« 【第111回】日本の英語教育について | メイン | 【第114回】自主性 »

2009年12月16日 (水)

【第113回】グライダーと飛行機中川 光雄 (保健体育)

先日、一年の世相を表す今年の漢字に「新」が選ばれた。
民主党の政権発足、型インフルエンザの流行、イチロー選手の
大リーグ9年連続200安打の記録などへの人々の関心と期待を反映した。

私自身も今年は外山滋比古氏の「思考の整理学」という本を読んで
しい考え方が身に付いた。

なぜこの本を読んだのかというと、表紙に「東大・京大で一番読まれた本」と書かれていた。
最近どの本にも興味をもたせるためカバーに付いている文章に、私はいとも簡単に興味をもち、東大生、京大生が理解できて、私にはできないのかという勝手な負けず嫌いな性格も重なり、一気にこの本を読破した。

グライダーと飛行機は遠くから見ると似ている。空を飛ぶのも同じである。ただグライダーは自力で飛ぶことができない。受動的に知識を得るのがグライダー能力である。
飛行機はエンジンがついているので自力で飛ぶことができる。自分で物事を発明、発見するのが飛行機能力である。

人間にはグライダー能力と飛行機能力がある。両方の能力を人間は持ち合わせている。という内容がある。

私は野球部の顧問をしていて、部員達に私生活では…学校生活では…部活動では…と教えている。素直な子達ばかりなので、グライダー能力はどんどん身につけている。しかし飛行機能力はどうか。テスト前や部活動中で自由な時間を与え、好きにしていいよと助言するとかたまってしまう。自力で行動することをためらう。受動的に知識を得る能力が高ければ高いほど自力で行動するのに時間がかかる。

これからの世の中、自分で物事を発明、発見する飛行機能力がより重要である。教えてばかりでは駄目だと気付いた。注意を与えて導いてあげることだけでなく、自分自身で判断し、あらゆる壁を乗り越えていけるようにアドバイスをしていくことがより大事だと気付いた。

部員達にはグライダーにエンジンを搭載した飛行機人間になってほしい。