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2013年1月24日 (木)

【第264回】 球運を拾う

 私たち野球部は「感謝・挑戦」のスローガンのもと日々の部活動、学校生活、私生活に厳しく取り組んでいます。その成果が12年間で6回の甲子園大会出場、そして大学野球、社会人野球、プロ野球でのOBの活躍に繋がっていると思います。

 今年の3年生に関しても秋季県大会3回戦敗退、春季県大会準決勝敗退というなかなか結果が伴わない苦しい状況が続きましたが3年生を中心にチームが心をひとつにし夏の選手権大会では接戦を苦にせず2年ぶり5回目の甲子園大会出場を果たしました。

 その3年生も今年の春からは東京六大学リーグに2名が進学しその他にも関東、関西、地元北陸の強豪大学に進学する生徒もいます。

 このように野球の世界で活躍する生徒もいますが卒業後就職先で頑張っている生徒もいます。

 今回テーマになっている“球運を拾う”というのは野球の運を拾うということです。

 本校の野球部ではゴミを拾うことを球運を拾う、勝ちを拾うと指導しています。

 この“球運を拾う”という言葉は野球部の初代野球部長森川先生が残された言葉で今でも大会のさいには先生が書かれた“球運”という色紙を控え室に持ち込むくらい野球部にとっては大切な言葉です。

 去年の野球部の保護者会である生徒の保護者がこのゴミを拾うという行動についてある話をしてきました。その話を紹介します。

 「寮生の息子が実家に帰省したさいに久しぶりに一緒にデパートに買い物に行きました。そのときデパートの通路にレシートのゴミが落ちていました。息子は何気なくその落ちているゴミを拾いゴミ箱に捨てたんです。その姿を見て私は息子がこんなことまでできるようになったんだと親ながら感心しました。遠く石川に進学させてよかったです。」と話をされました。

 この話を聞いたときに私たち指導者の目の届かない所でも実践している姿に私も本当にうれしく思いました。

 ゴミを捨てるという誰かが犯してしまったミスをカバーするゴミを拾うという行為は言い換えればチームプレーです。
野球もどんな一流選手でもミスが起きてしまうスポーツです。ましてや技術的にも未熟な高校生です。そのミスをカバーする習慣が普段からできた成果が夏に繋がったんだと思います。

 これからも野球だけでなくすべての面で石川県をリードできる野球部をめざして精進していきたいと思います。