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2012年8月 3日 (金)

Vol.17 同窓生のみなさんへ-金城の旗のもとに継承を誓う夏2012-松田 淳 (地歴・公民)

 7月28日、石川県立球場にはわが校の勝利を讃える校歌が流れました。野球部が「夏の全国高校野球石川県大会」で優勝、見事2年ぶり5回目の甲子 園出場を果たしたのです。 スタンドの全校生徒、先生方、野球部保護者のみなさん、駆けつけた卒業生による大合唱です。実は私も31年前は高校球児でした。厳しい練習の最後にはグラ ンドに向かって仲間たちと泥だらけのユニフォームで校歌を歌いました。高校生ながら校歌に心酔し母校愛を高めたものです。疲れ果てて自転車に乗る帰り道、 日々自分を励ますかのように口ずさんだ歌はいつも「栄冠は君に輝く」。星空の向こうに甲子園を夢見て歌ったわが青春の名曲です。この曲が流れると涙が止ま らなくなります。中村裕行教頭と一緒に金城高校に勤め始めた27年前、甲子園で校歌が聞ける機会が来るとは想像もしていませんでした。

 伝統のリードバンド部から吹奏楽部への転身。ここにも大きな飛躍が見られます。

 今年、その指導に定評のある大嶋直樹先生のもとで県下吹奏楽部の6強入りを果たし、8月5日金沢歌劇座にて大編成として初の北陸大会に出場しま す。「吹奏楽の甲子園」とよばれる普門館への挑戦の歴史の幕開けです。また、9月28日には第81回定期演奏会を金沢市文化ホールにて開催する予定です。 ぜひ、お誘い合わせのうえご来場ください。

 私が担当しているバトン部は昨年、伝統校PL学園高校さんに完膚なきまで差をつけられ、覇者の地位から陥落、全国2位に甘んじることになりまし た。圧倒的力量をまざまざと見せつけられ、再びこの一年で王座奪還できるのか、コーチ・部員とも試練の365日です。私は、部員たちがくじけそうになった とき、チーム全体の士気が落ち込んでいるときは、遊学館(金城)の校章が持つ意味を繰り返し説諭し励まします。「最近の高校生は…」と、とかく若者世代は いつの時代も批判の的になりますが、私たち大人が真摯に向き合えば、彼ら彼女らの純粋で一生懸命な気持ちが鮮明に見えてきます。高みをめざして、歯をくい しばり頑張る姿は、まさに校章の中の白梅そのもの。多くの先人と同窓生が築いた精神は今も脈々と継承されています。

 同窓生のみなさん。ぜひ孫たちを、息子・娘たちを、そして後輩たちを温かく見守ってください。そして、ご声援お願いします。夏休み中、甲子園出場 への寄附のお願いの封筒詰め作業に部活の生徒を総動員して行いました。総数14,868通。完成した郵便物を収納した大量の箱を見て、歴史と伝統の重みを ひしひしと感じました。そして、多くの同窓生の方々がこの学び舎を巣立って行かれたのだと感慨深いものがありました。

 同窓生のみなさん。どうぞ母校にお気軽にお立ち寄りください。今は木造校舎も、円筒校舎もなくなりましたが、親子線をあしらったあのセー ラー服は健在です。みなさんの青春時代は今もそこに息づいています。金城の柔和な風は今も廊下に吹いています。遊学の活気ある風はいつも教室に吹いていま す。胸像の「せむ先生」はいつも微笑んでいます。

私たちはこれからも生徒と共に、金城の、そして遊学の精神を継承していきます。

8月3日(金)蝉の声が聞こえてくる夕暮れの職員室より