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2009年6月10日 (水)

【第89回】急ぐべからず。及ばざるは過ぎたるより勝れり。竹田 剛 (理科)

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研修旅行で行きました。どこのお城でしょうか?

 世は今、ゲームソフトの影響もあって、戦国武将ブームだそうです。かく言う私の小4の息子も、こと戦国時代の武将や出来事に関しては、もうすでに親の知識量を超え、マニアかと思うくらい非常に詳しくなっています。

 NHKの大河ドラマでいえば、「天地人」の直江兼続、上杉謙信、「風林火山」の武田信玄、山本勘助、「独眼竜政宗」の伊達政宗、片倉小十郎、「真田太平記」の真田昌幸・幸村親子、その他、毛利元就、北条氏康、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、前田利家、石田三成、徳川家康など、枚挙にいとまがありません。そして、多くの戦国武将たちがその生き様を通して、我々に“人生とは”、“歴史とは”といった教訓を与えてくれています。

 私は、これら多くの武将たちが残した言葉の中でも、徳川家康の遺訓とされる、「人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし、心に望み起らば困窮したるときを思い出すべし。堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え、勝つことばかり知りて、負けることを知らざれば、害その身に至る。己を責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるより勝れり。」という言葉が好きです。現代を生きていく上で非常に示唆に富んだ言葉だと考えているからです。

 人とは、幾つになっても完成されるということがない生き物のようです。故に、完成された人間を目指し、日々努力していくのが人間の務めだと思います。

 生徒諸君は、今、「勉強」、「勉強」と大変かもわかりませんが、この世に生を受けた以上、誰もが幾つになっても勉強していかなければならないものなのです。その中で、困難に打ち勝ったときに達成感を味わったり、自分なりの楽しみや安らぎを見つけていくことが人生だと思います。