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2009年1月14日 (水)

【第71回】2-5組からの小さな取り組みY. H. (英語)

 昨年の9月から2年5組は留学生を迎え、新たなスタートを始めました。彼はカナダ出身のJ君です。初めて彼を紹介されたときの印象は、真面目で、シャイで、大人しそうな感じでした。私はそのとき心の中で『2-5組の元気で個性揃いの生徒の中でうまくやっていけるかしら…』と少し不安になりました。

 2学期が始まり、最初はJ君も生徒もどのように接してよいのか分からなく、ぎこちない状況が続きました。またジェスチャーを用い、一生懸命に会話を試みる生徒もでてきましたが、少し突っ込んだ話になるとお互い言葉の壁で会話が弾まなかったり、また意思がうまく伝わらず勘違いしたりされたりで、お互い少し辛い日々を送ったと思います。でも、この期間は留学生とその彼を迎え入れる側にとって誰もが経験する必要な時期だと思い見守ることにしました。

 ある日、J君に自分の国と家族についての紹介を日本語でしてもらいました。一生懸命準備したようで、日本語も上達し、生徒たちも興味を持って聞いていました。今まで、私たちが知らなかった彼を知ることができ、少し距離が近づいたように思えました。

 今では、J君がいないと2-5組の掃除は始まりません。彼はいつも率先してモップで床を拭き始めます。掃除を嫌っていた生徒も、いつのまにか一緒になって清掃に取り組んでいます。彼らが掃除をしながら自然にコミュニケーションを図っている姿をみるととても嬉しく、心温まります。私の最初の不安はどこかに飛んでいったようです。

 異国の人々が、仲良く一つの事に取り組めることは素敵なことだと思います。お互い異なるものを受け入れ、認め合うことが肝要であると思います。

 今、世界ではパレスチナ人とユダヤ人の争いがいまだに続いています。とても悲しいことです。すぐに解決するような問題ではないですが、平和が来ることを願わずにはいられません。『世界の人々がみんな仲良くし、争いがなくなればいいな~』と単純に思っています。

 これかも2-5組では、いろいろなハプニングが起こりそうですが、私たちが出来る小さな取り組みとして、留学生のJ君とお互いを認め合い、仲良く平和に過ごしていきたいと思います。