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2008年11月26日 (水)

【第65回】寒い時期でも本 茂通 (地歴・公民、福祉)

11月19日 窓の外 秋の穏やかな季節が冬の装いに一変
生徒は寒そうに登校している

寒さを急に感じるようになり これからは登校するにも大変になってくる
そんな寒さの中でも 生徒の心はあつい

そう感じるのは
今は個人面談週間で 今後の進路や学習状況を中心に 担任と面談をしている
私が担当している学年は 第2学年
まだまだ自分の進路が見えていない生徒がいると言われがちな時期だが
私はそうは感じない
一人一人いろいろなことを考え行動し 今の自分と比べる
そんな生徒が多いと感じるからだ

面談をしていると 生徒の思いが また自分の心を動かす
何が良いのか 何をしなければいけないのか 生徒にとって自分はどうあるべきか
を また見つめなおす

第3学年では自分の目標を達成するようにまた生徒は頑張っていく
そんな生徒を見守っていけることは とてもうれしい

寒い時期にはなっても 生徒の思いは“あつい”
そう感じた今週だった

2008年11月19日 (水)

【第64回】日々思うこと村野 元孝 (芸術)

 なにげない話ですが、日々思ったことを書きます。

 「お勝手」という場所があります。これは皆さんが良く知っている台所のことです。私の家もそうですが、最近は、お勝手だけが独立して存在する家が少なくなりました。田舎の実家もつい先日お勝手をリフォームしました。いままではプロパンガスで煮炊きをしていましたが、コンロもIHに置き換え、壁掛けのテレビをつけ内装も白い壁にして明るくなりました。父が年をとり、足も少し不自由になったため、今まで食事していた場所もたたみに座ることをせず、イスとテーブルにもなりました。ずいぶんと近代化されたような気がします。

この「お勝手」を私は母が動きやすいからそう呼ばれていると思っていましたが、語源を探ると弓道からこの呼び名がきているそうです。弓の世界では左手を押し手、右手を勝手と呼んでいるそうです。押し手は弓をしっかり支える手、勝手は比較的自由に使う事が出来る手という意味だそうです。

昔は女性が家の中で小さくなっていた時代だったので、女性が自由に使える意味で「お勝手」と呼ぶようになったそうですが、実家の母は家にじっとしていません。きれいになった台所から飛び出して、お花のお稽古と大正琴の演奏会、お琴の演奏会や旅行と忙しく動いています。

うちの奥さんもその通りです。保育の仕事や独立した娘のところや息子のところに忙しく動き回っています。

学校の生徒も同様です。部活(吹奏楽部)の生徒は女子だけですが彼女達もそうです。今まで問題を投げかけてもなかなか腰があがりませんでしたが、最近は自分達で話し合い、皆で行動して解決しています。頼もしい限りです。

私の家の台所はリビングの横に少しだけあります。それでいいわけですね。

2008年11月12日 (水)

【第63回】雁(がん)の群れの秘密向江 大輔 (地歴・公民)

雁という鳥を知っていますか?

雁の大きさは、鴨(かも)より大きく白鳥(はくちょう)よりも小さく
現在では、日本で急速な減少から保護鳥の対象となり北海道の宮島沼や
宮城県の伊豆沼などに渡り鳥として飛来するそうです。

