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2007年10月31日 (水)

【第12回】道端S. Y. (理科)

 最近の出来事で、あなたが一番感動したことはなんですか?
と聞かれたら、皆さんは何と答えるでしょうか。

 一生に一度しか見ることのできない彗星を見たことと答える人、先週見た映画で泣いたと答える人、見知らぬ人に大変親切にしてもらってうれしかったと答える人、テレビで見た動物の出産シーンや昨日の夕焼け空と答える人、さまざまな答えが出てくると思います。

 実は、これはある大手企業の採用試験の面接時に問いかけられた質問だそうです。この質問には完璧な答えなどありませんが、質問の意図は日常生活の中でどれだけ平凡なことに感動を見い出せるかというものです。つまりその人の感受性の豊かさを測ろうとした質問だったわけです。

 『毎日通る道の脇に、いつもはなかったはずの小さくてきれいな花が今日は咲いていた。なんでもない日々の生活の中でありふれた風景にふと心を動かされる。』

 そのような物の見方や考え方が他人の長所を誰よりも多く見つけさせ、みんなが気付かないようなところに注目し、大ヒット商品を考案することに繋がっていくのだそうです。後者の大ヒット商品の考案は飛躍しすぎかもしれませんが、前者の他人の長所を誰よりも多く見つけるということは、社会において人間関係を円滑にする最良の方法です。

 『何となくムカつく』・『ウザい』という言葉をよく耳にします。人を嫌うことは簡単ですが、誰に対しても好意的に思うということは難しいことです。特に人口密度が高まり、対人トラブルが多くなった昨今ではなおのことです。そんな時こそ、安易に人を嫌うのではなく、自分だけが知っているその人の良い所を見つけることによって、気持ち良い日々が送れるのだと思います。

 遊学館にもいろんな分野で頑張って自分の長所を伸ばしている生徒や、目立たないことかもしれませんが良い心掛けを持ち、実践している生徒がたくさんいます。それが時には誰にも気付かれずに卒業を迎えることもあります。しかし、先生達は必ず見ています。だから、君たち生徒と向き合っていけるのです。遊学館の良さは、生徒一人一人の美点を見つけようとする先生方がたくさんいるということ、そして多くの生徒が自分自身の良さを見つけようと頑張っているところだと思います。

 皆さんもまずは明日、通い慣れた道(周囲の人)を見渡してみてください。あなたにも小さな花(自分にしか見えない、他人の良い所)が見えてくるかもしれません。