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2009年1月28日 (水)

【第73回】再会と原点Y. M. (地歴・公民)

 先日、金沢市においてカテゴリーを問わず全国でサッカーを指導されている方が約1000人近く集まりフットボールカンファレンスが行なわれました。この会においての講義は非常にすばらしい内容ばかりでありましたが、私自身が一番心に残ることといえば、その講義とは別のことでした。

 それは、神奈川県でサッカーを始めた中学時代、指導していただいたコーチに20年ぶりに会うことができたことです。

 カンファレンスが始まってから参加者リストに目を通すと身に覚えのある名前が載っていました。携帯電話が普及しているとはいえ連絡先がわからず1000人近くの中から探し出すのは至難の業です。講義間の休憩で見つけ出すことはできず、残されたチャンスは講義後の懇親会です。全国から指導者の方が集まっているので日ごろから親交のある方にご挨拶させていただきながら探すことにしました。

 そして、見つけました!!20年ぶりのコーチです。
昔とは比較にならないほど老けたな-っていう印象です。

 コーチは私が声をかけたときにすぐに気付いてくれました。こういう時って言葉にならないですね。「いやー、久しぶりだねー!!」お互いにその次の言葉がでてきません。普段は中学時代のことなんて思い出せもしないのにコーチの姿を見ていると次々といろいろな思い出がでてきて不思議な感じです。

 この世に生を受けてから35年の月日が流れていく中で一番と言っていいぐらいの衝撃的な再会でした。僅かな時間でしたが近況を報告し、近いうちに連絡をとって再々会を約束して別れました。

 そんな中で考えたことがあります。私が顧問をさせていただいているサッカー部の部員によくこんなことを私は言います。「良いことも良くないことも人の行動すべてが積み重ね。良い方向にも積み重なっていくし、良くないほうにも積み重なっていく。」この積み重ねがいずれ習慣とよばれることになります。この習慣をつくりだすのは人です。そして習慣が人(人格)をつくっていきます。そうやって人は成長していくのではないでしょうか?習慣をつくるのは自分自身と、周囲の人の影響です。

 サッカーを始めてから脳の中に染み付いている言葉が、「物事は必ず答えがあるから、それを探し出すこと。結果が出ないのは、結果までの過程にいるから。諦めずに目指しているうちは必ずその目標に近づく。」です。20年ぶりに再会したコーチの言葉です。

 私の原点がそこにあり、原点には新しいことを身につけた喜びだとか、楽しさがあります。この言葉を今でも忘れることなく思い続けていることができるのはサッカーを始めた時の感動を忘れないからでしょう。思い続けた目標は、選手としては到底そんなレベルも行かずに現役が終わってしまい、指導者としても12年が過ぎました。それでも目標は変わっていません。その変わらない目標こそがサッカーを始めた原点にあります。その目標がなければ、続けることができなかったでしょう。

 今回の再会は目標を見失うことなく生きてこられたこと、これまでサッカーに関わることができたことは原点にコーチの言葉があったからに他ならないことを再認識できました。人の行動すべてがうまくいくなんてありません。だから時には立ち止まることもあります。そこで壁を乗り越える人もいるでしょう。でもみんながその場面は大変な思いをします。うまくいかないことがあったとしても、自分自身がやってみようと思った原点に心が戻ることができれば、進むべき方向が見えてくる気がしませんか?

 そんな戻る場所が必ずあるということをたくさんの人たちに伝えていきたいです。(今の私の立場としては遊学生に)失敗をしてもその失敗したところに戻れば正しい道に進むことができます。今、何かを諦めようとしていませんか?うまくいかず苦しんでいませんか?戻るところがあれば問題なし!!人は人にたくさんの影響を与えてもらっていること、そして与えていること。そこから自分がつくられていることを…。振り返ってみるといろいろな人に出会い、そして影響を受けています。皆さんも原点に戻れば何か見えてくるのではないでしょうか?まだ、2009年も始まったばかりです。戻るところを見失わずお互い前に進んでいき、よい1年にしていきましょう!!

2009年1月21日 (水)

【第72回】「利き脳」から学んだこと山本 雅弘 (保健体育)

脳学者の坂野登氏の説によると、人間は「利き脳」によって、情報の入力と出力の方法が大きく二つのタイプに分けられるそうです。右脳は空間やイメージをつかさどる部分で直感型タイプ。左脳は言葉や理論をつかさどる部分で理論型タイプ。

どちらのタイプかを知る方法として、「情報の入力」は両手の指を組んだ時に左の親指が上になるのが右脳で、右の親指が上になるのが左脳です。「情報の出力」は両腕を組んだ時に左の腕が上になるのが右脳で、右の腕が上になるのが左脳です。

私の「利き脳」は情報の入力が左脳で出力が右脳です。理論的に情報を入力して直感的に出力する人間になります。自分を振り返り冷静に考えてみると、まさしくその通りだとうなずけます。私は教師として子供達に教えるとき、直感的に指導していることになります。直感的に入力する生徒には伝わりやすいが、理論的に入力する生徒には伝わりにくいことになります。これは指導者として不平等な指導をしていることになります。

