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2013年8月29日 (木)

【第294回】 8月7日(水)晴れ向江 大輔 (地歴・公民)

 今日は、宮城県気仙沼向洋高校との試合。この試合は石川県高等学校野球連盟が大会ごとに募金活動を行い、被災地の高校を石川に招待し、石川県の高校との試合や交流を深めるという活動だ。

 気仙沼向洋の選手が遊学館のグラウンドに入ってきた。礼儀正しく明るく元気な印象だ。

 両チームがアップ、シートノックをし試合が始まる。初回に遊学館が3点を先制。その後も追加点をとるが、3回裏、気仙沼向洋も1死から左中間を破る3ベースヒットからセンターへの犠牲フライで1点を返し反撃する。しかし、その後も遊学館が追加点を加え、14-1で遊学館の勝利であった。

 試合をしながら、劣勢でも常に明るく元気よくプレーする姿、最後までボールにくらいついていく姿が非常に印象的だった。

 試合が終わり、両チームで楽しく記念撮影を行い交流を深めた。その後、気仙沼向洋の川村監督から遊学館の選手に話をしていただいた。

 川村監督は、ゆっくりとしずかな口調で、地震のこと、津波のこと、一度地震がおさまり様子を見に動き出した人たちが被害にあわれたこと、4階建ての校舎の屋上に避難したが屋上から手を伸ばせば海面がさわれそうだったこと、死を覚悟したこと、避難した場所がちょうど「押し波(震源から遠ざかる波)」と「引き波(震源に向かって動く波)」の関係で水位が上がらず助かったことなどオープンに話してくださった。

 そして、そのひと言ひと言にとても“重み”を感じた。

 遊学館の生徒たちも、その重みのある言葉や試合を通じて自分たちの環境がいかに恵まれているか、当たり前が当たり前でないこと、感謝の気持ちの大切さなど改めて感じることができ、貴重な経験をさせていただいた。

 東日本大震災から2年5ヵ月。自分たちもだんだん意識が薄くなってきていないだろうか。もう一度、自分自身に問いかけてみたい。

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