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2010年9月15日 (水)

【第150回】五年ぶり四度目、夏の甲子園に出場山本 雅弘 (保健体育)

「五年ぶり四度目、夏の甲子園に出場」私にとって高校野球の指導が10年目になります。
節目ということで周りの期待も大きく、私自身にもプレッシャーをかけての甲子園出場だったので、大きな喜びを感じました。

今年の甲子園出場は3年生の力によって勝ち得たものだと思っています。
3年生部員は24名、レギュラーが9名、その中の3名が先発メンバー、残りの14名がサポートに回りました。普通に考えるなら、背番号の18名すべて3年生であってもいいはずなのに…。

これまでのチームなら、レギュラーとサポートの間に深い溝が出来ていたのですが、今年のサポートの14名は違いました。彼らは「3サポ」と命名してレギュラーのために献身的にサポートしてくれました。
猛暑で乾ききったグランドに練習開始の1時間前に出向き、黙々と水撒きを…。
打撃マシンなどの練習道具を率先して準備を…。
打撃練習で転がっているボールを大きな声でリードして明るいムードで…。
練習でのミスに対しての厳しい注意や良いプレーに対しての盛り上げを…。
レギュラーの個人練習に夜遅くまで…。
グランドの雑草を率先して整備を…。
また、打撃投手を自ら買って出るなど、献身的に動いてくれました。

「3サポ」はレギュラーが気持ち良く練習できる環境を整えるために頑張りました。レギュラーは「3サポ」のためにも頑張る気持ちを強く持ちました。この「3サポ」の働きは全国放送の朝の番組でも放送されました。

また、今年の主将は1年次から朝登校して、教室の清掃を毎日欠かさず行っていました。
その行動に賛同してか多くの野球部員が朝登校して、教室やトイレの清掃をするのが日課になっていました。「ゴミを拾うことは運を拾うことである」と、信じて…。自分のことだけを考える今の世の中で、他人のために行動を惜しみなく起こしてくれた3年生のおかげで、甲子園出場を勝ち得たと思いたい。

遊学館高校野球部のスローガンは「感謝・挑戦」です。
今年の3年生が身をもって示してくれた新たな伝統を、後輩が引き継いでくれることを願いたい。