その雁たちは“群れ”をなして飛んでいくのですが、
なんと雁たちは、その“群れ”をなすことによって

一羽で飛ぶよりも、7割も遠くまで飛んでいけるんだそうです。

前の雁が飛び立つと、後ろの雁のために上昇気流を
作り出し、後ろの雁たちが楽に飛ぶことができます。

その群れから外れそうになっても、一羽で飛ぶと抵抗が大きく体力が
すぐに消耗してしまうので、すぐに群れに戻ってきます。

後ろの雁は、ガーガー鳴いて前の雁を励まし、
先頭の雁は、疲れると最後尾に回って別の雁と交代します。

群れの一羽が、ケガや病気で脱落すると二羽の雁が
その一羽を助けるために付き添って地上に降りてきます。
この二羽は、脱落した雁が回復するか死ぬまで一緒にいて

その後の新しい群れに加わるか、独自の群れを作って、
元の群れに追いついていきます。

…すごいね。雁って。

仲間同士“助け合って”飛ぶことによって“大きな力”
を作り出し、一羽では考えられないくらい遠くまで
飛ぶことができるんです。

人間と同じで、

同じ志を持ち、同じ目標に向かって一緒に進む人が
いると、“信じられない”くらいの“パワー”を発揮
することができるんです。

“1+1”が“5”にも“10”にもなるんです。
雁って『チーム一雁(丸)』(笑)の大切さを知っているんですね。

そして、この雁の群れは、ある型の編隊を組んで飛ぶんですが、

その編隊とは  
(ここからは、まず深呼吸をして、すこ~しずつ、ゆ~っくり下に進んでください)








その編隊とは…













なんと、
『V字型編隊』だそうです。

しかも勝利の『V』ですよ。



雁って、『チーム一丸』が勝利の『V』に

つながることも知っているんですね。


というわけで、遊学館の生徒諸君、雁を見習って勝利の『V』をつかもう!!
(ちなみに、女子駅伝競走部は11月2日に行われた全国高等学校駅伝競走
石川県予選で『V』をつかみました。おめでとう!!)

2008年11月 5日 (水)

【第62回】デコレーション奮戦記道上 ちひろ (英語)

担任:『みんな、学園祭企画で、この円筒校舎をデコレーションケーキにしない?』
生徒:『・・・・。』(この先生、何を言っているんだろう、という雰囲気)
担任:『みんなが勉強しているこの校舎は54年前に建てられて、それが来年取り壊されるんだよ。だから感謝の気持ちを込めて、バースデーケーキみたいに飾り付けしたらどうかなぁって思って。』このように、生徒たちの協力が得られるのかもわからないまま動き始めた企画でした。

牛乳パックの回収を全校生徒に呼びかけ、2500枚もの牛乳パックをつなげた壁面の生クリーム、チョコレート板に見立てられたメッセージボード、直径2メートルのいちご。これらの巨大なパーツを作るのに要した時間や、生徒たちの労力は想像以上のものでした。役割ごと、グループに分かれ汗とペンキまみれになりながらの準備が続きました。

その中で最も印象深かったことは、猛暑の中、牛腸先生、女子生徒2名と共に、いちごの枠組みを作るための竹を切り出しに行ったことでした。足を踏み入れるのをためらうほどの、うっそうとした竹やぶの中に分け入り、10本もの竹を切りトラックへと積み込みました。全ての作業が終わった生徒の手足は、大きな薮蚊に刺され、真っ赤に腫れていました。この時、とんでもない企画をしてしまったという思いと同時に、なんとか成功させなければならないと実感したのでした。

各々のグループが協力しあって完成したパーツを屋上へ持っていき、慎重に飾り付けを行いました。なかでも、大粒の汗を流しながら、声を掛け合い重く巨大ないちごの吊り下げ作業をしている生徒たちの姿は、企画当初からは想像できないほど生き生きとしたものでした。それにつられるように、ひとり、またひとりと作業に加わり、いつしかクラス全体がひとつになっていました。

そして、本校の美術教諭である本山先生のアイディアから生まれたデコレーション企画は
1年5組の生徒をはじめ、他のクラスの生徒や、先生方の協力を得て完成しました。テレビやラジオ、新聞にも取り上げられ、多くの卒業生に知ってもらうことができました。

あっという間に2日間が過ぎ、長い時間をかけ完成させた巨大モニュメントを片付ける時が来ました。生徒たちは口々に、『もう壊してしまうのかぁ、もったいないよね…。』と言いながら、屋上へと駆け上がりました。その途端、ポツリポツリと雨が降り出し、やがてどしゃ降りの雨へと変わりました。ずぶぬれになりながらも、生徒たちはまったく気にすることなく、黙々と片付け作業を続けていました。

全ての後片付けを終え、なんて意地悪な雨なんだろう…。そう思っていた私に、ある先生がひとこと。『お疲れさま、きっと、この雨は円筒校舎が別れを惜しんで流した、大粒の涙なんだよ。』その言葉で私の心は晴れ渡り、それと同時に、空もまた美しく澄み渡ったのでした。
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