右脳で出力する有名人として挙げられるのは元巨人軍の長嶋茂雄監督で、左脳で出力する有名人が楽天の野村克也監督と言われています。長嶋監督がカーブを打つ時の打撃指導の言葉として「スーと呼び込んでスパット打て」と指導されたそうです。この指導に対して左脳で入力する私には理解しにくい指導となります。

しかし、右脳で入力する選手には素直に理解できる指導であるはずです。野村監督の場合は指導マニュアル(「野村ノート」140ページの内容)で理論づけをし、心理学や哲学まで追求した指導をされています。この指導に対して、私は難しい内容ですが素直に理解させられます。しかし、右脳で入力する選手には理解にくい指導となります。

したがって、私の場合、直感型タイプと理論型タイプを平等に指導するためには原理・原則の理論武装をして指導の引き出しを(言葉)たくさん持つことが必要となります。

指導者は自分の苦手な部分を開拓し、より多くの生徒に情報を伝える創意工夫の努力を常に行なって、生徒にフィードバックしていくことが大切であることを教えられた。

2009年1月14日 (水)

【第71回】2-5組からの小さな取り組みY. H. (英語)

 昨年の9月から2年5組は留学生を迎え、新たなスタートを始めました。彼はカナダ出身のJ君です。初めて彼を紹介されたときの印象は、真面目で、シャイで、大人しそうな感じでした。私はそのとき心の中で『2-5組の元気で個性揃いの生徒の中でうまくやっていけるかしら…』と少し不安になりました。

 2学期が始まり、最初はJ君も生徒もどのように接してよいのか分からなく、ぎこちない状況が続きました。またジェスチャーを用い、一生懸命に会話を試みる生徒もでてきましたが、少し突っ込んだ話になるとお互い言葉の壁で会話が弾まなかったり、また意思がうまく伝わらず勘違いしたりされたりで、お互い少し辛い日々を送ったと思います。でも、この期間は留学生とその彼を迎え入れる側にとって誰もが経験する必要な時期だと思い見守ることにしました。

 ある日、J君に自分の国と家族についての紹介を日本語でしてもらいました。一生懸命準備したようで、日本語も上達し、生徒たちも興味を持って聞いていました。今まで、私たちが知らなかった彼を知ることができ、少し距離が近づいたように思えました。

 今では、J君がいないと2-5組の掃除は始まりません。彼はいつも率先してモップで床を拭き始めます。掃除を嫌っていた生徒も、いつのまにか一緒になって清掃に取り組んでいます。彼らが掃除をしながら自然にコミュニケーションを図っている姿をみるととても嬉しく、心温まります。私の最初の不安はどこかに飛んでいったようです。

 異国の人々が、仲良く一つの事に取り組めることは素敵なことだと思います。お互い異なるものを受け入れ、認め合うことが肝要であると思います。

 今、世界ではパレスチナ人とユダヤ人の争いがいまだに続いています。とても悲しいことです。すぐに解決するような問題ではないですが、平和が来ることを願わずにはいられません。『世界の人々がみんな仲良くし、争いがなくなればいいな~』と単純に思っています。

 これかも2-5組では、いろいろなハプニングが起こりそうですが、私たちが出来る小さな取り組みとして、留学生のJ君とお互いを認め合い、仲良く平和に過ごしていきたいと思います。

2009年1月 7日 (水)

【第70回】春を待つ谷内田 京子 (国語)

 昨年の1月は、3年生の担任をしていました。その頃は、クラスの生徒と一緒に卒業まであと何日、あと何日とカウントして過ぎゆく日々を大切に大切にしていました。

 あっという間に春が来て、3年生を送り出し、桜咲く4月新入生を迎えました。久しぶりに1年生の担任になると、何もかもがとても新鮮でした。

 清掃の時間には「先生、机は前に出しますか?後ろに下げますか?」「体操服に着替えなくてもいいのですか?」と質問がたくさんありました。ちなみに遊学館は、清掃が当番制ではなく、全校清掃です。全校生徒で一斉に清掃すると、短時間できれいになります。

 ある日、遅刻した生徒に理由を尋ねると、恥ずかしそうに「バスに乗り間違えて、迷ってしまいました…」というのです。遠方から通学する生徒もいるので、バスの乗り継ぎで戸惑うことも多いようです。

 そういえば、3年前1年生の担任をしていた時もこういうことがあったな。と懐かしく思っていました。

 今のクラスと一緒に過ごすのもあと2ヶ月半となりました。円筒校舎最後の1年を、この子達と過ごせたことを幸せに思います。

 春になると新校舎が完成します。この新校舎には理事長先生をはじめ、先生方、生徒達の色々な思いの詰まった校舎です。北陸の寒い冬を暖かく過ごすために、教室はフローリングに…お手洗いは明るく…生徒が集う場所をたくさん…。生徒会顧問の私としては、たくさん作業のできる大きな生徒会室を…などなど。
今からワクワクしています。

 春の訪れを待ち望む今日この頃です。

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