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2009年6月 3日 (水)

【第88回】親になって思うことS. Y. (理科)

 先月、待望の第1子が誕生した。
 その日は里帰り出産に立ち会うため、前日の夜に石川県を出発し、7時間以上かけて車で向かった。朝7時に着き、産声をあげたのが8時40分。「おめでとうございます、元気な男の子です」と助産師の方が声をかけてくる。

 そんな風に想像していたのだが、
現実にはなかなか産声をあげず、分娩室の前でただただ不安だけが募る。数十分して分娩室から出てきた我が子を一目見せられると、すぐに保育器の中へ入ってしまった。病院の先生からは「少し呼吸しづらいようなので保育器に入れて様子を見ます」と言われ、妻に会うため分娩室の中に入ると泣きながら「保育器の中に入ってしまった、ごめん」

 大きな不安に押しつぶされそうになりながら、
一番不安な思いをしている妻には平静を装って「ちょっと呼吸しにくいだけだろ、大丈夫」と強がったものの、どうなるのだろうというのが本音だった。

 このとき遊学館の生徒の顔が浮かんだ。彼らは16年、17年、18年と周囲の人たちに見守られ、自分たちで危険を回避しながらその命を今日まで繋げてきた。そして、勉強や部活動に自分の人生の時間を費やしている。

 中には秀でた才能で素晴らしい成績を残す生徒も遊学館にはたくさんいることだろう。
また、結果を残せずに悔しい思いをする生徒もたくさんいることだろう。しかし、普段多くの時間を共にしているそんな身近な生徒たちが、急に私には羨ましく思えた。自分の息子もうち(遊学館)の生徒のようになってほしいと純粋にそう思ったのである。

 親の願いや期待は子供たちが成長すればするほど、大きく重く本人たちにのしかかる。
しかし、何かあったら最後には「生きててくれてよかった」と親は思う。

  遊学館の生徒たちへ
    せっかく生きているなら人生を一生懸命歩んでほしい。
    せっかく遊学館で高校生活を送っているなら、
    勉強にも部活動にも全力を出してほしい。
    もうすぐ総体・総文が始まる…
    せっかく出場するのなら、勝ってこい!遊学館!

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