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2012年9月20日 (木)

【第247回】 音磨き大嶋 直樹 (芸術)

遊学館高等学校吹奏楽部の指導を始めて、約350日が経とうとしている。
毎朝同じメニューで、部員と共に地道で地味な練習を繰り返している。

性別も性格も感性も家庭環境もそれぞれ全く違う人間が同じ呼吸をして、53人で同質の一音をめざす。
普通に考えれば合うはずがない。

最初は合わないことを、周りの奏者のせいにして、技術のせいにして、楽器のせいにして。

しかし、毎日やればだんだん気が付いてくる。
全員で調和させられるかは、自分次第であると。
自分自身に目を向け、耳を傾ければ隣との合わせ方がわかってくると。
自分自身の音に責任を持たない限り、周りと合わすことができないと。

なかなか難しいけど、最近良い音がする瞬間が少しずつ増えてきた。
本当に調和した時は、重厚で、豊かで、そしてやさしい音がする。

今月末の定期演奏会で15名の三年生は卒部する。
私が遊学館で見送る初めての仲間である。
このメンバーで音を磨ける日もあと数日と思うと、一音一音がとても重く感じる。

輝きに満ちた音でフィニッシュできるよう、最後まで諦めずに磨きあげたい。

どうか皆様、ご来場いただき彼らの音を聞いてください。
第81回遊学館高等学校定期演奏会は9月28日(金)18:30からです。
金沢市文化ホールでお待ちしています。