指導経験から、何かお役に立てればと思いお引き受けしました。内容は技術論ではなく、普段の指導から感じたことや悩んだことなど、親父の小言のように書いてみたいと思います。